新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

令和の日本列島改造で楽しい日本になるのか!

2025年01月07日 11時59分43秒 | 石破茂政権

年明け早々、半農半ジャーナリストとしてとして活動中の高野孟が「認知症」が深刻化しているトランプをメッタ切にしながら、返す刀で内閣の寿命を余計に縮めることになるかもしれないと石破首相に警告していた。
 
日本の石破政権が真っ先に「沈没」か?狂乱化が止まらぬ米国トランプから“最初の被害”を受ける国の名前
 

■初っ端に沈没するのは石破政権か。トランプに撹乱される2025年の国際社会
2025年は、1月20日のトランプ米大統領就任で事実上、幕が明ける。放言癖・虚言癖は相変わらずだが、8年前と比べると認知障害、妄想性障害が一段と亢進しているようで(本誌No.1289参照)、今なお最大の経済大国であり史上最強の軍事帝国でもある国の最高指導者がそんな風であるという前代未聞の事態にどう対処すべきか、全世界に困惑が広がっている。
■鉄鋼市場ではすでに二流か三流国に成り下がっている米国
実際、トランプの発言はますます思いつき的な短絡性を強めていて、その場はそれでいいとしても後の落とし所も何もないといった、本当の言いっ放しの無責任が目立つようになった。
日本製鉄が約150億ドルでUSスチール買収するという取引を阻止しようとしている一件がその典型で、トランプは12月2日に自身のSNSで「かつて偉大で強力だったUSスチールが外国企業に買収されることに全面的に反対だ」「買収者は(暗い夜道に、という意味なら脅迫に当たるが?)気を付けろ!」と喚き、その言葉の激しさに釣られたのかバイデン現大統領も、改めて反対を表明した。
それに対し当のUSスチールは12月27日に声明を出し、「日本製鉄による買収は中国の脅威に対抗し、米国の鉄鋼業が競争力を強化できる唯一の手段だ。買収が不成立なら喜ぶのは〔買収に反対している〕全米鉄鋼労組と北京だけだ」と強く反論した。
いくらトランプが凄んだところで、2023年の世界の粗鋼生産ランキングを見れば、ダントツのトップは中国宝武鉄鋼集団(13077万トン)、2位がルクセンブルクのアルセロール・ミッタル(6852)。4位に日本製鉄(4366)、7位に韓国のPOSCO(3844)、10位にインドのタタ製鉄(2950)は入るが、10位以内の残り5社は全て中国。つまりトップ10の6社までもが中国企業なのである。
さらに11位から50位までを見ても、40社中21社が中国企業で、米国企業はといえばその間にようやく、15位ニューコア(2120)、22位クリーブランド・クリフス(1727)、24位USスチール(1517)が入ってくるという有様で、つまりは米国は世界の鉄鋼市場ではとっくに二流国か三流国に成り下がっているのである。
■単純な事実を理解できぬ人物を大統領に選んでしまった米国民
国別の粗鋼生産量をみても、中国(1位)・インド(2位)・ロシア(7位)・ブラジル(11位)のBRICs4カ国合計は、G7のいわゆる旧先進7カ国合計の5.0倍。BRICS加盟国のイラン(12位)・エジプト(20位)・サウジアラビア(22位)・南アフリカ(34位)・UAE(41位)まで加えてBRICS9カ国合計とすればG7の5.3倍である。
これだけを見ても、トランプが「〔暗い夜道に?〕気をつけろ」と言っても、それで恐れ入るような世界ではなくなっているのに、ご本人だけがそのことに気付いていない「裸の王様」状態であることがよく分かるだろう。
それでも買収を阻止するというなら、USスチール社はそれが中国の脅威から米国の鉄鋼業を守る「唯一の手段だ」と言い切っているのだから、トランプは「いや、こうすればUSスチールと米鉄鋼業は守ることができる」と代替案を示さなけれならないが、そんなものは持ち合わせていない。
つまり「米国第一」というのは中身のない、単なる「掛け声」あるいはお祭りの「わっしょい」のような囃し言葉であって、それだけでは米国が再び「偉大」になることはあり得ない。
トランプが主張する「関税乱発」策も同じ問題の構造で、中国に対する追加関税60%とかメキシコの自動車に200%以上とかを実施すれば、確かにその分、輸入には歯止めはかかるだろうが、だからと言ってすぐに国内でそれを穴埋めするだけの製造業が育ってくるはずもなく、困るのは米国の企業や消費者である。代替策の用意なしに目先の出る杭を打って見せるだけではそうなるに決まっている。
フランスの皮肉屋の文明批評家=エマニュエル・トッドが『帝国以後』(藤原書店、2003年刊)で、
経済制裁や金融フロー中断の脅しは、もちろん世界経済にとって破滅的には違いないが、それでまず最初に打撃を受けるのは、あらゆる種類の供給について世界に依存している米国自身なのだ。
と喝破したが、それから20年経ってもまだこの単純な事実を理解できない程度の人物を大統領に選んでしまうのが米国民である。
■トランプの戯言に過ぎないグリーンランド買い取り案
トランプが、
デンマークの自治領グリーランドの買い取り
カナダを米国の51番目の州への編入
パナマ運河の管轄権復活
などを言い出していることも、彼の認知障害・妄想性障害が相当悪化して狂気に近づきつつあることの現れと考えて差し支えない。
グリーランドについて最初に口にしたのは、第1期途中の2019年のことで、これにはデンマーク首相が強く反発、予定されていたトランプのデンマーク訪問が中止となる騒ぎとなった。
その時は、彼の関心は石炭や亜鉛、銅、鉄鋼などの天然資源にあると報じられたが、今回はそれよりも「国家安全保障と世界の自由のために、米国はグリーンランドの所有と管理が絶対的に必要」と強調している。
これに関連して、12月26日付の毎日新聞に「ロンドン篠田航一」署名の記事があり、「米ニュースサイト『ポリティカ』によると、仮にロシアが米側に向けて核ミサイルを発射した場合、グリーンランド上空を通る可能性が高い」ことがトランプがここを欲しがる地政学的理由であると述べられているが、これには「あれれ?」と引っかかった。
この北極圏越しの米露ミサイル対決という問題は、私が『最新・世界地図の読み方』(講談社現代新書、1999年刊=絶版)などで盛んに論じてきたところで、大凡の地理関係は頭に入っている。
ロシアの陸上固定のICBM基地の多くがあるとされる東経100度以東の東シベリアのどこかから西経75~80度のニューヨークやワシントンDCに向け北極点越しに発射した場合は、グリーンランドの端っこを掠めるかもしれないが「上空を通る」という感じにはならない。
それにそもそも、ICBMは偵察衛星の目に晒される陸上発射よりも、衛星からは探知不能な潜水艦からの海中発射が重視されるようになっているはずで、その場合はグリーランドは地理的には全く関係がない。
それでも、もしかするとポリティカに「上空を通る」という記述があるのかと探求したが、すでに削除されたのか、そのような記事は見つからなかった。
確かに、米国はグリーンランド西岸に1950年代から「ピツフィク空軍(現在は宇宙軍)基地」を保有していて、それは北極圏空域の監視に役立ってはいるのだろうけれども、その機能に何らかの障害が生じ、グリーランドそのものを米国が買い取らなければそれを克服できないほどの重大事情が発生しているという話は皆無。
詰まるところこの主張は、トランプの不動産屋的な地上げ屋感覚に基づく単なる戯言に過ぎず、マスコミがそれに何か重大な地政学的根拠があるかのように論じてバックアップしてやる必要などどこにもありはしない。トランプに対して「バカ言ってんじゃね~よ!」と切って捨てればいいのである。
にも関わらず、この篠田さんという方は、毎日新聞ロンドン支局長らしいのだが、こういうあやふや記事を書き、トランプが何か世界にとって意味のあることを言っているかのような幻想を拡散する役目を果たしている。地政学的な話をする場合は、せめて初歩的な動作として、関連する地図(図1、2参照)を眺めてから記事を書いた方がいいんじゃないでしょうか。
図1
図2

