選挙違反とかツッコまれても困るので、公示後はあまり触れないようにしてきましたが、残すところあと数日となりました。ここからは、大逆転とか殆どないでありましょう、多分。余程の事件でもない限り、特別な情勢変化はないと踏んでいます。地震災害があった以上の出来事など、滅多にありませんからね。
で、一応、前回書いた予想と今の雰囲気からのズレを若干追加しておきたい。
6月時点での推測はコレ>
少し気が早いが参院選予想
新たな材料としては、内閣支持率低下が「くっきり」みたいな感じの報道が多かったような気がする。判りやすく言えば、30%割れ、とか。まあ、そうなのかもしれない。私が調査したのではなく、報道機関がやっていることだから、現実がどうなのか確かめようがないけど、そういう数字があるね、ということだ。実際、何とも言えない(情報操作だ、とかの批判もあるだろうし、~効果だ、いや××効果だ、とか、いくらでも言い分は有り得るのだし、05年衆院選の時にも散々言われたからね、笑)のだが、自分なりの材料を見つけてきたので「こじつけ的」に書いておく。
①投票率は若干上がるかもしれない
前回予想では57%くらいを目安として書いたのだが、60%くらいまで伸びるかもしれない。期日前投票の出足などを見ても、割と投票率が上がるかもね、という予想が立ちそう。映画の興行収入予想みたいなもので、初日とか1週間の客数で興行成績の傾向が見えるのと同じように見れば、ということで(ただし、投票率予測には役立たない、ということは十分考えられますので、ご注意)。マスメディアの動員効果はそれなりにあった、ということかもしれないし。
前回予想は5600万票で考えたが、この投票率上昇を加味して、一応総数を増やして6100万票に修正。
②群馬県知事選に少しヒントがあるかもしれない
Yahooニュース - 毎日新聞 - 選挙:知事選 大沢氏が初当選 小寺氏の5選阻止、保守分裂を組織で制す /群馬
保守王国という特殊な要因はあると思うが、自公推薦候補の戦いぶりが見えると思うので。
4選の現職は元々保守寄りだったのではないかと思われ、今回は民主系の支援も受けていたようだ。当選した自公推薦候補は全体約85万票の約35.8%を制していた。残りは、他の候補の票ということ。つまり、自公の連合軍はやはり30%以上の得票を取れる可能性が十分ある、ということ。
群馬知事選で勝利できたのは、「票が割れた」から、ということに違いはないが、比例票の得票が推測できそうだな、と思ったので。それと、知事選で投票率53%というのは、割と高めの方だろうと思う。それだけ選挙への関心は高まっていた、ということかと。これは参院選の投票率もやや上がるかもしれない、という判断材料の一つでもある。
自公が組織戦を意識して動員をかけたが、都市部などを中心に多くが苦戦(自公以外への投票ということ)、全体的には自公への「NO」の姿勢が顕れていたと思うが、得票が分散してしまい組織票に軍配、ということになったのではないか、と。自公連合は状況が悪いながらも、やはり組織基盤を固めて戦えば最低線の得票は維持されるということであろう、と思った。
③05年選挙をもう一度振り返れば
自民党が大勝した、といっても、比例票で見れば案外大したことない、って前回予想記事でも書いた通りだ。
比例票は自民党が38.18%、民主党が31.02%で、自民が勝ってるという割りにはそうでもなかったのだ。それまでだと、大抵は大都市部で民主が優勢であることが多かっただろうから、それが自民有利にひっくり返ってしまった為に、多くの犠牲者たち(笑)が生まれることになったのだろう、きっと。東京や南北関東地区の比例当選の結果を見れば、モロにそんな感じだった。
なので、比例票では自民はそこそこ結果を残す、ということだと思う。勿論大幅に減ることにはなるが、それでも支持率程度には得票するであろうな、と。問題なのは、小選挙区同様の「1人区」の勝敗であり、これはほぼ自民vs民主の「直接対決」の構図が殆どなので、この結果が「大敗」に直結することは確かだ。
④修正結果は
上記①~③を総合して考えてみると、前回予想を若干修正し、次のように予想した。
・比例区(48議席)
投票率60%超、総数6100万票
自民 1800万票で14議席
民主 2400万票で20議席
公明 800万票で7議席
共産 440万票で4議席
社民 300万票で2議席
他 360万票で1議席
比例票で大幅に減りそうなのは、自民から離反した自民支持者が比例に公明と書かなくなることで、公明票が最も影響を受けて減るのではないかと思い、約4%程度の減少を見込んだ。自民の組織票は危機感の現れで、組織内引き締め(=「喝!」ってこと、笑い)効果により若干上積みされる(前回予想は1680万票)ものの、投票率が上がった増加分は殆どを民主に奪われることになりそうかな、と。これは05年衆院選でも67%まで投票率が伸びたことで投票総数が増え、民主は大幅に票数を落としてはいなかったのに、増加効果を自民に殆ど奪われた結果惨敗したのとほぼ近い、ということ。
民主は約39.3%を占めるので、05年衆院選の自民比例票の割合よりも高いということになる。自民は約29.5%となって30%割れであるが、政党支持率程度には踏み止まる、ということになりそうかな、と。投票総数が増えれば、弱小政党の最低得票ハードルは上がりそうなのでゼロかもしれないのだが、よく判らない。
・選挙区(73議席)
公明3~4+他1~2=6議席
共産・社民=ゼロ
自民 複数選挙区で19+1人区で10~12=29~31議席
民主 残り36~38議席
合計すると、自民43~46議席、民主56~58議席、ということになるかな。
本当に自民の逆風が強くて、1人区で一桁止まりであったりすると、もっと下方修正も有り得るかもしれない。殆どが一騎打ち戦であるなら、ほんの僅かな有権者の投票行動が結果を左右することになるからね。けれど、1人区は基本的に大都市がないので、民主党の歴史というのがあまり作られてきていないだろう。民主が「地方選で躍進した」とか言っても、田舎に行けばやはり地元の自民党系地方議員たちの地盤というのがあるわけで、そこで数的優位を作り出しているわけでもないだろうからね。実質的実働部隊、長年培われてきた活動の歴史、そういうのが残されているであろう、きっと。爺さんたちは侮れないだろうな、と。
しかし、票の比重が地方都市に割りとある選挙区なんかだと、そこで民主優位が確立されれば、町村や郡部を自民が押さえたとしても、大票田には敵わないので押し切られる、ということがあるかもしれない。地方都市の攻防戦が、1人区の勝敗を左右するかもしれない。自民に挽回チャンスがあるとすれば、微妙な人口の地方都市をいくつ攻略できるかにかかってくるだろう。群馬知事選では現職候補が地方都市部をおおよそ取ったものの、対立候補を大きく引き離すほどではなかった為に、他の地域での得票差で負けを喫した。つまり、自民は地方都市で民主の圧倒的優位を作られなければ、逆転チャンスはある、ということ。地方都市の過半を取れないとしても、何とか堪えて善戦すれば、町村部の得票が効いてくることがあるのかもしれない。それでも劣勢を大きく挽回するほどの勝ちを得るのは難しいだろう。