存在感の全くない内閣NO.2のこの男は時折ハチャメチャな暴言を繰り広げ、メディア受けを狙っていた。
しかし、開会式まであと3日となった頃、改めてコヤツの先見性に驚くばかり。
昨年3月、五輪の1年延期が決まる前の3月18日、麻生太郎財務相は参院財政金融委員会で「呪われたオリンピック」と発言し、「40年ごとに問題が起きた」と得意げに自説を展開していたことを思い出した。
「麻生氏『呪われた五輪』 『40年ごとに問題』自説展開」
確かに、1940年冬の札幌五輪と同年夏の東京五輪は日中戦争のために返上。
80年のモスクワ五輪では西側諸国が旧ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議しボイコットした。
その40年後が2020年の東京五輪なのだが、中止にしなかったツケにより、文字通り呪われてた五輪となりつつある。
【毎日新聞より】
始まりは15年の「呪われた新国立競技場」建設問題であった。
多くの専門家からは改修工事で十分対応できると指摘されながら新規開発に踏み切り、周辺の老朽アパート住民やホームレスらを排除して工事が行われた。
その前にザハ・ハディド氏のデザインが採用されたが、多大な工費がかかることに批判が高まり白紙撤回を余儀なくされた。
同年は「呪われたエンブレム」もあり、最初に採用された佐野研二郎のデザイン盗用疑惑で白紙撤回となった。
開催季節をIOCの強引さに負け真夏開催にしたため、多くの批判が殺到し、前代未聞のマラソンコースが北海道に変更された。
揚げ句の果てに、新型コロナのパンデミックのせいで延期が決定したにもかかわらず、その後も東京オリンピック委員会の森喜朗会長が性差別発言で、開会式と閉会式のクリエーティブディレクターを務めた佐々木宏が女性タレントを卑下するような発言で、ともに辞任するなどゴタゴタは続いた。
そして極めつけは、開会式直前になってのこのゴタゴタでああった。
「小山田さん、組織委に辞任申し出 『配慮に欠けていた』」
東京五輪があぶり出したのは、現代日本社会の構造的、本質的欠陥だと思います。新国立競技場問題、佐野研二郎氏パクリ問題、森喜朗氏性差別発言、演出統括佐々木氏問題発言、小山田圭吾氏いじめ問題など。世界が人権意識、コンプラを高めていく中で日本は旧態依然のまま。https://t.co/lanSHnpGus
— 福田充 Mitsuru Fukuda (@fukuda326) July 19, 2021
そもそも組織委員会は体育会系の旧態依然とした、頭で考えない体質であり今回の「配慮に欠けていた」発言」からも読み取れる。
さらには実行不可能な「プレーブック」を机上で考え作文したことにより、いざ実践のばになってその綻びが露呈。
「五輪関係者「15分外出OK」謎ルール 政府が撤回要求」
福島議員「五輪関係者が宿泊するホテルに置いてあるペーパーには、15分以内に戻るよう書いてあるが、行き先については一切限定がない。今までの説明と全く矛盾するのではないか」
— 国会ウォッチャー@総選挙まで安倍・菅政権振り返り中 (@kokkaiwatcher1) July 19, 2021
オリパラ事務局「ご指摘の通り。この案内板の記載では誤解を招くので組織委に見直しを申し入れてる」 pic.twitter.com/7fzwlL6bjC
[関連記事]"15分外出可" のなぞルールが生まれた背景。内閣官房担当者「監督者の中に英語が達者でない人がいた。案内板で『早く帰って来てください』と書いていたところ、『どれくらいで帰ってくればいいのか』との問い合わせが多く、15分と書いた」https://t.co/x7bIKVYPeE
— 国会ウォッチャー@総選挙まで安倍・菅政権振り返り中 (@kokkaiwatcher1) July 20, 2021
昨日は、視点を変えて「原点に立ち返れ、JOCオフィシャルパートナーの在京メディア」とつぶやいたが、「ワールドワイドオリンピックパートナー」という150億円ほどの資金提供している2つの大企業が正反対の対応をした。
「トヨタ、五輪CM放映せず 社長らの開会式出席も見送り」
やっぱり一流企業は違うな。でも通常のCMは流すのかね?それも撤退するならテレビ局は大打撃だな。
— 島娘(反原発・脱東電・脱原発派) (@shimamusumedesu) July 19, 2021
「大会期間中を含め今後も日本では五輪関連のCMは放映しない考えを示した」
トヨタ、五輪CM放映せず 社長らの開会式出席も見送り - 東京オリンピック:朝日新聞デジタル https://t.co/l8bOhGAnNl
あのトヨタですら東京五輪関連CMを見送るということは、東京五輪に関わるのは企業イメージ低下につながるのが確実ということ。まさに東京五輪は悪夢でしかない。#東京五輪の中止を求めます https://t.co/Pw2z17Skvg
