アメリカ大統領選挙追記
SNS(例えば、ツイッター'Twitter’)の機能
1.大統領選挙の終了後、トランプ氏は、アメリカCBSテレビのニュース番組 “60 Minutes”(11月12日公開)で、自分のツイッターのフォロワーは2800万に上り、“60 Minutes”のインタビ
ュー前日にも10万人増えたと述べています。(出所:11月13日 AFP) 2016年4月18日のウォール・ストリート・ジャーナルの記事ではフォロワーは760万人です。ヒラリー・ク
リントン氏と大統領指名を争う選挙戦に入って爆発的に増加したことが分かります。
2.このことは考えなければいけません。日本には「劇場型政治」と言うのがあります。巨大な組織・相手を批判し、自分はその巨大な組織や相手の改革者なのだと世論にアピールし、それによりマ
スコミの脚光を浴び、世論の支持を得るという政治(宣伝)の手法です。意識してかしないでか、トランプ氏もこの手法をとったと言えます。しかも、アメリカの白人の利益を何よりも優先すること
を基準にした排他的な言葉の増幅としてです。これは本当に本当に憂慮すべきことです。
3.今回のアメリカ大統領選挙で、私達は、SNS(例えば、ツイッター'Twitter’)には、ひとつ、或いは複数、或いは無数のコミュニティに対して、言葉の増幅機能があることを、リアル
に学びました。トランプ氏はこれで勝ちました。しかし、言葉の増幅には正のものと負のものがあります。正・負の言葉は、社会の成員の心の奥底に浸み込み、社会をそのような雰囲気を持った社会
へと変えてしまいます。それ故、聖書は「初めに言葉ありき」(ヨハネによる福音書)と教えています。私達は、私も含めて、SNSで言葉を発する時、それは善い言葉、明るい言葉、望みが実現す
ることを語る言葉であるよう、戒めなければなりません。そして、相手を批判する場合も、その理由は論理立てた根拠を示すものであると同時に、そこには相手と共に歩んで行くことのできる明るい
言葉を含むものでなければなりません。しかし、これも語っておかなければならないと思うのですが、マルクス主義者との関係で言えば、彼らの脳髄には、「地獄への道は善意で敷き詰められてい
る」という言葉が叩き込まれているため、難しいのも確かです。しかし、自由主義者はこれをやらなければならないのです。
4.そして、君たちが政治家(但し、政治家に限りません)を志す場合、このSNSの機能は、十分弁(わきま)え、善き道を語るツールとして、使用しなければならないのです。
晩秋の空