♪♪ 私の お寺ライフ ♪♪

 ブログアップして9年目に突入。相変わりませんが、私の「如是我聞」をお送りします。南無阿弥陀仏

慶聞抄2022年9月号

2022-08-26 14:11:06 | 随想
慶聞抄(きょうもんしょう)



9・18を記憶する

猛暑・大雨・コロナの3重苦。どれもが過去最高と、想像を超える「人新世」を証明するお盆でした。特にコロナについては、3年ぶりの高知でお盆をと期待していたのが、第7波の感染者数が激増、8月初めには毎日20万人前後の高止まりとなるに至って「自粛」を決断しました。しかし若いもんは修正がきかず帰省決行。

という訳で、今年はまれにみる一人お盆、ではなくて高校生と中学生の兄弟週末里子と一緒の5日間でした❣(オヨメが用意してくれた割引券を握りしめ市民プールへ! 猛暑に外出を控えれば、テキは寝るかゲームを始めるだけなので、宿題タイムを新設したりお手伝いさせたり。その段取りにけっこう疲れました。)

プーチンが始めた戦争も半年になろうとしています。ホンマ、始めるのは簡単やけど、終わらすのは難しい。同じように岸田さん、国葬って言わんかったらよかったと後悔したはるやろなぁ。(したはるかなぁ?)「世界平和統一家庭連合」‥何のことはないあの旧統一教会。人の弱みに付け込み宗教の顔をした集金組織。いや詐欺カルト。安倍元首相の祖父、岸信介が源流という。 

例のムッスメが中学生のころ、父親に聞いたそうです。「戦争はいつ始まったん?」
お盆のど真ん中、8月15日に「全国戦没者追悼式」がNHKで中継されるので、(日本でいう)終戦(敗戦)記念日は先刻承知。ムッスメの質問は真っ当で、この戦争の始まりをすっと言える日本人はどれだけいるでしょう?   

1941年12月8日? これは英米を奇襲した太平洋戦争の始まり。でも、その前に中国と始めていてそれは、1937年7月7日の北京郊外で偶発的に始まった盧溝橋事件。でも、何で日本軍が中国にいたのか?前にさかのぼると、1931年9月18日の柳条湖事件にたどり着きます。南満州鉄道の線路爆破を中国軍がやった、邦人の安全を守るためという口実で満州(中国東北部)を占領、翌年、「満州国」をでっち上げます。これが満州事変。当時の国際連盟はリットン調査団を派遣して、関東軍の自作自演であることを明らかにし、この国を認めませんでした。1933年、孤立を深めた日本は連盟を脱退します。どこかの国のしていることと重なります。プーチンは軍事作戦とは言うけれど決して戦争とは言いません。
 
問題は、いつ始まったかをはっきり言わない記憶のされ方です。アメリカに負けたのは言うけれど、中国に負けたとは思っていない。中国、東南アジアへの侵略は「大東亜戦争」と呼び、欧米からこれらの国を「解放」して天皇の善政を広めるのだと多くの日本人は信じていた。今のロシアの人々がそうであるように。先の戦争を侵略との反省に立つなら「十五年戦争」ということができます。

BSスペシャルで「戦禍のなかの僧侶たち~浄土真宗本願寺派と戦争」を観ました。戦争に協力したことを宗門として反省・表明できたのは、半世紀後の1995年のことでした。

「善悪の二つ、総じてもって存知せざるなり。そのゆえは、如来の御心に善しと思し召すほどに知りとおしたらばこそ、善きを知りたるにてもあらめ、如来の悪しと思し召すほどに知りとおしたらばこそ、悪しさを知りたるにてもあらめ」*「歎異抄」後序

人間はそう強くない。現実に流され、状況次第で何でもする。如来の光(智慧)に照らされて、自分を深く省みるのみ。 合掌
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