久しぶりのビバ☆更新です。
2/9の“七福神 岩手屋”を最後に、ほんと久しぶりのビバ☆です。
うしろに見えてるのは、東京スカイツリーです。
京成押上線の八広という駅の近くの歩道橋から見えるんだよ。
そして八広といったら、
ご存知、“丸好酒場”なんです。
場所柄、ビールはどうしてもスーパードライになってしまうので、ぼくはここは迷わず丸好ハイボール。
そして目の前でグツグツいってる、
煮込みを注文。
あとはいつものように、兄太田センセイにたのんで、ぼくは一杯。
では、お兄さま、どうぞ。
『居酒屋道楽』
「隅田川に沿って、東京の居酒屋を歩く」
次いで水戸街道・四ツ木橋南交差点角、「丸好酒場」の暖簾をくぐった。小さな三角形の店内の直角二辺がカウンターだ。少々冷えてきた春の夜に、床に置いた石油ストーブが温かく、ぐつぐつ湯気をあげえる煮込鍋も頼もしい。
酎ハイは氷は入らず、レモンスライスに炭酸ですっきりおいしい。一杯ごとに炭酸ニホンシトロンの空瓶を一緒に置くのは計算のためだろう。ここの名物は元祖牛レバ刺と自家製の炭酸だが、炭酸製造機がこわれ、修理できる人がいないのだそうだ。
「銀座のお爺ちゃんはどうしたの」
顔なじみらしい若いひとりが声をかけた。
「前、点検に来たとき、オレが死んだらこれ直せる人はもういないよ、と言ってたのがその通りになっちゃったのよ」
おかみさんが呼んだ合羽橋の職人は、ひと目見て「あー、これは直らん」と言って帰ったそうだ。
「手もさわってないのに出張費七千円取ってったのよ、腹立つわー」
そりゃそうだ。また別口は、ビールサーバーと同じと自信たっぷりに持ち帰り、三日後に持ってきて試すと一発で爆発した。
「わはははは、情けねー」
「あの炭酸だとやわらかくてうまかったな」
別の客がひとりごちる。そうか、飲んでみたかったな。
湯気をあげる牛モツ煮込みは、刻み葱に甕のタレをかけて出され、薄い味噌味でたいへんおいしい。ニンニク、玉葱、ゴマなどで作るという秘伝のタレはレバ刺にもちょいとかかり大活躍だ。
丸好酒場の――つづきは買って読んでね――
居酒屋道楽 (新潮文庫)(2006/05)太田 和彦商品詳細を見る |
これが噂のレバ刺。
注文すると、見るからに新鮮そうなレバーの塊をごろりと出してきて、手でふれて、おいしそうな部分を切り取る。
食べる直前に切ってくれるのがうれしい。
レバーをこうやって生で食べるのは、ここが最初ともいわれているこの丸好酒場で、酎ハイ片手にやれる至福のとき。
ていうか、見るからに美味しそうだよね。
この色ツヤ。
ああ、三ヶ月間、一生懸命がんばった甲斐があります。
煮込みもレバ刺も、ピリリとニンニクの辛さが相まって、これはオトナの味。
ちょっとだけオトナのぼくは、このうまさに感動してしまいました。
そして女性経営者の店には、
こうした、身体に優しいアテがあること。
このフキの葉っぱはサービス。
ピリ辛に煮付けてあるのがいい。酒が進む進む。
春キャベツを煮てるってとこがいいでしょ。
生野菜は身体を冷やすから、まだちょびっと肌寒い今は、めっさうれしい。
〆は糠漬で。
おばあちゃんがいる古い居酒屋で、糠漬にハズレはありません。これぼくの持論。
いい店でしょ。
おい、外まだ明るいじゃねえか。いったいいつから飲んでるんだ!
日曜日は昼の12時から開店してまーす。
さ~て本日の脳内ジャズは、
旅チャンネル『太田和彦のバーのある街へ』を記念して、
The Scene Changes (The Amazing Bud Powell, Vol. 5)(2003/08/12)Bud Powell商品詳細を見る |
から「Cleopatra's Dream」はいかがでしょうか。
今読んでる本にこんなことが書かれてありました。
「バド・パウエルはご存知ですか?」
――途中省略――
「五十年代初頭までの彼の演奏は素晴らしい。聴いているとね、こう、光が強すぎて、まばゆいくらいです。それがある時期を超えると、途端に輝きを失う」
「天才の寿命?」
「悪癖があったんですよ。当時のジャズプレイヤーにありがちな。ドラッグとアルコール。それで精神をおかしくして、精神病院に出入りするようになります。復帰したものの、それ以降の彼の演奏に、あの輝きが宿ることはなかった」
チェーン・ポイズン (100周年書き下ろし)(2008/10/30)本多 孝好商品詳細を見る |
ちなみに、『美味しんぼ』の「SALT PEANUTS(前編)」で、山岡さんがもらった10インチ版のLPレコードもバドパウエルでした。
レコードはないけど、ぼくも『The Amazing Bud Powell, Vol. 1 & Vol. 2』はもってます。
さーて次はどこへ行こうかな。
【くりす的名酒場紀行/丸好酒場】←詳細
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