♪♪ 私の お寺ライフ ♪♪

 ブログアップして9年目に突入。相変わりませんが、私の「如是我聞」をお送りします。南無阿弥陀仏

慶聞抄2019年3月号

2019-02-20 22:50:28 | 随想
慶聞抄(きょうもんしょう)
 了雲寺 釈幸華


経典に表れた女性差別

NHKの朝ドラ「まんぷく」で松坂慶子さん演じるお母さんは、何かというと「私は武士の娘です!」と言います。それがどないしたんって突っ込みたいところですが、ま、単調な筋立てのドラマであってはスパイスの役割もしゃーないか、と笑って許しているところです。

「私もお寺の娘です」と自己紹介したことで親しくなった人が源淳子さん。名前もなかなかインパクトがありますが、同じ西本願寺派のお寺に生まれた真宗学と女性学の研究者です。


東本願寺 人権週間ギャラリー展の扉

彼女が東本願寺のギャラリー展「経典の中で語られた差別」の女性差別に関するパネルの監修を頼まれて作成した一部が、直前になってはずされるという事件が起こりました。

はずされたパネルの内容は以下の3点です。

①「女人五障(しょう)」の教え:女性は次の5つのものになれない。梵天王、帝釈天、魔王、転輪聖王、仏。仏と、特別な能力で仏を守護するものた   ち。それと並んで「三従(しょう)」は「幼いときは父に、結婚してからは夫に、老いては息子に従え」という女性を自立できない存在とする考え。
②「変成男子(へんじょうなんし)」の思想:「仏説無量寿経」の四十八願の三十五番目がこれ。男に生まれ変わって初めて成仏できるとする。
③ 罪深い存在とみなされた女性:蓮如上人の「御文(手紙)」―お西では「御文章」―では女性の罪深さが協調されたものも多い。前世の罪業として現  世で女に生まれ、来世も救われないとされた。


     展示室内

2月14日のシンポジウムで、源さんは「はずすこと、表に出さないことは、ないものとすることだ」と批判しました。さらに女性差別の問題とどう向き合うのか、人権・差別の問題を我が事とするにはどうしたらよいのかと問いかけました。
 
報道によると、総長は「宗派として経典における女性差別に関して正式な見解が出しえていない状況において、展示することを差し控えた」とのコメントを出したそうですが、おかしな話です。

受付でいただいたパンフの11ページ、4.残された課題―日本文化の中の女性差別―に、1996年に公表された「女性の宗門活動に関する委員会」の答申があって、「女性教化の根本が、「三十五願」と「五障三従」と「女人不浄」を根底においての女性観を男性が説いてきた」と指摘されたとあります。だからこそ女性室が開設され、広報誌「あいあう」も29号を数えるのではありませんか! 「正式な見解」が出されていないのに広報していいのですかね? だいたい、ツルの一声でひっくりかえす、っていうのが男社会の野蛮な伝統ですワ。(と、お西の私が言ってどうなる・・)

   男女貴賤ことごとく 弥陀の名号称するに 行住座臥もえらばれず 時処諸縁もさはりなし 
                        親鸞聖人作 「高僧和讃 源信讃」 
      
    性別や身分は問題ではない。いつでもどこでもお念仏すればいいのです。   合掌

*お寺カフェ3月20日

*ビハーラ花祭り4月5日(桂三金さん)
コメント
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