いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

ミサイル防衛力のこと

2006年07月19日 16時48分28秒 | 防衛問題
前にも書いたが、基本的に情報がある程度集められる体制になってないとダメでしょうね。それは米軍の傘を借りようが、自前でも努力しようが、コストパフォーマンスを考えるとは思いますが、必要なものは必要なので揃えるしかないと思いますね。なので、衛星情報を共有化するとか、在日米軍との連携などといったことは、必要な部分はやるしかないと考えています。それを全て自前で用意するとなれば、大変ですよ。


紛争回避の為には、外交努力は勿論必要です。
けれども、日常生活においても、何の落ち度もなく普通に生活してたり、道を歩いてたりするだけで、殺されてしまったりする人は現実に存在します。駅で立ってただけなのに、殺されたりするんですよ。もしも、そういう事態が生じても、決して犯人に刑罰や制裁を加えたりするべきではない、とか、身を守る為に警官は武器を所持するべきではない、とか、そういう主張の人は、「防衛力を持つな」と言うかもしれませんね。本当に多くの国民がそれを望んで選択するというのであれば、これは仕方のないことでしょう。それが民主主義の手続きで決められるということになるなら、当然そうするべきでしょう。


現状でその選択をする勇気は、私にはありません。それは怖いからです。凶暴な犯人に襲われたくないし、自分の独力だけでは身を守る術がありません。なので、警官には武装してもらってもよいし、防衛力は必要なものは用意するしかない、と思っています。多くの反対者たちは、自分が凶暴な連中の前に立ちはだかって、たとえ自分が刺し殺されても他の人々を守る、ということなどしないのに、警官には「武器を持つから危ないんだ、オマエが素手で逝ってこい。口で戦ってこい」とかトンデモナイ激励をすればよいと考えているかのようです(笑)。「ならず者」は本当に何をしでかすのかわからないのだし、もし絶対に反撃されないことが判っている場合には、どんなことをしてくるのか判らないんですよ。


当面は、既にMD構想に基づいて配備を進めるしかないでしょうね。毎日新聞だったかに、「以前地対地ミサイルの研究予算を取ろうと思ったら、ダメになったんだ」とかの防衛庁幹部の「残念コメント」が出てたようだけど、結構恨みが深いね。かなり粘着質ですね。私は勿論反対したけど(笑)。攻撃用地対地ミサイル配備を公に言ったりしたら、それこそもっと非難が来るよ?ミサイル配備後には、「いつでも核弾頭が搭載できる状態になれる」とか、変なデマを飛ばされる、って。地対地ミサイル構想は止めといた方がいいよ。将来、潜在的核脅威国に認定されるかもよ。陸上自衛隊は、海上自衛隊や航空自衛隊を羨みすぎだってば。


敵基地攻撃論ですけれども、口が滑っちゃったのは額賀長官。同じテレビ番組(日テレ系の朝の番組だったと思う)に出演していた、民主党枝野議員の「昔の解釈では敵基地攻撃は可能、そのこと(=能力を持つ)も考えるべき」というような発言(完全に正確ではないが、こんなような意味で言った)を受けて、同じく昔の憲法解釈論を出して言ったのですね。そういうことも議論していかなければならない、というようなことも含めて。そこから「先制攻撃と言った」というような感じになって伝わったと思われますね。報道が積み重なると、多少ニュアンスが変わり、安倍ちゃんも同じように言ったかのように報道されたんだろうと思います。


閣僚が言うと、これも色々とありますので、慎重に言葉を選んだ方が良かったでしょうね。今の時期に言うのは、特に不適切であったと思いました。私個人では、次のように考えています。

・日米の防衛構想上、MDは決まったことですので、これは導入・配備を続けるのは止むを得ないでしょう。政治的判断だったので、単なる防衛力ということの他の部分も含めて考えることになると思います。在日米軍再編や情報共有化等の全体のシステムとして必要、と判断するしかないでしょう。多額の金がかかりますが。米軍に守らせるコストの一部、と思うしかないでしょう。

・「敵基地攻撃力」ですが、まず、言葉が悪いのですよ。これを止めること。「阻止任務能力」とかの表現を使う方が望ましい(元々の言葉の定義は知らんが)。「弾道核ミサイル破壊兵器」とか。基地攻撃だと、無差別的にどこの基地でも攻撃するかの印象を与えるので、そうではないという意図を明確に伝える努力をした方がいいでしょうね。

・地対地ミサイルは絶対によくない。これを持つというと、国内外からの猛反発があると思いますね。

・陸上自衛隊の主力戦車とか自走榴弾砲は減らすしかない。隊員定数も。そういうのは無駄が多くなるだけ。

・とりあえず、将来の配備が決まりそうな戦闘機/攻撃機を考える必要がありそうですね。後継機種選定に絡んで、色々とあるようですけど。ASMが搭載可能な機種は必要。セットで買うことを考える。

・万が一北朝鮮がヤケクソになって、本格的にミサイルを100発とか発射したら防げないじゃん、とか言う人もいますが、とりあえず、核弾頭搭載可能な弾道ミサイルの防衛ができるように考えるしかないと思いますね。鈍重な発射台(テポドンとかの)なら、航空機からの攻撃でも破壊可能。スカッドが飛んできてしまったら、しゃあない。外れることを祈る。戦術核だったら、泣く。射程が届かないことに賭ける。


一酸化炭素中毒死を考える

2006年07月19日 13時53分21秒 | 社会全般
今問題とされているパロマの不正改造等ですけれども、この危険性について少し考えてみたいと思います。

初めにお断りしておきますが、私は毒物の専門家などではありませんので、一般的な水準でしか書くことはできませんので、詳細とか正確な知識をお求めの方はご自身でお調べ下さいませ。


・一酸化炭素中毒死は珍しい?少ないの?

