木村氏は記事の中で、日銀の量的緩和政策がどの程度実効性があるのか、という点で疑問を呈している。しかも、本日の平ちゃんのコメントが、「貨幣供給量の伸び、2%で良いわけがない」(NIKKEI NET 8日より)だ。
以下にその記事を記載します。
竹中平蔵経済財政担当相は8日午前の閣議後の記者会見で、日銀が同日発表した1月の通貨供給量(マネーサプライ)で代表的指標の「M2+CD(現金、要求払い預金、譲渡性預金など)」の伸び率が前年同月比2.0%にとどまったことについて「2%で良いわけがない」と述べ、日銀の金融緩和政策が不十分だとの認識を示した。望ましい水準としては「期待される実質成長率と物価上昇率を足しあわせたもの」と指摘。前年比で3―4%の伸び率を念頭においた発言とみられる。
日銀が資金供給目的で実施する公開市場操作(オペ)で予定通りの額を供給できない「札割れ」が繰り返し発生。金融機関の手元資金である日銀当座預金残高の誘導目標額を現行の30兆―35兆円から引き下げるべきだとの意見が出ていることに関しては「政策の中身なのでコメントは避けたい」とした。
このような内容で、私は全くの経済素人ですから、専門的なことはわかりません。ですが、中央銀行としての日銀は、グリーンスパン議長と同じくらい頑張れとまでは申せませんが、金融政策担当としては力弱い印象が致します。
日銀の過去10年間のバランスシートの推移は、1995年当時約57~58兆円程度であったのが、その後約150兆円まで膨らんでいる。これは原因としては国債が増大したことと、いわゆる紙幣発行による「発行銀行券」の増加による。今年の1月末現在の当座預金残高は約31.6兆円、発券銀行券が73.2兆円、国債残高が約95兆円、資産規模は147兆円である。意外にも、日銀の国債保有比率はアメリカと比べると少ない。逆に発券銀行券が少なく、当座預金比率が高い。アメリカの連邦準備銀行はほとんどが銀行券、つまりドル紙幣だ(何と約9割が銀行券!)。アメリカの場合には、資産に占める国債比率と負債・資本中の銀行券比率がだいたい同じなのである。EUの中央銀行の場合には、国債がすごく少ない。金・外貨資産・レポで資産の約4分の3を占め、一方銀行券は約半分、当座預金残高は約17%程度である。日銀が約21.5%ですから、やはり日銀が一番比率が高い。しかしながら、経済状況や政治・政策が異なる環境ですので、単純比較はできないでしょう。
当座預金残高を減少させるとして、どのような金融政策が適切か、よくわかりません。政府預金は2003年末約13兆円だったのが、今は約4.4兆円に減少しており(政府が貧乏になった、ってこと?なわけないかな、笑)、その分当座預金残高が積みあがっているとも言えるかもしれない。因みに2001年度末の政府預金残高は22.1兆円だったのですから、そこから見ると約8割減少したことになります。政府はものすごい勢いで貧乏になりつつあるということ?
産経新聞(2月3日)によると、次のような見方もあるとのこと。以下に抜粋します。
しかし、当座預金に資金供給するオペレーションでは、入札予定額に応札額が届かない「札割れ」が一月の一カ月間で、(1)国債を売り戻し条件付きで買い入れる「国債買現先オペ」で六回(2)「短期国債の買い入れオペ」で三回(3)「CP(コマーシャルペーパー)買現先オペ」で二回、「本店手形買い入れオペ」で二回-計十三回も発生。さらに今月一日には日銀本支店が金融機関から手形を買い入れる「全店手形買い入れオペ」で、二年五カ月ぶりの札割れが発生、今年に入って十四回目の札割れとなる異常事態となった。昨年のこの時期、札割れはわずか一回で、年間でも二十三回となっており、今年の頻度が際立っている。二日の当座預金残高は約三十兆五千億円。かろうじて目標を維持した。
しかしながら、札割れが続発する事態は、大手銀行の不良債権処理が峠を越し、金融システムも安定化しつつある裏返しでもある。「お金はもう十分余っているという市場のシグナル」(日銀関係者)なのだ。
こうした市場の空気を反映し、日銀の意思決定機関、金融政策決定会合でも昨年十二月、政策委員の一人が「金融不安が後退していくなか、当座預金の残高目標を徐々に引き下げることも考えられる」と発言した。しかし、量的緩和のもうひとつの狙いであるデフレ脱却はまだ見えない。日銀がゼロ%以上となるまで量的緩和を続けるとしている消費者物価指数の伸び率も下落基調が続く見通しだからだ。景気も昨夏以降のIT(情報技術)分野の在庫調整で停滞が続く。
年末の会合で別の政策委員が「(金融)引き締めと受け取られる可能性がある」と指摘したように、残高目標の引き下げという政策変更が「景気や長期金利に与える影響は未知数」(日銀幹部)という見方は根強い。
一方で、「金融機関の資金繰りが正常化したことになり、本来なら中央銀行も歓迎すべき事態。日銀が残高目標の維持に四苦八苦するのは不可思議な現象」(加藤出・東短リサーチチーフエコノミスト)という疑問はぬぐえない。市場関係者は日銀のジレンマを見透かしているように見える。
この記事を見ると、当座預金残高の目標額維持にこだわる必要性がないことを、市場関係者は感じているようにも見える。日銀のバランスシートで、昨年から今年にかけて目立つ変化は、政府預金残高の減少である。また、売現先勘定は約20兆円だったのが現在31.5兆円となっている。これは、ちょうど税金の納付前なので政府のお金が少なくなったってこと?季節的問題なの?それか、本当に政府が貧乏になったってこと?
日銀によるFB引き受けは政府預金のプラスに作用するから(本当かな?)、残高を回復するためなのではないかと思われるが、実際のところは解らない。このまま行くと政府預金残高が極めて少なくなるような気がするのです。今後はどうなるのでしょう?
以下にその記事を記載します。
竹中平蔵経済財政担当相は8日午前の閣議後の記者会見で、日銀が同日発表した1月の通貨供給量(マネーサプライ)で代表的指標の「M2+CD(現金、要求払い預金、譲渡性預金など)」の伸び率が前年同月比2.0%にとどまったことについて「2%で良いわけがない」と述べ、日銀の金融緩和政策が不十分だとの認識を示した。望ましい水準としては「期待される実質成長率と物価上昇率を足しあわせたもの」と指摘。前年比で3―4%の伸び率を念頭においた発言とみられる。
日銀が資金供給目的で実施する公開市場操作(オペ)で予定通りの額を供給できない「札割れ」が繰り返し発生。金融機関の手元資金である日銀当座預金残高の誘導目標額を現行の30兆―35兆円から引き下げるべきだとの意見が出ていることに関しては「政策の中身なのでコメントは避けたい」とした。
このような内容で、私は全くの経済素人ですから、専門的なことはわかりません。ですが、中央銀行としての日銀は、グリーンスパン議長と同じくらい頑張れとまでは申せませんが、金融政策担当としては力弱い印象が致します。
日銀の過去10年間のバランスシートの推移は、1995年当時約57~58兆円程度であったのが、その後約150兆円まで膨らんでいる。これは原因としては国債が増大したことと、いわゆる紙幣発行による「発行銀行券」の増加による。今年の1月末現在の当座預金残高は約31.6兆円、発券銀行券が73.2兆円、国債残高が約95兆円、資産規模は147兆円である。意外にも、日銀の国債保有比率はアメリカと比べると少ない。逆に発券銀行券が少なく、当座預金比率が高い。アメリカの連邦準備銀行はほとんどが銀行券、つまりドル紙幣だ(何と約9割が銀行券!)。アメリカの場合には、資産に占める国債比率と負債・資本中の銀行券比率がだいたい同じなのである。EUの中央銀行の場合には、国債がすごく少ない。金・外貨資産・レポで資産の約4分の3を占め、一方銀行券は約半分、当座預金残高は約17%程度である。日銀が約21.5%ですから、やはり日銀が一番比率が高い。しかしながら、経済状況や政治・政策が異なる環境ですので、単純比較はできないでしょう。
当座預金残高を減少させるとして、どのような金融政策が適切か、よくわかりません。政府預金は2003年末約13兆円だったのが、今は約4.4兆円に減少しており(政府が貧乏になった、ってこと?なわけないかな、笑)、その分当座預金残高が積みあがっているとも言えるかもしれない。因みに2001年度末の政府預金残高は22.1兆円だったのですから、そこから見ると約8割減少したことになります。政府はものすごい勢いで貧乏になりつつあるということ?
産経新聞(2月3日)によると、次のような見方もあるとのこと。以下に抜粋します。
しかし、当座預金に資金供給するオペレーションでは、入札予定額に応札額が届かない「札割れ」が一月の一カ月間で、(1)国債を売り戻し条件付きで買い入れる「国債買現先オペ」で六回(2)「短期国債の買い入れオペ」で三回(3)「CP(コマーシャルペーパー)買現先オペ」で二回、「本店手形買い入れオペ」で二回-計十三回も発生。さらに今月一日には日銀本支店が金融機関から手形を買い入れる「全店手形買い入れオペ」で、二年五カ月ぶりの札割れが発生、今年に入って十四回目の札割れとなる異常事態となった。昨年のこの時期、札割れはわずか一回で、年間でも二十三回となっており、今年の頻度が際立っている。二日の当座預金残高は約三十兆五千億円。かろうじて目標を維持した。
しかしながら、札割れが続発する事態は、大手銀行の不良債権処理が峠を越し、金融システムも安定化しつつある裏返しでもある。「お金はもう十分余っているという市場のシグナル」(日銀関係者)なのだ。
こうした市場の空気を反映し、日銀の意思決定機関、金融政策決定会合でも昨年十二月、政策委員の一人が「金融不安が後退していくなか、当座預金の残高目標を徐々に引き下げることも考えられる」と発言した。しかし、量的緩和のもうひとつの狙いであるデフレ脱却はまだ見えない。日銀がゼロ%以上となるまで量的緩和を続けるとしている消費者物価指数の伸び率も下落基調が続く見通しだからだ。景気も昨夏以降のIT(情報技術)分野の在庫調整で停滞が続く。
年末の会合で別の政策委員が「(金融)引き締めと受け取られる可能性がある」と指摘したように、残高目標の引き下げという政策変更が「景気や長期金利に与える影響は未知数」(日銀幹部)という見方は根強い。
一方で、「金融機関の資金繰りが正常化したことになり、本来なら中央銀行も歓迎すべき事態。日銀が残高目標の維持に四苦八苦するのは不可思議な現象」(加藤出・東短リサーチチーフエコノミスト)という疑問はぬぐえない。市場関係者は日銀のジレンマを見透かしているように見える。
この記事を見ると、当座預金残高の目標額維持にこだわる必要性がないことを、市場関係者は感じているようにも見える。日銀のバランスシートで、昨年から今年にかけて目立つ変化は、政府預金残高の減少である。また、売現先勘定は約20兆円だったのが現在31.5兆円となっている。これは、ちょうど税金の納付前なので政府のお金が少なくなったってこと?季節的問題なの?それか、本当に政府が貧乏になったってこと?
日銀によるFB引き受けは政府預金のプラスに作用するから(本当かな?)、残高を回復するためなのではないかと思われるが、実際のところは解らない。このまま行くと政府預金残高が極めて少なくなるような気がするのです。今後はどうなるのでしょう?