A. 今上天皇陛下の御退位
1.今上天皇陛下が4月30日に退位されます。
今上天皇陛下の御代は、陛下御自身が御言葉にされているように、誠に、御自身が、国
民統合の象徴としての在り方を深く思索され、それを陛下の御姿をもって私たち国民に
お示しくださった御在位でありました。
2.今上天皇陛下の先の御代である昭和の御代は、天皇位は現人神(あらひとがみ)と
して受け継がれ、敗戦という世界の趨勢の中で、天皇位を、神格(現御神=アキツミカ
ミ)から、未だ「朕の政府」という意識はお持ちではあるものの、国民と共にある
「我」という意識をお持ちになり、日本国憲法第一章、第一条の言う「日本国の象徴で
あり、日本国民統合の象徴」の位置に就かれた御代でした。
3.今上天皇陛下の御姿は、我々庶民の心が打ちひしがれ、艱難(かんなん)にあると
き、いつもそこに在りました。沖縄に在りました。先の大戦の太平洋戦線の島嶼(とう
しょ)に在りました。陛下の存在は、例えば私と言う個人の心を取り上げて見ても、そ
の御姿を思い浮かべれば、心が和(なご)むと言う存在へと御成りになりました。これ
は現在の国民の誰しもが思うものと存じ申し上げます。これは陛下の御心の賜物であ
り、陛下の御心に衷心の誠より深く深く感謝申し上げます。
4.そして陛下の御わします所には、皇后陛下の御姿がありました。
皇后陛下は、天皇陛下の御心を自らの御心とされ、天皇陛下への献身は自ずと国民への
献身であり、それは皇后陛下の御心でもあったと存じ申し上げます。そして、この皇后
陛下の御心に、私は、衷心の誠より深く深く感謝申し上げます。
B.令和の御代の始まり
1.皇太子徳仁殿下が、5月1日に、即位され、天皇になられます。令和の御代が「う
るわしく和(なご)み、和(わ)す」御代となりますことを、誰しもが、強く希(ね
が)うものであります。
皇太子徳仁殿下の天皇位への御即位を、衷心の誠を尽くしお祝い申し上げます。
春の空に映える白梅