♪♪ 私の お寺ライフ ♪♪

 ブログアップして8年目に突入。相変わりませんが、私の「如是我聞」をお送りします。南無阿弥陀仏

慶聞抄 2017年4月号

2017-03-21 14:11:06 | 随想
慶(きょう)聞(もん)抄(しょう)
  2017(平成29)年4月号
(NO・41) 了雲寺 釈幸華

 
五濁の世の中 
 
覚悟はしていたけれど、これほど毎朝のニュースで、トランプの言いたい放題を繰り返し聞かされるとは・・もううんざり・・。最近は、わざとスイッチを押すのを遅らせて、季節の話題とか特集ルポの時間を見計らっているほどです。
差別・偏見、虚言・妄語。「反知性主義」を体現している人物だと私は思いますが、事実に基づいてものを言うのでなく、自分の感情を優先します。問題は、彼一人のことでなく、このような世論状況で、これをポスト・トゥルースというのですが(昨年を象徴する単語)、最近、「ダニング・クルーガー効果」という言葉を知りました。能力の低い人ほど自分を過大評価する現象だそうで、米の心理学者が1999年に発見。ネットで得た知識だけで、自分は物知りだという自己認識が肥大するのだそうです。つい「五濁悪世」というお経さんの言葉が口について出てしまいます。

如来所以興出世 唯説弥陀本願海
五濁悪時群生海 応信如来如実言
如来、世に興出したもうゆえは、ただ弥陀の本願海を説かんとなり。五濁悪時の群生海、如来如実の言を信ずべし。     (正信偈)

興出世、興は行う、出世は俗を離れる、つまり迷いの世界を出て悟りを得ること。俗にいう「出世」とは逆ですね。それで思い出したけど、以前都会の孤独死を扱ったNHKのドギュメンタリーで有名になった「無縁社会」の無縁。もともとは、仏さまのお慈悲は、縁があるとか無いとか問わず一切の衆生にはたらくことから、大悲と同じみ仏のお心をいう言葉。仏教の言葉は、時として正反対の意味に使われるのでご注意。あ、「往生しまっせ」もそうですね 


いよいよ五濁。
劫濁:時代の汚れ、飢饉や疫病、戦争などの社会悪が増大すること。
見濁:思想の乱れ、邪悪な思想・見解がはびこ    ること。
煩悩濁:貪(むさぼり)、瞋(いかり)、痴(道理が分からない)などの煩悩が盛んになること。 
衆生濁:衆生の資質が低下し、十悪をほしいままにすること。(十悪:殺生・偸盗・邪淫・妄語・両舌・悪口・綺語・貪欲・瞋恚・愚痴)
命濁:衆生の寿命が次第に短くなること。(何かこれだけは当たってないなぁ・・日本においては平和の恩恵と考えるべきですね)

勿論、私も念仏者の端くれ、自分を悪世の外に置いて言うつもりはありませんが、前の大戦の反省に立っての国際社会の戦後の取り組みを、ここに来て突き崩すかのような、まるで戦前かと見まごうばかりの権力者の言説を聞き流すわけにはいきません。大統領令?壁を作るって?対して独のメルケルさん、2年間で難民100万人受け入れたって、スゴイ! 大体、中東の難民の元は、米が始めた戦争やったんと違う?貿易だってそう、保護貿易、ブロック経済ではあかんと自由貿易を進めてきたわけで。アメリカ・ファースト?違うでしょ、共存共栄。貿易立国日本代表、安倍さん、言ってやってよ、ハッキリと。えっ、籠池さんを黙らすだけで手一杯って!?


シンゾウはハグ メルケルにゃ手も出さず(川柳子)
 
全世界の国民がひとしく恐怖と欠乏から免れ・・いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない・・(日本国憲法前文)

*4/19 2時~お寺カフェ  5/20 13:30~仏教講演会 大阪市中央公会堂     合掌         
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1 コメント

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一年間、お疲れ様でした。 (churaumin)
2017-03-22 21:15:38
これからも、ずっとブログ続けていってくださいね!
楽しみにしています^ - ^
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