♪♪ 私の お寺ライフ ♪♪

 ブログアップして9年目に突入。相変わりませんが、私の「如是我聞」をお送りします。南無阿弥陀仏

慶聞抄2022年4月号

2022-03-21 16:21:22 | 随想
慶聞抄(きょうもんしょう)


   いのち、輝く  (京都府立植物園にて)

プーチン戦争

誰か止めて! 止めなさいよっ!
テレビに向かって思わず声をあげていました。2.26を忘れそうになったとき、ロシア軍がウクライナに侵攻、2.24が始まったのです。始まりの理由を聞くと、満州事変の時の日本軍の言い訳を思い出させます。

白昼火を噴くアパート、地下室に避難したところを爆撃されて2人の子を失くしたと涙ながらに訴える若い母親。国境近くでお父さんと別れたくなくてしゃくりあげる坊や。毎日、見せつけられるうちに、慣れっこになるのではないかと怖くなってきます。ご飯をよばれていたり、新聞を読んでいたりしているのに、TVの中の人達が今まさに命の危険にさらされている! SNSの発達で、まるで映画を観るように戦場が日常に飛び込んでくる異常。これでは日々感性がすり減っていく!

ウラジーミル・プーチン。大統領、首相を合わせて20年以上権力の座にあり、その上憲法を改正(悪)して2036年まで任期を伸ばすものとみられています。(私より1年下。これプータロ! 何してくれてんの。聞いたで! ナチス・ドイツの「レニングラード包囲」で、あんたのお母さんが餓死寸前で助かったんやて? せやのによーするわ、あかんでもう‼)日本にもいてました、秀吉。イエスマンしか残ってなくて、「殿」の無謀な朝鮮侵略を止められる人が誰もおらなかった。

救いは、ロシア国内の反プーチン運動。驚かされたのは、3月14日のロシア国営テレビのニュース番組生放送で、スタッフが「戦争やめろ、プロパガンダを信じないで、あなたは騙されている」との手書きのプラカードを掲げたこと。罰金で釈放されたとはいえこれからどうなるのか心配です。同じころ60都市、15000人が当局に拘束された模様です。

親鸞聖人は、お弟子に向けたお手紙の中で「権力者に近寄り、その力を借りて仏法を伝えようなどと考えてはならない」と言っておられます。権力者は、考えの違うものを排除します。力のないものを利用します。弱いもの、虐げられたものの気持ちが分かりません。分かろうとしません。秀吉も才覚、努力に秀で、人を魅了する何かがあったでしょう。でも、権力を握ると人は豹変します。いつか尊大になり、批判を許さない体質になります。権力は恐ろしいのです。なぜ恐ろしいのか。人の本性が恐ろしいからです。それがむき出しになるからです。

「凡夫といふは、無明煩悩われらが身にみちみちて、欲もおほく、いかり、はらだち、そねみ、ねたむこころ、おほくひまなくして、、(一念多念文意)」朝から晩まで、起きてから寝るまで、いや夢の中でさえ自分のことばかり。知恵も浅く、心は煩悩まみれ。それが人間の普遍性だと、聖人は断言されています。特に長の付く役職の人、家庭であれ学校であれ会社であれ、組織内の小権力者はもれなくご注意。

権力は腐敗する、絶対的権力は絶対に腐敗するーー英国の歴史家ジョン・アクトンの言葉もあります。戦争を抑止する近道は、独裁者を作らないこと。政治を人任せにしないこと。ナチスは1日にしてならず。あのヒットラーだって合法的に政権についたのだから。

心配したとおり、日本の政治家たちの中で、「核共有の議論をタブー視してはならない」と言い出す人々が出てきました。これを利用して非核三原則もどこへやら、なし崩し的に軍備増強を主張するのです。油断大敵。     合掌
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする