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個人の資質を疑う前に、メディアの質を疑うべき

2005年10月08日 14時36分38秒 | 社会全般
公募記事を書いたことで先日の報知新聞に続き、朝日新聞の記者の方から連絡を頂いた。残念ながら記事の締め切りがあったようで、折角ご質問を受けたのだが、こちらの返答が遅くて新聞記事には間に合わなかったらしい。まあ、それは大した問題ではないのですけれども。


報知と朝日の記者の方が同じ質問をされましたが、それは杉村議員のことについてでした。今の世間の関心事であることは当然なのでしょうけれども、どうもメディアの姿勢に疑問を感じざるを得ない部分があります。私はどちらの記者さんにも同じような回答をしたのですけれども、だいたい次のようなものでした。

朝日新聞の記者の方にメールで書いたのですけれども、それを載せておきます。

杉村議員がダメという評価は私には出来ません。何故なら、私が彼よりも優れているなどとは自分で評価することが出来ないからです。テレビをはじめとするメディアが格好の餌食として追い回しているだけのように見え、同情的ではあります。議員を評価するのは、国民であり、選挙民であろうと考えていますので、次の選挙までの議員活動をよく見て評価するべきことだろうと思います。高齢の元職議員などが当選したりもしてますが、議員らしい振る舞いは得意かもしれないが、杉村議員以上に国民に不利益をもたらしたり、悪しき政治に組してきたのは、実はそういった過去の政治家達なのではありませんか?見た目とか、ちょっとした言動に目を向けることも多少は必要でしょうけれども、国会議員が国民の為に何をしてくれるか、どういう働き・仕事をするか、それが重要なのであり、面白がって議員個人の報道を続けるメディアのレベルが知れるというものです。公募制度というものが欠陥なのではなく、選挙制度に根本的問題があると考えるべきだろうと思います。


このように回答させて頂きました。
一部には、「何故あんな候補を選んだのか」「国会議員としてなっていない」という批判が出るのは、確かにそういう面は多少あるかもしれません。ですが、必要以上に不備を探せば誰だって幾つかは笑われてしまうような部分があると思いますよ。それに、公募候補というのは、確かに優秀な方々や立派なキャリアを積んできた方々がおられますが、政治的実績がないことは大体みんな同じなのです。メディアが個人の能力や資質について全議員の正確な評価をしているのかというと、決してそんなことはないでしょう。過去の政治歴がある方々は、杉村議員よりも実績があるかもしれませんし、資質が素晴らしいということなのかもしれませんけれども、現実には政治的犯罪に関与したとされるような方も存在するわけで、そういう国会議員が果たして杉村氏よりもはるかに立派で議員の適格性を満たすものと考えておられるのでしょうか?過去の政治に多くの問題があったと批判するならば、最も指弾されるべきは議員に成りたての杉村氏などではなく、従来から議員として良い結果を残せなかった方々なのではありませんか?そういう部分に目を向けさせるでもなく、若きチャレンジャーを好奇の目で取り上げるメディアこそ、最も愚かな振る舞いなのではありませんか?


少なくとも私個人の評価としては、どの国会議員の方々もこれからの”仕事”にかかっていると考えております。特別に個人をショー化して、「劇場型」を演出する必要性はないと思いますが。メディアのオカシイところは、小泉さんの手法を「劇場型」「マスメディア利用型」などと批判を繰り返すのですが、最もそれに加担しているのはメディア自身ではありませんか。もしも、小選挙区で選出されない議員について何か問題があると考えるならば、選挙制度についての厳しい検証をするなり、次の選挙へ向けての選挙制度改革のキャンペーンを張るとか、そういった取り組みこそジャーナリズムに求められているのではありませんか?


昨日片山氏、佐藤氏、赤沢氏が委員会質疑に立ちましたけれども、どのテレビ局も赤沢氏の映像を流してはいなかったように思います。前2者ばかりを強調して報道する。予想はしていましたが、全く見かけませんでしたよ(国会中継では、映っていたでしょうけど見てないので分りません)。ニュースで赤沢議員をどれほど放映しましたか?毎日配信の記事(ベテランとルーキーのリンク先にあります)にしても、赤沢氏の論点や評価さえ割愛されていて、他方佐藤氏の「バッチリメーク」などというバカな言辞を並べ立てる記事にも呆れるばかりです。こんな面白可笑しく書いている、3流演劇の寸評記事みたいなのが、ジャーナリズムに求められているとでも言うのでしょうか?


対案として提出された民主党案について、どこの新聞記事にも、国民に分りやすく報道している記事がない。民主党案と政府案では、どこがどのように違って、将来像はどうなるか、郵政公社はどういう違った道を歩むのか、そういった論評がまるで出されていない。これでは、いかに国会論戦で双方がまともに取り組もうとしたって、国民にはその議論さえ中々理解出来ないでしょう。報道に求められるのは、新人の小泉チルドレンがどういうメークをしたか、などではなくて、質疑の正確な論点であり、改革案の選択肢の明示なのですよ。政府案に取り入れた方が良い部分とか、修正すべき点として参考に出来る点などはなかったのか、そういう検証などをするのが報道ではありませんか。新人議員のデビュー戦がどうだったのか、そういう視点でも報道されていいとは思いますが、ならば、赤沢氏を外すのはオカシイですね。これこそ偏向でしょうよ。それから、否決前の審議過程での委員会質疑と、どういった点で異なることがあったのか、以前質問に立った議員と違う質問事項が何で争点は何処に移っているか、民主党案に欠けている部分は何か、いくらでも報道するべき事があるはずです。そういうことがまるで考慮されない報道に、何が期待できるでしょうか?


メディアにこそ多様性と、モノマネではない言論が必要ですね。どこもかしこも同じように特定の議員を描き出す報道ではない、別な視点を持って欲しいものです。


追加:
前の記事に頂いたコメントのリンク先でも、そのように感じる方がおられたのだと思いました。


また追加ですけれども、今日の朝日新聞を買って読んでみました。すると、民主党案についての説明が一応図になっていて、記事に触れられていました。なので、全ての新聞記事に説明がなかった訳ではないようでした。スミマセン。

私のブログのこともちょこっと出てました。有難うございました。