日々楼(にちにちろう)

古今東西・森羅万象の幾何(いくばく)かを、苫屋の住人が勝手御免で綴ろうとする思考の粉骨砕身記です。

2012年正月・春望考

2012年01月09日 | 日記

皆様、新しい年を迎えられまして誠におめでとうございます。
今年を、思い新たに勇躍の年にせんと、それぞれ心に期していらっしゃることと存じます。
皆様の一年が充実したものであり、幸せな日々を送られますよう、心よりご祈念申し上げます。

今日は、「2012年春望考」と題しまして、このブログが目指すテーマと私自身の「一年の計」について少し書いてみたいと思います。

A.このブログの目指すテーマ

1.春望
「春望」とは杜甫(とほ)の著名な漢詩であります。
杜甫の歳(とし)を、私の齢(よわい)は既に越えておりますが、しかし、2011年に私たち日本人が経験した事態は、人をしてその様(さま)を慨嘆させるに留まるものではありませんでした。それは、昨年の12月31日のブログに書いた通り、ひとつの時代が終わったことを告げ、日本人が、旧時代の知力と思考力そして判断力のレベルを越え、新しい時代を築く知力と思考力を身に付け、大事にあたっては的確な判断と迅速な実行を為し得る能力を身に付けなければならないことを、容赦なく求めるものでありました。

こんな時、事態を慨嘆して終わらせる日本人は一人としていないでしょう。
それ故、私達は一人一人が、その各々のポジションにおいて、或いはそのポジションが能力に値するものでなければ、新たなポジションを求めて、各人が考え得る新しい時代と社会の建設に向かって関わって行かなければなりません。

この新しいポジションを求めて努力し、それを得るということはとても大切なことで、私自身もそうなのですが、人はともすれば容易(たやす)い方へ流れがちで、「自分ってこんなもんだ」と思って仕舞(しまい)がちです。しかしそうであってはいけません。
そう思うことは、去年までのように社会は次第に固定的となり、且つ、経験したように非常時に無能な政府を持つ社会を作ってしまいます。

私は、この文章を若者の諸君を念頭において書いています。
志を高く持ちましょう。そして社会を変えましょう。
その総力が、新しい日本を築きます。

B.今、このブログで書いているテーマ

1.日本人の出自について
これを書くに至った、そもそもの所以は、伊藤博文公が明治憲法で「万世一系の天皇」と書いたことを検証しようと思い、考えることから始まりました。既に書いていますが私は、『イエスから広島・長崎』というタイトルで原稿を書き溜め、本にしようと考えており、それは、第1章が同タイトル、第二章・現代、第三章・祖国、第4章・万世一系、第5章・過去を未来へ繋ぐ、第6章・エピローグ、といった章立ての中、歴史の内省から書くに至ったものです。これは日本人のアイデンティティに為(な)り得ると考えています。
(章立ては変えることがあります)。

2.法と正義について
a.私は、人の「公」領域と振る舞いが世界を変えると考えています。むろんそこには人間の「情」や「義」の心情が欠かせません。そして公正であることです。

b.アメリカという功利主義の国にあって、ジョン・ロールズ氏、マイケル・サンデル氏が、「正義」について述べています。但し、サンデル氏の ”JUSTICE What's the Right Thing to Do? ”=『これからの正義の話をしよう』(早川書房・2010)は、文献を1冊上げただけで考証もなく、「アジア諸国の何万人もの女性が日本兵によって慰安所へ送られ、性的奴隷として虐待された」と書いていますから、この本自体が正義の本質に適うか検討される必要もありますが、何れにせよ、人口中の1%が国の富の3分の1以上を所有する国において正義が語られることには意義が認められます。

c.中国は、小平(としょうへい)氏が「黒い猫も白い猫もネズミを獲(と)るのは良い猫だ」と言って以来、功利主義の国になりました。これから曲折はありましょうが、仮にマルクス主義が建国の理念から外されていくことが起こるならば、中国も公共や公正や正義といった社会の在り方が議論されるようになると考えられます。

d.とりあえずは、aの視点からロールズ氏やサンデル氏を考えて行こうと思っています。

C.私自身の「1年の計」

1.『イエスから広島・長崎』を脱稿すること。経済理論にも言い及んだ主要な統計値が2008年までしかなく、少し古くなってしまいました。

2.「考凜館」の旗を掲げ続けること。

3.「美しい国・日本を作る会」の発足準備を視野に入れること(但し、これは5年計画です)。


4.生活の糧も得なければなりません。率直に言って、ハードワークです。

 

 

 

 

 



                  

                              正月の空(1月3日)

 

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