日々楼(にちにちろう)

古今東西・森羅万象の幾何(いくばく)かを、苫屋の住人が勝手御免で綴ろうとする思考の粉骨砕身記です。

事実はどんなパロディも拒む

2011年06月21日 | 日記

テレビに映る菅さんの笑顔を見て、それをパロディ風に仕立て、一文を作ろうとしましたが、
事実はそれを拒みました。
それほど事態はシリアスです。
この事態と菅さんの笑顔を対比させると、言いようのない腹立たしさを覚えるのですが、
そこの所はやはりパロディとしておきましょう。
「空きカンは分別ゴミです」。

6月18日のブログで、福島第一原子力発電所第3号建屋(以下、福島及び福島第一、3号建屋と略記)で起きたことについて記しました。
核爆発です。
うかつにも私は福島で起きた爆発は、それ以上の反応があったのではないかと思いながら、
政府や東電の言う通り、「水素爆発」だと思ってきました。

しかしそうではありませんでした。
それを知ったのは、福島の事故について少しまとめようと思い、
Web上で検索を行い、”Fairewinds Associate Ink”のアーニー・ガンダーセン博士の4月26日のレポートに接し、
”Sky News UK”の映像を見た時でした。

人命を賭して事故対応に当たられている、現場の方々や責任者には、本当に申し訳なくは思いますが、
核爆発にまで至った事故は犯罪であります。
巷間においても、工事現場で人命損傷に至った事故は、作業責任者は告発され、その責が免れられないものであれば、有罪となります。

福島において、今まで菅氏の政府は、事故に付随する責任を、もっぱら東電にむけた発言で行ってきました。
しかし、福島第一、3号建屋の核爆発について、私は、政府責任者である菅直人氏の罪を告発します。

第1に、
福島の1号機から4号機は津波の第2波(15:35)後、全ての電源を失いました。
1号機の爆発が3月12日の15:36、3号機が3月14日の11:01、2号機と4号機が3月15日の06:00頃です。
この間、1号機の爆発までまる1日、3号機まで中2日、2号機と4号機まで中3日、ありました。
3号機に限って言っても、日本の総力をあげて2日あれば、核爆発の前段の水素爆発を防ぐに足る相当の作業ができます。
残念ながら、これは出来ませんでした。

できなかったということは、政府の危機管理責任者である菅直人氏の、眼前の事態に対する認識の欠如と、
緊急に為すべきことに対する、的確な判断を欠いた対応にあると考えざるを得ません。
為すべきことを一番知っていたのは現場の人間だと思います。
そこに必要な資材と人を全国から集中するという、初動の情報収集(情報ラインの組み立て)が、おそらくなされていなかったのでしょう。

第2に、
日本は核爆弾を保有していません。
そのため、核爆発に対する知識は乏しいものがあります。
今回の爆発も、それが水素に起因するものであることを、私達は知っています。
4号機は定検中で、燃料は燃料プールに保管してあったということも、知っています。
しかし、それ以上のことは、燃料については機密上公表できないにしろ、何も知りません。
よし、このことは知らなくて良いとしましょう。
しかし、3号機については、水素爆発に誘引されて、それ以上の爆発が起こりました。
菅氏は、このことについては何も言っていません。
まるで自分の知らないこと、知識のないことは、自分の頭の中では無いことに等しい、と言っているような態度に見えます。

ガンダーセン博士は、4月26日のレポートで、福島3号機に生じた核爆発(Prompt nuclear reaction)がどのようなものであるか調べるには、
大気中(煙)のアイソトープのタイプをサンプリングテストする方法がある、と言っています。
このことは、今回の事故のプルトニウムなりウランなりの組成の比率が分かれば、その組成成分とならないような安全な燃料棒を作ることができるという意味と、
逆の意味では、福島3号機建屋で起こった爆発規模クラスの核兵器を作ることが可能だということも意味します。
アメリカは、博士が述べられているように、サンプリングを行いました。
無論、このサンプリングをやった国は、アメリカ以外にもたくさんあるでしょう。

私達は自国の責務として、アメリカやIAEAの協力を求めて、このことを解明する必要があります。
そして政府は、福島で起きたことを正しく国民に伝えなければなりません。
菅氏はこのこともやり切れていません。
自分の知識の守備範囲外のことなのでしょうか?
確かに知らないことはやれません。
それとも、福島で起きたことをアメリカに耳打ちしてもらって、「いやー、それは知りませんでした」とでも言って済ませるのででしょうか。
何せ、菅さんの内閣は、2位に甘んじることを是とする内閣です。そして一番楽な道ですから。

第3に、
福島の事故は、第1にあげたような政府の初動危機対応の不手際によって、国内においては、国民に多大の犠牲を強いました。
世界においては、今まで営々と築きあげてきた日本への信頼を、技術・システム・危機対応能力・経済・安全にわたって失墜させました。

第4に、
6月2日の政変で見せた、1枚の証文らしき紙片を示して人を欺くテクニックは、政治家と呼べる人のものではありません。
それは、よく世間を騒がせる腹黒き人物が密室で人を欺く手口の典型だと、断じることができます。菅氏は、
国民の前でそれをやりました。これは、日本人が今後、世界の人々と一緒に歩んで行くために、築かなければならない信用と倫理規範に悖(もと)ります。
日本の子供達や青年の中には、かかる一国の首相のふるまいを見て、それが許されていると感じた者も多くいるでしょう。
世界では、日本の政治家の手口は信用できないと考えた人もいるでしょう。
菅氏は、そういう子供達や青年、世界の人々に対して、マイナスのイメージを残しました。

日本人の大道とはそのようなものではないことを、世界の人々に示すため、菅氏は、上記の証文に示された
(1)復興基本法案の成立、(2)第2次補正予算案の早期編成のめどがついた時点で、自ら首相の地位をお辞め頂かなければなりません。

(注)6月22日、文中の ”Prompt nuclear action ”を ”Prompt nuclear reaction ”に訂正 

 

 

 

 

 

 



                               

                                            梅雨の青空  1


                               

                                           梅雨の青空 2


 

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