国内で最も多く見られているのは、恐らく自殺であろうと思います。特に近年のネット上の「自殺呼びかけ」で、集団自殺の場合に多く用いられる手段と思われます。昔は車の排気ガスを密閉した車内に引き込むということが多かったと思いますが、最近は練炭が多いのではないかと思われます。人口動態調査などの統計によれば、自殺手段として確か年間3千人以上の死亡があるかと思います。昔は半分くらいでした。

自殺方法では、まず意識障害(大体眠くなる、意識を失う)が先に起こり、その後の苦痛が少なく、方法としても簡便であるため、用いられやすくなってきたのではないかと思われます。飛び込み自殺や首吊り自殺などに比べても、苦痛や死亡後の汚損等が少ないからではなかとも思えます(決して、推奨しているわけではないので、絶対に自殺を考えたりしないで下さい)。


他には、火災による死亡のうち、熱傷ではなく一酸化炭素中毒死が死因となっていることも多くあると思われます。火災事故による死亡のうち、どれ位の割合がそうであるかはちょっと判りません。年間数百名規模ではないかと思われます。


これら以外では年間100~200名程度の死亡がありますが、統計には正確に出てない為にハッキリした数字は判りかねます。事業所等の産業事故などもあるかもしれません(恐らく労働環境の改善指導などで、その数は減ってると思われます。炭鉱等の危険度の高い業種も無くなっていると思いますし)。


・死体でどの程度判るのか?

年間数千人以上の死体が「一酸化炭素中毒死」のものであると考えられ、警察や消防等の職員が滅多に見ないレベルの事例ということは考えにくく、逆に、割とよく観察される死体ではないかと思われます。


一般に、一酸化炭素中毒死の場合、特徴的な死体である為に、判別がつきやすいということが言われています。色が「鮮紅色」であることが、その特徴となっています。一酸化炭素中毒死の死体というのは、見たことがあれば大抵見分けられる程度に「特徴的である」ということです。通常、不審死の場合には、警察か消防(救急隊)は呼ばれるので、死体検案書を必ず書くでしょう。そこで死因はハッキリすることが多いと思います。


・死亡数の水準は?

既に述べましたが、一酸化炭素中毒死で最も多いのは自殺であり、恐らく不慮の事故での死亡に比べ10倍~20倍程度多いでしょう。また、火災による死亡のうち、かなりの割合が一酸化炭素中毒死と考えられると思います。従って、パロマのガス器具の危険性による一酸化炭素中毒死よりも、火災などの発生リスクの方が高い可能性があります。

似たような事例では、松下の石油ストーブというのがありました。長い期間に渡ってリコール広告を出してますが、パロマに限らず、不完全燃焼や排気障害などによる一酸化炭素中毒は必ず発生リスクがあります。特に、冬期間にストーブ等の暖房器具などを使う地域では、そのリスクは高まるでしょう。火災の発生リスクについても、雪が積もるような寒い地域では高くなっているのではないかと思えます。


一酸化炭素中毒死に関する死亡統計は見つけられなかったのですが、厚生労働省の人口動態調査の区分で見ると、次のことが判りました。

統計データ・ポータルサイト

94年以前までは、<E868:その他実用ガス及びその他の一酸化炭素による不慮の中毒>という分類が用いられていたと思われます。その死亡数には自殺や火災は含まれていないはずです。この水準で見ると、84年頃は多くて246人でしたが、94年には129人に減少しています。おおよそ100~200の範囲の減少傾向でした。

95年以降では<X47:その他のガス及び蒸気による不慮の中毒及び暴露>という区分に変更となっています。以前と区分が違う為比較は難しいと思いますが、03年で男335人、女性50人となっています。

因みに自殺でのガス中毒死は約3500人(ここ数年で倍増してます)と、はるかに多い数です。都市ガスとかプロパンガスなどの中毒死は別だと思います。


年平均で1~2人の死亡があった可能性があるパロマの器具ですけれども、普通にストーブ等の暖房器具、ガスコンロやガス給湯器等を設置していて死亡する数よりは多分少ないと思われます。設置台数当たりの平均とかは判りませんので、死亡率がどうなのかは正確には評価できないのですが。


参考までに言えば、園芸用や農業用の肥料による中毒死は年間100~150人程度で、不慮の一酸化炭素中毒死と似たような水準ではないかと思われます。すなわち、過って園芸用農薬を摂取してしまって中毒死する数よりも、パロマのガス器具で一酸化炭素中毒死する数は圧倒的に少ないと推測されます。


・会社の責任

これは色々と非難が出ているし、無くなることはないのだろうと思われます。市場からは「不買」という社会的制裁を受ける可能性はあるかもしれません。不正改造について知っていたのに何もしなかったことは不作為の責任を問われるかもしれません。これはまた別な判断であると思いますので、今は触れません。

ただ、普通に生活していて、通常のコンロや暖房器具を改造などせずに用いたりしていても、一酸化炭素中毒死は発生しているだろうし、恐らくパロマの器具での死亡数よりもはるかに多い可能性が高い、ということは考えられると思われます。


これを防ぐには、一般の利用者たちに窓を開けて換気するとか、ガスを発生させる器具の基本的知識の啓蒙の方が多分重要なんだろうな、と思います。一酸化炭素中毒そのものの知識についても、そうかもしれません。


リスクをゼロにすることはできない部分もある、ということは考えてみて欲しいと思います。