A.賀詞
春光敬賀 (春光ヲ敬賀シ)
亦有勇躍 (亦〈マ〉タ、勇躍有リ)
喜其声朗 (其ノ声の朗ラカナルヲ喜ビ)
勤勉成実 (勤勉二シテ実〈ジツ〉ヲ成す)
天是誉也 (天、是ヲ誉ムナリ)
2013年 元旦
皆様、新年明けましておめでとうございます。
皆様の本年が充実したものであり、幸多きものでありますように、
心からご祈念申し上げます。
B.添文(そえぶみ)
1.天とは、私達が生きるさまざまな都市を含む自然であり、地球を含む大宇宙です。
「蒼空」、「宙」、「神」、「主」、「天」、日本人の文字使いとして「天」が一番ふさわしいようです。
2.孔子の「五十而知天命(五十ニシテ天命ヲ知ル)」、福沢諭吉の「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと云えり」、西郷隆盛の「敬天愛人」の天にも、この考え方が流れていると言えます。
3.孔子、福沢、西郷の文には、年月を経(へ)て生き残こり、多くの人に何かを与えてきた重みがあります。
4.今日は人の共通善について考えます。
5.賀詞は、勇・朗・勤勉・成実など、人の営みの中で美徳とされる言葉を並べ、「天是誉也」と纏(まと)めています。
6.おそらくこれらの言葉は、作者を告げず、新年の祝詞(しゅくじ)として読んでもらった場合、日本、中国、韓国、北朝鮮、そして更にキリスト教プロテスタント派の人々にも、大して抵抗もなく受け入れられる内容だと思います。それほど、人の美徳とされる言葉を含みます。
7.そして更に、ここでいう天の概念(天の持つ意味)には、命を下したり、誉めたりする「天」という考え方も含みます。これを、現在の中国や北朝鮮の人々が、どのように理解するか私には分からないのですが、西洋の「神」という言葉の持つ抽象性より、「天」という概念には具象性も具えていますから、人の定めを司(つかさど)られる「天」という考え方は、彼らにも受け入れ易いだろう思います。
8.中国の易姓革命の考えもこの「天」の考えに基づいています。
9.ここで自戒として思うのは、それは、私のように人生を欠格して生きた人間は社会の共通善を賛美するに値しないのではないか、即ち、分を知るという自戒です。しかし、その私も天のもとで生きています。天は、私が分を越えることを許します。また、分限を越えよと命じます。これが天命です。
10.この文を、私は、中国の人々を念頭に置いて書いています。天は、人間が分を越えることを許し、また分限を越えることを命じます。これを知ることが、孔子の言う 「知天命」だと思います。そうして分限を越えた人間の登場によって、新しい歩みを社会は始めるのです。
11.現在、中国では反日教育が施され、人々は、「中国に従う日本は受け入れ、中国に従わない日本は受け入れない」、という行動と感情に支配されているように思えます。
12.一方、日本人(特に私達の世代=多感な青春期に中国・毛氏の始めた「文革=反走資派=反隥小平」という権力闘争を、その内実も知らないまま毛沢東手帳をかざして幹部を吊し上げる中国青少年の大衆運動に、これもその中身をほとんど知らないままそれを目の当りにした世代)はその多くが、、中国は貧しく、人々は建国に励み、善隣友好を掲げ、文化を共有し、敵対しない国というイメージを持ちました。また事実、中国は、周恩来氏のイメージを典型例にして、そのように振る舞い、今も日本には日中友好団体がたくさんあります。
13.しかし、中国の実像は異なります。
14.以下に、如何に中国・毛理論が破壊的な思想であり、その下に作られた国が破壊的な行動を取る国であるか、その事実を列挙します。
a.1950年6月~1953年7月 韓国侵攻(朝鮮戦争)
b.1950年10月 チベット侵攻
c.1958年~1959年 大躍進 (死者4500万人、1959年、毛沢東氏は国家主席を辞任) 参考: http://www.youtube.com/watch?v=yxeysXX5ofs
d.1959年3月 チベット、ダライラマ法王亡命、ノルブリンガ宮殿破壊
e.1959年9月 中印武力衝突 (これ以前の1954年4月に、中国は、周恩来氏がインドネール首相と平和5原則の協定を結んでいた)。
f.1962年11月 インド侵攻
g.1964年10月 新疆ウイグル族居住域のログノール湖で原爆実験 参考: http://www.youtube.com/watch?v=r2GunO6rb0c
http://www.youtube.com/watch?v=37sFp3pcPHo
h.1966年5月 文革発動
i .1967年6月 水爆実験
j .1969年3月 中ソ武力衝突 (アムール川支流ウスリー川 ダマンスキー島 )
k. 〃 7月 〃 ( 〃 ゴルジンスキー島) )
l . 〃 8月 新疆ウイグル族居住域で武力衝突
m.1974年1月 南ベトナム領パラセル(西沙)諸島を侵攻占拠
n .1979年2月 ベトナム侵攻 (中越戦争→敗走)
o. 1984年4月 ベトナム再侵攻
p. 1988年3月 ベトナム領スプラトリー(南沙)諸島の岩礁へ侵攻
q. 1992年2月 日本領尖閣列島を中国領土とする領海法を制定
r . 1995年 フィリピンが領有を主張するミスチーフ礁を占有
s. 2012年7月 スプラトリー(南沙)諸島、パラセル(西沙)諸島を三沙市の名称で自国(海南省)の行政区とする
15.こうして年譜にしてみると、中華人民共和国という国は、自国民に常に争いの対象を与えて、そこに彼らを駆り立て、国家としての緊張を保っている国だということがよく分かります。争いが彼らのアイデンティティなのです。そしてこれが毛氏の建国理論の精髄であり、マルクスが考えた戦いの精髄でもあります。
16.カール・ポパー氏はプラトン、ヘーゲル、マルクスに加えて毛沢東氏も、自由社会の論敵に加えなければなりません。
17.キッシンジャー氏もニクソン氏も誤りました。
18.ロシア・メンシェヴィキはボルシェヴィキに対して融和策を取り、敗れました。融和策は身を滅ぼします。
19.方法はただ一つ、海戦で勝つ、空戦で勝つ、陸戦で勝つ、これのみです。彼らの人海戦術には、憐れみを絶ち、弾を撃ち続けて勝つ。彼らに勝る装備とする。
20.中国共産党包囲網を作る。
21.彼らの役目は終わりました。上の年譜から見えて来るものは、彼らが他民族の文化を破壊し人々を殺してきた誤れる者の歴史と彼らが滅び、瓦解する姿のみです。
22.世界は十分中国に援助を与えて来ました。驕(おご)れる者はそれを自分の力だと過信します。
23.心ある中国の勇を尊び、朗に生き、勤勉、誠実の日々を過ごされる皆さん、その時が来ました。天命を自覚され、自由と新しい公共の旗を立て、自由諸国と価値観を共有できる国に、中国を変えてください。
24.皆様の人生が祝福されあものでありますように。
25.心から新年のメッセージを送ります。
前田子六