いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

法と正義7

2005年02月07日 22時30分31秒 | 法関係
今回はちょっと趣向が異なりますが、気になったので書いてみます。たまに読みに伺っているブログですが、悲しさが滲み出ていたので敢えてご紹介したいと思います。

追記:2月8日10時
昨日この記事を書きましたが、感情的になって書いてしまったところがあり、他の方にご迷惑になるかもしれないため、一部を削除・修正します。特にお叱りを頂いたわけではありませんが、当方の思い込みという面もあり、誠に申し訳ございませんが修正することに致します。


あるブログがありまして、そのコメント欄にとても残念な書き込みがありました。
以下に一部引用いたします。(管理人さんには、掲載の旨お知らせしています)


(引用開始)


『法務省と警察と大阪市役所だけを批判するのは不公平。ほかもやってるんだから。それに裏金は私的流用までは絶対回らない。もともと予算が少なすぎるのが一番の問題。』

『三悪(農水、国交、厚労)に比べれば法務の流用なんて可愛いもの。』

『道路公団関連の独立行政法人の理事が多額の報酬をお手盛りで決めてその額の公表すらしていない。タクシー代とは比べものにならない多額の税金が無駄遣いされているのにタクシー代ごときに目くじらを立てるとは何というバランス感覚のなさ。』

『裏金がなきゃ適正な公務ができないから仕方ない。いいかげんな人はそういうことはしない。まじめに仕事をしようとする人が仕方なく裏金を作っている。検察庁法務省に内部告発者が出ないのはまじめな人に責任を負わせることに心理的抵抗があるからではないか。』

(以上、引用終わり)

今まで、他の人が書いた記事とかコメントを直接非難したことはないが、今回はあまりにひどいと思ったので、記事に書くことにした。


(ブログの性質から言って)恐らく省庁関係者と思しき人物は、とんでもない発言を繰り返す。「他もやってるんだから」「法務の流用なんて可愛いもの」という具合に本音として、公然と発言するのだから。「裏金がないと適正な公務ができない」など、狂ってる。本当に倫理観が欠如している。


他の方が諭しておられたが、このような書き込みを行うこと自体が信じ難い。

国家公務員は裏金を使って当然という感性の持ち主が恐らく省庁内に存在しており、こういう人が行政の職権を行使する重要な立場であったりするかもしれないと思うと、悲しみが深すぎる。今まで、記事に官僚批判とか公務員批判を書いてきたが、不正はごく一部で、他の多くの方々はきちんとしているだろうと思っていた。だが、こうして見てみると腐った意識は、どこということなく滲み込んでいる。手続きが違うでしょ?裏金でいいんじゃないでしょ?正当な業務経費は、正当な手続きで得るのが当たり前でしょ。そうした努力をするべきでしょ。国民はどうすりゃいいんだ?


何を信じられるか、わからん。はっきり言って、かなりの衝撃ですね。


やっぱり、「いい国」は作れそうにありません。どこも穢れすぎてる。

郵政民営化の考察4

2005年02月07日 14時28分52秒 | 社会全般
毎日新聞の社説によれば、郵政民営化は「改革に値しない」ということのようです。

2月6日付の社説を読むと、現状の改革方針・手法について疑問を投げかけ、次のように結論づけている。

『詰まるところ、民営化するにしろ、現状の公社のままにしろ、貯金、保険の資金量に踏み込まなければ問題は解決しない。この問題になると、政府は「政府保証が外れれば資金量は減る」「民間会社の活動を制限することはできない」とそっけない。こうした本質の問題を避け、自民党とさらなる妥協を重ね、民営化にこぎつけたとして、何の意味があるのか。』

この記事を書いた記者の方の気持ちを推測してみよう。資金量に踏み込めということであるから、普通に考えると現状の郵便局が持っているお金の量を減らせ、ということであろう。


まず保険から考えてみましょう。前に書いたように、日本郵政公社のHPによれば、簡保の保有資金は約120兆円である。そのうち国債は約55兆円だ。公庫公団債と貸付が約20兆円、地方公共団体貸付も約20兆円、金銭信託が約9兆円、保険契約者貸付が2兆円くらいである。このように国債やほぼ公的貸付を合わせると資金の約8割に達する。


