♪♪ 私の お寺ライフ ♪♪

 ブログアップして8年目に突入。相変わりませんが、私の「如是我聞」をお送りします。南無阿弥陀仏

慶聞抄2023年6月号

2023-05-20 19:19:48 | 随想

         ミカンの花・・・合宿参加の友人からのプレゼント写真(以下同様)

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コロナの谷間の連休明けに、ビハーラ研修でご縁を得たNさんのお寺に、同期プラスその連れ合いで、5人の合宿が実現しました。大阪(私)、広島、そして何と群馬から、和歌山の濃い緑とミカンの花の香りにどっぷり浸りました。

2023(令和5)年

6月号(No.115)

了雲寺 釈幸華

急傾斜の坂道を上がったところに忽然と本堂と庫裏が出現。お寺だけでなく、ミカン畑は全て石垣の上。営々と人の手で築かれたその佇まいに、ご先祖さまらのご苦労が偲ばれます。

Nさんは、ご両親亡き後会社勤めを終え、大阪に家族を置いて単身赴任で住職を務めておられます。朝の散歩でミカン畑の道を登っていたら、いつもお参りする漁村がすぐだというのです。山道で何を言い出すかと不信に思っていたら、急に視界が開けて本当に青い海が見えてびっくり。リアス式の半島だったんです。すぐ下に寄添うように集まっている家々の屋根が見えました。「全員がお爺さんとお婆さん」とNさん。(自分らもまあそうやけど。)

 

Nさんも通った大阪・津村別院の学習会で聞いた話を思い出します。その人は吉野の人で、大阪は茨木在住。無住の寺の総代を務める人が、ある日茨木の家を訪ねて来ました。「ぼん、ワシの葬式出しとくなはれや。」と言われて彼は泣いたそうです。あれから10年余、彼も総代さんもどうしておられるやら。

 

過疎化は今に始まったことではありません。お寺は減り続けています。ただ、コロナで「家族葬」が一般的になったのは確かで、人々の繋がりが希薄になるよう拍車がかかりました。

釈徹宗さん(宗教学者・僧侶)は、この人々の繋がりを『新時代の浄土真宗』の中で「中間共同体」と呼ばれています。

「日本は中間共同体の組み立て直しの最中だとも言えます。・・他の先進国に比べて急速にしぼんでいっているのが、データとしても確認されています。かつての我が国の中間共同体は、地縁・血縁・職縁を土台にして形成されたものがほとんどで、ともすれば排他的で抑圧的な面ももっていました。差別もあった。でも、そういった共同体がどんどん機能しなくなっている。中間共同体が瘦せると生きづらい社会になるのも確かなんです。ですから、旧来型の復活ではなく、この時代に即した、新しい中間共同体が立ち上がるべきだと思うんです。できるだけフェア(差別なく)で、分かち合う(シェア)ような、そういう共同体を立ち上げるべき状況に直面している。・・そういう意味ではいよいよ仏教の出番もあるのだと思います。」

 

和歌山行の数日前、うちの仏教女性会会員のOさんからお連れ合いの50回忌法要を頼まれました。若くして夫を亡くした当時の厳しい状況をお聞きしました。特に女一人とみた輩が玄関をドンドン叩く恐ろしい夜のことを。

お勤めが終わって振り向くと、ご一家オールキャストが勢ぞろいです。お子様ご夫婦、2人のお孫さん、そのうちのお兄ちゃんの方に新しい家族が出来ました。お二人の間に授かった坊やの他に、パートナーには2人のお子がおられたのです! Oさんは一挙に3人のひい祖母ちゃんになられました! 過去のいのちに思いを馳せ、新たないのちの未来に思いを巡らすひと時を分かち合ったことでした。  合掌 

 

 

     ↑ これは去年のうちの紫陽花

学校行くの⁈ 行かないの⁈ 2

こんにちは、坊守の由美です。前回から子どもの不登校についてお話しさせていただいています。

A子さんの娘さんは、中学1年生の時に不登校になりました。ある朝、娘さんがトイレにこもり、泣いて出てきませんでした。それをきっかけに、翌朝もその翌朝も、布団から起きてこなくなりました。

 

このまま休みグセがついたらどうしよう⁈と不安になったA子さんは、焦りから無理やり布団をひっぺ返したたきお越しました。それでも起きてこない時は、優しくお願いしてみたり、交換条件を出したり、泣いたりわめいたりしてみましたが、娘さんの心は閉じていくばかりでした。 

 

A子さんはその時のことを振り返り、あの時に娘の心に寄添ってあげられたら、不登校もこんなに長引かなかったのに・・・と後悔しています。

 

私自身、二人の子どもをもつ母親として、ああすれば良かった、こうすれば良かった、と後悔することも多いのですが、若いお母さん方に伝えたいことは、将来の不安に取りつかれて、今という時間をイライラ、ガミガミで食いつぶさないで欲しいということです。

 

学校へ行っていようが行ってなかろうが「この子は将来どうなるのだろう?」という不安はあると思います。でもそれよりも、子どもの良いところに目を向けたいですね。

 

コメント
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