日々楼(にちにちろう)

古今東西・森羅万象の幾何(いくばく)かを、苫屋の住人が勝手御免で綴ろうとする思考の粉骨砕身記です。

平成29年(2017年)8月15日

2017年08月17日 | 日記

平成29年(2017年)8月15日


A.夏、8月

 

1.今年も夏、8月がやって来た。

 

2.関東では、7月は酷暑であったが、8月は雨の日が続いている。7月は九州北部

で、梅雨前線と低気圧の動きによって、大量の雨雲(線上降水帯と言う)が連続して発

生し、山の斜面が方々で崩れ、土砂と流木と大雨による大きな被害を出した。九州では

昨年の熊本地震に続き大きな被害が続いている。

 

3.ここに超大型と言われた台風5号が重なったので心配した。台風5号は、九州南の

海上から四国南沿岸を進み、和歌山に上陸し列島を横断した後、低気圧となった。この

低気圧は、列島北沿岸に沿って進み、秋田、青森、岩手に大量の雨雲を発生させ、We

bの気象情報を見ると、雄物(おもの)川を上流で氾濫させている。従来規模の気象を

予測して立てている日本の河川や沿岸部の防災施設は見直しをしなければならないよう

だ。

 

4.さて8月15日である。日本ではこの日は盆と重なり、全体が鎮魂のモードに入

る。NHKが、8月13日に「731部隊」、8月14日に「ソ連軍の南樺太(カラフ

ト)侵攻」、8月15日に「インパール作戦」の特集を組み放映した。

 

5.「731部隊」については、改めて反省する。細菌兵器を開発し、使用する動機、

指揮系統、組織を、どのような個人、どのような団体、いかなる組織、いかなる国家も

持ってはならない。また、使用してはならない。

 

6.「ソ連軍の南樺太(カラフト)侵攻」は、これが戦争の常であり、今後、私達が、

このソ連邦のような国家とはならないことを誓わなければならない。

 

7.「インパール作戦」を立案実行した牟田口廉也(むたぐちれんや)氏は、旧日本軍

の持つ特質を体現した典型であったのではないか思い、少し考える。

 

B.インパール作戦 


1.牟田口廉也氏は、陸軍士官学校、陸軍大学校卒である。これらの学校ではどのよう

な戦の仕方を教え、作戦を立案し、議論していたのか疑問ではあるが、インパール作戦

の立案・実行と太平洋戦線における延び切った戦線拡大のための兵力の投入を見れば、

おおよその推測はつく。

 

2.戦争はその国の持つ鉱工業生産力の差によって決着がつく。全面戦争に至らない局

地限定戦においても、やはり、決着はその国の持つ鉱工業生産力と相手を上回る武器の

能力の差と、食料、兵員、武器の輸送力の差によってつく。

 

3.現在のミャンマーからインパールへ至る最短と思われる道は、航空写真をみても、

北部の稜線の麓の村か中部の稜線の麓から稜線に出て谷筋(たにすじ)に添って平地に

下るか、南部の比較的平坦部にある道からインド領のモーレ(Moreh)に入り、インパ

ールに進むくらいしかなく、ここにイギリス軍の主力が陣地を構えているのであれば、

食料を現地調達で進めという命令は、常識的な頭脳を持っていれば出せるものではな

い。

 

4.太平洋戦線においても同様である。兵站と輸送を自国が制海権と制空権を持つ場合

の他は考えていない、いわば神がかりの作戦である。その最後が、神風特攻、回転特

攻、震洋特攻である。先の大戦において、これらの犠牲となったのは、これらの命令に

従った将兵であり、南洋の島々、南方諸アジアの諸地域、中国大陸、台湾、東北中国、

朝鮮半島、樺太(カラフト)、北方諸列島、沖縄、南西諸島、日本本土において犠牲

となった市民である。

 

5.現在の防衛大学校においてはどのような教育を行っているのであろうか。自衛隊の

使命と目標は勝利である。このことを肝に据えて日々の任務に勤(いそ)しむ自衛隊で

あってほしい。

 

 

                 

                                    空のある風景        

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