毎日新聞は、この資金量をどのように減らせというのであろう。素直に解釈すると簡保は既に契約してある保険を解約せよという意味である。もしくは、民間保険会社に現有の保険契約を買い取らせるということなのか。そして、公庫公団や地方公共団体の貸付を回収し、「貸し剥し」をしろということなのか。資金量を減らすというのは、そういうことになると思うが。


次に郵貯を見てみよう。これも日本郵政公社のデータでは、総資産約218兆円で、うち国債が約101兆円、公庫公団債約4.5兆円、地方公共団体貸付2.7兆円である。問題は預託金で、これが何と約87兆円ある(日本郵政公社全体では平成15年度決算額で約156兆円!!)。おそらくこれが財政融資資金として政府関係機関への貸付金(政府に貸しているようなもの?)に回っているのであろう。年金保険料の運用としても、この預託金というのがありましたから、あっちこっちからお金を調達しているのですね。

国には財政融資資金特別会計国債が約102兆円あり、これらの財政投融資の借入先がきちんとお金を返済し続けてくれれば、預託金も金利がついて返ってきますから問題がない。ところが、補助金もらったりして事業をやっても、利益が出ないどころか税金を食い続け、昔借りた元本の償還はやってきますから、この返済に追われてしまい(利益が出てなければ借金を返せるはずもないのですが)、借り換えばかり繰り返して、借金は減るどころか逆に増えることになりますね。

このような財政状況の郵貯ですから、もしも毎日新聞が主張するように、貯金残高を減少させようということになれば、貯金者に返金するために国債の大量売りで現金化するか、預託金を返還してもらい民間銀行に借り換えて頂くことになりますね。このような巨額資金を公庫公団等が調達できるか、また債権分類で本当に正常債権先の範疇に入る政府系機関がどれほどあるのか、という問題がありますね。まともな貸出先はほとんどないのではないか、という危惧さえある。民間銀行なら怖くて貸せないということだ。債務保証がなければ、現在ある財投先の杜撰な事業計画では、長期の資金提供はリスクが高すぎて貸してもらえないんじゃないの。


毎日新聞の主張は、ほとんど現実的には無理だ。資金量を減額させろということを、本気で考えているならば、民営化反対派の自民党議員が「国債の大量売りで暴落する」とか言っているレベルと同じような気がするが。もっともらしく「資金量に踏み込まなければ問題は解決しない」という結論をきっぱりとたたき出しているが、資金量を減らすのは全滅作戦を敢行することと一緒なのではないか。もし行ったとしたら、巨額不良債権の存在を明らかにできることと、財投先人員の大半の首切りをすること、これがその効果であろう。


確かに財投先は無駄が多いし、このまま存続しても赤字の垂れ流しや人件費を食いつくそうとする愚劣な天下り連中の餌食、という程度の組織があると思う。上述したように、財投先には多額の借金があり、財投国債と預託金を合計すると(正確な資料がないが上の数字だけで258兆円である)恐らく3百兆円程度はあるだろう。政府の借金が780兆円程度(このうち財投が102兆円入っている)で、この約半分程度の規模となる借金が政府ではなく、その関連組織の借金として存在するという恐るべき事態なのだ。これら財投先は抵抗勢力が政官業スクラムで結束しており、切り崩すことは容易ではない。しかし、資金供給源――郵政だな―を根元から断つことで、自滅を促すことにはなるのである。


年金批判で、一つの蛇口はかなり絞った。もう一つの、所謂メインバンクたる郵政を絞れば、破綻懸念先は、清算の道しかないはずなのだ。財投先のメインバンクを追い込めば、当然そうなるだろう。かつてのダイエーは有利子負債が2兆円規模であったが、例えて言えば、こういう危険債務の政府系機関が何と150社くらいあるということだ。これはとんでもない数字ということが判るであろう。再生機構がどんなに頑張っても再生できませんね(爆)。メインバンクのUFJに的を絞って徹底的に叩いたから、ダイエーに追い込みをかけることができたと誰しも思っているのではないだろうか。

郵政民営化はこれと同じ原理だ。引継ぎ法人は旧来の債権や国債は当然保有するが(保険や貯金契約が終了すれば徐々に減少する)、財投先の新規借り換えは民間金融機関から調達しなければならない。民営化後の郵貯・簡保事業会社は、新たに資金を集め、それを貸付するしかないわけで、当然財投先はロールオーバーが苦しくなるであろう。このように考えると、政府が示した枠組みで、ある程度の効果が期待できるはずだと私は考えている。政官業スクラムを打ち破る方法は、資金を断つこと、情報公開によって実態を白日の下にさらすこと、人事(人脈というべきか)の連鎖を断ち切ること、これくらいしか思いつかない(他に良い方法があれば、ご意見お願いします)。