— 凡人エリック (@No_Zey_2020) July 19, 2021
国内の一流企業は国民の民意の動向に敏感であり、企業イメージを大切にすることは当然であろう。
いっぽう、米国外資系の、「ワールドワイドオリンピックパートナー」のコカ・コーラはとんでもないことをしようとしていた。
「『持ち込み飲料はコカ・コーラ社』 学校観戦で通知、苦情殺到」
23日に開幕する東京オリンピックで、地元の小中学生限定でサッカーを観戦する茨城県鹿嶋市の市立学校が、会場であるカシマスタジアムに持ち込む飲み物について「コカ・コーラ社製の飲料でお願いします」と保護者に通知していたことが判明した。市教育委員会は大会組織委員会の意向を受けた文書と説明しているものの、市には苦情が殺到している。 市教委によると、市立学校のうち1校が15日付で「(持ち込む)飲料はペットボトルの場合、コカ・コーラ社製の飲料でお願いします」とする文書を配布した。9日に組織委が会場を視察した際、担当者が各校の教職員に「コカ・コーラ社製以外のペットボトルは持ち込み禁止で、それ以外はラベルをはがして」と発言したのを受けた通知という。 文書はツイッター上などで拡散し、市に苦情が殺到した。市教委は「誤解のある表現だった」としている。市教委は学校にラベルをはがすことのみ求めていたという。 |
こんなことをしたらコカ・コーラ社のブランドイメージに傷がつきます・・・と諫言する人が社内にいないとしたらコカ・コーラ社の未来が不安です。 https://t.co/TpquNsqVYh
— 内田樹 (@levinassien) July 18, 2021
それな。今んところ、公式スポンサーやってることでいちばん企業イメージ下げてるの日本コカコーラな。聖火ランナーより派手なDJ車を走らせ、観戦小学生にコカコーラ製品持参の強制。悪い見本になりすぎてる。/トヨタ、五輪CM見送り 企業イメージ低下懸念か https://t.co/Av9gwcXaBr
— PICTOMANCER (@pictomancer) July 19, 2021
コカ・コーラ社は、全国の聖火リレーの先頭を大型街宣車で音響入りの騒音を発しながら走っていたが、苦情も多く、五輪の宣伝ではなく自社製品の宣伝に余念がなかった企業である。
オジサンの少年時代はコカ・コーラは糖質が高くカフェインが入っているのであまり飲むものではないと教えられていた。
ましてや、夏場の喉の渇きを潤すコカ・コーラは小中学生にも勧められない。
ちなみにコカ・コーラ社製の飲料」とはどんなものがあるのか。
確かに「ブランド一覧」には、コカ・コーラ以外の飲料水やアルコール飲料も製造販売しているらしい。
もっとも、綾鷹のようなお茶類もあり必ずしも「コカ・コーラ」を飲めとは言っていないようである。
しかし、「看板に偽り?」という怪しげな飲料もある。
「ファンタ レモン マルチビタミン1日分」という飲料は、あたかもこれ1本のめば1日分のビタミンを摂取できるかのような錯覚を与える。
原材料・栄養成分・その他を見てみると、こんな風に記述されたいた。
原材料名 : 果糖ぶどう糖液糖、レモン果汁/ 炭酸、V.C、香料、酸味料、着色料(紅花黄、カロチン)、パントテン酸Ca、ナイアシン、V.B6
わずか3種類を「マルチ」と表示することは決して違反ではないのだが、常識的に考えても「ビタミン1日分」のサプリメントなどは、ある製薬会社の「マルチビタミン ミネラル 必須アミノ酸」というサプリメントには含まれているビタミンがこう記載されている。
ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・ビタミンC・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンK・ナイアシン
これだけ入っていれば「マルチビタミン」といえるのだが、コカ・コーラ社のマルチビタミンとは、「V.C、ナイアシン、V.B6」のわずか3種類であった。
こんな製品を販売している企業が「ワールドワイドオリンピックパートナー」となっている五輪は、すでにその化けの皮がはがれかかっており海外メディアもこう指摘していた。
「『おもてなし』が外国人警戒に 米紙、完全な失敗と東京五輪論評」
米紙ワシントン・ポスト(電子版)は17日、今週開幕の東京五輪について「完全な失敗に向かっているように見える」と論評するコラムを掲載。五輪招致の理念だった「おもてなし」の精神は後退し、外国人への警戒に取って代わられたと記しました。https://t.co/QJFOhjFGXZ
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) July 18, 2021
やること成すことがこの時期になってすべて裏目となりもはや、「呪われた五輪」は坂道を転がり始めた、とオジサンは思う。