2015年3月31日 カイト&フォイリング

2015年03月31日 | 風の旅人日乗
セーリングにおける、
水中の究極がフォイリングなら、
空中の究極は、間違いなくカイトだ。

すでにボードセーリングの世界では
フォイリングとカイトの
二つの融合は実現されていて、



当たり前のものになっている。






カイトセーリングでは、
セールやウイングセールと異なって
力点が水面近くにあるから、
船を倒そうとする
ヒール力が発生しない。



そのため、
カイトによるセーリングは
ヨットのキールボートのような、
バラスト重量を必要としない。



したがって、
例えばバラスト比50%のヨットなら、
そのバラストがいらないから
排水量は半分になる。
軽くなる。



つまり、
将来大型艇を
フォイリングさせたいのなら、
カイトセーリングであれば、
ことはかなり簡単なものになるわけだ。

ボートでも、
ついに、その二つを組み合わせに
まずはマルチハルでトライする
元気者たちが出てきた。



2010年に負けて以来、
アメリカズカップの舞台では雌伏している
アリンギチームに所属する
若者セーラーたちだ。

カイトの推力が艇に作用する
力点を風下側に置けば、



当然このように、
風下側が持ち上がる。

この状態はモノハルで言えば、
クローズホールドでのモスのように
アンヒールさせているのと
同じことになり、



それは即ち、
フォイルが
艇を浮き上がらせるだけではなく
艇を風上へと連れて行くチカラも発揮する
ことになるわけで、
つまり
カイトセーリングでは、
セールセーリングとは異なり、
自然なメカニズムで発生する
アンヒールによって、
スピードと上り性能を
同時に手に入れることになる。


なんだかここに来て
セーリングの世界は、
一段と面白みを増してきたなあ。


地球を去る日が近づきつつあるのが、
残念だぜ。