このうち、情報公開については、政策評価の公開、予算・決算等の財務情報等が公開されるなど、ここ2~3年で格段に良くなったと思う。今後さらに、情報公開が進められていくとよくなるだろう。資金供給の問題は、今の郵政民営化が最大だが、補助金についてもまだまだ不正、非効率な部分やオカシイ補助金が存在する。このあたりは、さらに切り込む必要があるだろう。私の記事でも幾つか取り上げた(公益法人の意義国家公務員共済の謎15)。そして、人事・人脈だが、必ずしも悪いものばかりとも言えない面があるが、国家公務員制度改革を推進するべきである。読売新聞の昨日の社説ではないが、法制化は頓挫したままで、私も昨年に「官僚は制度に負けるのか」シリーズ以来検討していない。これは今後の課題として取り組んでみたいと思っている。


自民党公約は欺瞞の経典か

2005年02月07日 01時33分37秒 | 政治って?
昨年に、自民党政務調査会が作成した「自民党重点施策 2004 日本の再生と発展をめざして」においては以下の記述がありました。一部抜粋して示します。



郵便局ネットワークの活用による地域への貢献

新しい日本郵政公社の下でも、国民生活に不可欠な郵便、貯金、保険などの生活基礎サービスを引き続きあまねく全国に公平に提供していきます。
郵便局を地域における「情報・安心・交流」の拠点として位置づけ、郵便、貯金、保険の3事業に加え、国民共有の財産である郵便局ネットワークを更に有効に活用して、地方公共団体との連携により、郵便局での住民票の写しの交付等のワンストップ行政サービスや高齢者の在宅福祉サービスを推進するとともに、郵便貯金・簡易生命保険資金の運用を通じた社会資本整備を推進します。


将来とも安定した年金制度の構築

わが国の・・・中略
基礎年金について平成16年までの間に、安定した財源を確保し、国庫負担を現在の3分の1から2分の1に引き上げることを目指し、若年世代を中心とする年金制度への不安解消に努めます。




以前にも記事に書いてきましたが、昨年の年金改革は政府与党に対する不信感がさらに強まった。手続き上、十分な討議も経ないまま、国民不在の状態で強行採決されてしまった。酷い話である。私の評価としては、今でも国民を騙したとしか思っていない。


上に示した、政務調査会が書いた自民党の作文はウソぱちだ。現状の国会議論を見ればわかりますよね。本質的な議論は避けながら、自民党内の意見調整とか政党非難合戦という馬鹿げた国会を、国民の前に晒しているだけである。政府与党はこういう「騙し」を、公然と行い続けるのが普通の感覚ということのようだ。

一年も経たないうちに約束を破るのが、今の政治の形ということか。基礎年金の財源について、「安定した財源を確保」って、どこから引っ張るのか。来年度予算の政府案では、引き上げは暫定的に千分の11だけ上乗せという姑息な方法だ。選挙さえ終了したら、こういうウソをいくらでもつくことができるのである。「安定した財源」とは「定率減税廃止」がそれだというのか?ならば、全額投入すべきだろう。3兆円弱の安定的な財源をどこに求めるのか。答弁するとしたら、「約束はしていません。『目指す』と書いていますから、努力規定であって、絶対そうするという意味ではないのです」とか言うんだろうな。あまりに調子が良すぎる。民主党も予算審議で、もう一回追及してみたら?国民にこんなウソをばら撒く政府与党は許されないでしょ?


郵政についても、「民営化を推進する」とは書いてないのだから、矛盾しているんですよ。本当に郵政民営化を推進するならば、政務調査会の意見は「間違いでした」と訂正してもらわなければ、国民を欺いてることと同じでしょ。まるで説明責任を果たしていないし、誤りを認めそれを正そうとしていない。政党自らの政策について、きちんと国民に説明しなければ信じることができないままである。全然公約にならない、ウソの公約ならばサルでもできる。4つの事業会社の具体的モデルを示し、事業予測についてきちんと説明するべきである。