糸井重里さん

2011年08月01日 | 風の旅人日乗
毎日13万人の人たちが見ているという
『ほぼ日刊イトイ新聞』を主宰する
糸井重里さんが、
児玉先生の動画のことを取り上げてくれた。

自分が、児玉先生の姿に魂を揺さぶられた理由が、
そうか、そうだったのか、
と納得もできた。
これからの、自分自身の取るべき姿勢や関わり方にも
ヒントをもらった。

この、糸井さんの毎日の言葉は、
その日に見なければ
アーカイブとして残らないようなので、
念のためここに書き写しておきます。

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ほぼ日刊イトイ新聞 7月31日

・東京大学先端科学研究センター教授の児玉龍彦さんが、
 衆議院厚生労働委員会で、
 「放射線の健康への影響」という題で、
 「参考人説明」をしたときの記録動画が、
 どうして多くの人のこころによく届くのか。
 これからのさまざまな問題を考えるときに、
 とても重要なヒントがあると思います。
 
 1)ほんとうにこころのこもった発言に感じた。
  怒りも口惜しさも誠実さも、
  こころから自然に出ているものだということが、
  よく伝わってくる。
 
 2)伝えたいことが、具体的な提案になっている。
  敵を想定して、それへの攻撃するのではなく、
  「どうすればいいのか」を実現するための話である。
  敵か味方かを問題にするのでなく、
  「どうすればいいのか」が共有できて、
  その実現に向うことのほうが重要なのだ。
 
 3)現場を知っている感覚が伝わってきた。
  結論の出にくい問題についても語っているのだけれど、
  「いまそこにいる人の心を感じ取ってきた」
  という臨場感と自信があった。
 
 3つとも、とても大事なことだと思います。
 特に多くの人に届くためには、
 2)の「どうすればいいか」があるかないかが重要です。

 危険や不安について、どれだけ言っても、
 何が「悪」かについてどれほど説明しても、
 未来への夢をどんなに語っても、この児玉さんのように
 「計るしくみを確実につくる」
 「民間業者を入れて除染作業を進めるべきだ」
 「この法律を変える必要がある」というふうな、
 具体的な「どうする」がないと、残念ながら、
 「もっと怒りましょう」キャンペーンになっちゃいます。
 感情を揺さぶることが目的でなかったことが、
 見ている人や、会場の人たちの感情を揺さぶったのです。
 見て、知って、ほんとうによかったと思っています。
 
(文・糸井重里)
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糸井さんの原文が掲載されている『ほぼ日刊イトイ新聞』はこちらへ。           

8月1日 吉永小百合さん

2011年08月01日 | 風の旅人日乗


セーリング情報を伝えるべきブログの中に、
原発やフクシマのことなど書かないほうがいい、
専門外のことに口を出さないほうがいい、
と助言してくださる
ヨット界やセーリング関係の諸先輩の方々が
たくさんいらっしゃいます。

そのとおりだ、と思います。
確かに専門外だし、
これまでちっとも知らなかったことだらけです。

でも、私の夢のひとつに
『海とセーリングをとおして、
この地球に生まれてきた幸せを
子どもたちに知ってもらうための活動を
生涯続けたい』
というものがあります。

その夢を推進しようとするときに、
原発問題はどうしても
避けて通れないものになってしまいました。

子どもたちに、
『あなたたちは、
素晴らしい能力を持っていた祖先の血を受け継いで、
奇跡のように美しい地球に誕生し、
今も素敵な人たちに囲まれて生きているんですよ』
と伝えようとするときに、
人類が作ってしまった原発のことを
存在しないかのように振舞うことはできそうにない、
と思うのです。

このブログの基本は常に、
ポジティブなセーリング情報の発信です。

でも、セーリングをとおした私のその夢に関わってくる、
本当は耳を塞いでしまいたいような嫌な情報も、
これからも、このブログで発信してしまうことになると思います。
ごめんなさい。

今朝一番のメールで、
その活動をお手伝いして下さっている東京深川・牡丹町の御仁が、
下のニュースを教えてくれました。
いろんな分野の人たちが、
ゆっくりと立ち上がり始め
それぞれの得意分野で
できることを始めているんですね。


(2011年7月31日21時33分 読売新聞)
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広島市で31日に開かれた日本母親大会で、
原爆詩を朗読した女優の吉永小百合さんが、
福島第一原子力発電所の事故に触れ、
「日本から原子力発電所がなくなってほしい」と訴えた。


吉永さんは朗読前のあいさつで、
「『原子力の平和利用』という言葉を、
今まであいまいに受け止めていた。
(福井県敦賀市の)高速増殖炉『もんじゅ』は恐ろしいと聞き、
廃炉運動には参加していたが、
普通の原子力についてもっと知っておくべきだった」
と語った。

その後、吉永さんは峠三吉の「序」、
栗原貞子の「生ましめんかな」など6編を朗読。
小学生や市民らと平和を祈る「折り鶴」を合唱した。
吉永さんは、1986年から各地で原爆詩の朗読を続けている。

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