本日の午前中は、佐島オフショアセーリングスクールの、これまでのプライベートレッスンを卒業したたくさんの生徒さんたちの中でも、素晴らしい成長を見せてくれた方々のうちのお二人の、卒業試験の半日。
卒業試験は、佐島マリーナを10時に出港して 12時に帰港する航海計画で、安全にセーリングする、という課題。
この日の風予想を自分で調べて、それに合わせて、自分たちで航海計画を立て、メインセールをリーフするか否か、ファーリングジブをどれくらいの大きさまで出すかも、自分たちで決める。
お友達コンビの1人Oさんは、小型船舶の操縦士免許は持っているものの、クルージング艇のお客としてヨットに乗った経験があるというヨット歴。もうひとりのKさんは、ヨットに乗るのは初めて。
10時ちょうど、まずはOさんの手で桟橋から出港。
佐島漁港から出て広い海面まで行って、
2人で海面の青海波模様を見て風向を確認して、周囲の安全を確認し、艇を風位に立てて、メインセールを揚げる。うん、素晴らしい。素敵です。
メインセールに風を入れて、セーリングを始め、エンジンを切る。
浅瀬のある方向やタコ壷のブイや刺し網のブイを避け、ファーリングジブを展開する。
OさんとKさんが立てた航海計画は、佐島沖にある大きな定置網二つを左回りに周って佐島マリーナに時間内に帰港する、というもの。
ここでOが、左回りだと最初のレグが真風下になって、クォータリーでのジャイブ、ジャイブでは、現在の弱い風ではスピードが出ないことに気付いて、計画を、最初のレグがビームリーチングでスピードが出る右回りに変更したいと校長先生に願い出る。
レッスンで伝えたことをよく憶えているファインプレーに校長も大喜び、大賛成で認める。
ステアリング&メインセールトリムと、ジブトリムを、二人で交代しながら難しい風のなか、定置網の端のブイを確認しながら、正確なステアリングとセールトリムの技を、校長先生が伝えた通りに実演する。校長は感動しました。
セーリングで最も難しい技の一つであるジャイブは、波の青海波模様の背中を見ながら、バウが風位を越える瞬間を、ヘルムスマンがステアリングしながら声を出して申告させる試験もしたが、二人とも完璧! 校長は感動しました。
その後予報が外れて風が弱くなって、航海計画通りのコースでは 12時帰港が難しくなったと判断したお二人が、二つある定置網を一つだけ周って帰港する案を提案。
これも素晴らしい判断で、校長は感動しましたが、レッスン最後のセーリングを、もっともっと楽しみたいというお二人のココロが見え見えだったので、 12時帰着にはこだわらずに、計画したコースを完走することを提案し、お二人の賛同を得た。
優先順位を見誤らない臨機応変は、セーリングにも、航海にも、もしかしたら、場合にもよるけど、人生にも大切なスキル。
校長としては、このお二人のこの臨機応変の対応に、セーリング術と航海術を伝えるこのレッスンの卒業試験で最も高得点を献上しました。
修了式で、右Oさん、左Kさん。
おめでとうございます。これからも素晴らしいセーリングと航海を!
この日の午後は、別の卒業生の方が卒業後に購入したヨットでのお仕事。明日の雨が降る前に、焦りつつも丁寧な仕事を心がける