NHK報道、解説における「国」という表現についての要請と問いかけ
* 本項は、現代の自由主義国家の五原則を述べています。そのため、「中学生、高
校生のための自由主義講座 17」とします。
1.今日は、NHKのニュース報道や解説においてアナウンサーさんや解説者さんが使
われる「国」という表現につて、一視聴者の要請と問いかけという形で書きます。
2.この要請は、以前に、番組に対する感想を述べた記述の中で、一度、行っていま
す。
3.日本には、内閣以下、各省庁の行政組織があります。NHKの皆さんは、この行政
組織を一括(ひとくく)りにして、「国」と表現されます。これを改め、ある事件や出
来事が、行政にかかわるものであるならば、その行政省庁を一括りに「国」と表現して
伝えられるのではなく、その省庁名を報道や解説において視聴者に伝えてください。
「国」と一括りにするのと、省庁名まで報道するのとでは、ニュース原稿を書く人や解
説者には、誤報は許されませんので、担当省庁を調べ、確認するのに少し時間を要しま
しょうが、これがニュース報道や解説の普通の姿として確立されますと、その時間は苦
とするものではなくなるでしょう。
そして、もしNHKに、日本の行政組織に関わりのある報道や解説を行う場合、それら
の行政組織は一括して「国」とするという内規や慣行が受け継がれているのならば、そ
れらは改めてください。
4.この姿勢が確立されますと、日本が少し変わり、私達視聴者が賢くなります。
5.書き加えますと、「国=行政組織」ではありません。国とは、国民と領土・領海が
あり、国民が、領土・領海において、主権と自由と人権を確立して在る状態を、現代の
国家=国と呼びます。国民と領土・領海は実態として厳然と在ります。主権と自由と人
権も抽象概念ではありません。その国がどういう国であるかの実態を如実に示す実態概
念です。主権とは、主権者である国民の存在であり、その国民が持つ憲法、軍隊、行政
組織、経済社会とそのルールによって構成されます。自由と人権も、同じく、国民が持
つ憲法、軍隊、行政組織、経済社会とそのルールによって構成される実態概念です。現
代では、国とはこのように国民、領土・領海、主権、自由、人権の五つの実態を備えた
国家を言います。これを現代国家の五原則と言います。
6.しかし、この五原則を備えた国=国家は世界に多くありません。中華人民共和国も
北朝鮮も、国家の体裁は整えていますが、自由と人権を欠く、独裁者とそのヒエラルヒ
ー(支配の階層組織=中国共産党と朝鮮労働党)に属する人々によって、人々と社会を
支配する独裁国家です。これらの国々では、国の行政組織と党(支配政党)との関係は
未分化で、「国=党組織=行政組織」の等式が成立します。この事実に照らせば、現在
のNHKの報道スタンスは、このレベルの意識に留まっているのではないかと問いかけ
ることができるのです。
日本は、世界の自由主義国家の一員として、まだまだ発展を遂げなければなりません。
7.NHKとして、上記の要請と問いかけにお答えいただき、自由主義国家の報道機関
として、今後の報道姿勢と意識の改革を行うべく、真摯に御検討頂きたくお願い申し上
げます。
2月の空