■内閣の寿命を余計に縮めることになるかもしれない石破首相
このようなトランプの狂乱化に対して、欧州やロシア、中国など各国は、適当に躱(かわ)したり去(い)なしたりしながら、出来るだけまともにぶつかり合うことのないよう大人の付き合いをしようとするだろうが、石破茂首相は本来の性格が真面目すぎることに加えて、「米国は盟主」だと思う冷戦時代の価値観から未だに自由になっていない(その証拠が彼の「アジア版NATO」と言う時代遅れの構想)ことから、そのように上手く立ち回れないかもしれない。
とりわけ、トランプからの誘いに応じて1月中旬に訪米して就任前の彼と会談するのは、かなり危険で、いきなりビーンボールを投げられて重傷を負う可能性がある。
トランプの流儀はシンプルで、1対1の駆け引きを重視し、相手に弱みがあると見れば一歩も二歩も遠慮なく踏み込んで得点を上げようとするだろう。その手に引っかからないようにするには、周到な準備と根回しが必要で、「就任前に会ってくれれるのなら喜んで飛んで行こう」などと軽々しい構えでいると、それでなくとも短いと予想されている内閣の寿命を余計に縮めることになるかもしれない。
憂鬱極まりない新年である。


 
一方、米国と最も対峙する中国の習近平に対しては、こんな見立てをしていた。
 
落ち着き払う習近平。トランプ再登板という「巨大な変数」を前に中国が焦りを見せぬ2つの理由
 
2013年の国家主席就任以来、習近平氏が毎年行っているテレビ演説「新年賀詞」。2025年はトランプ氏が大統領に返り咲くとあって習主席の言葉に注目が集まりましたが、その内容は予想に反して落ち着いたものとなりました。
拓殖大学教授の富坂さんが、習近平氏に焦りがみられなかった背景を解説。さらに中国の目が日本から離れる当然の理由を記しています。
■目立ったのはある種の自信。習近平「新春賀詞」から読み取れるもの
昨年末の中国の習近平国家主席の新春賀詞(2025年版)は、随分落ち着いた内容だった。
不可測性が指摘され、閣僚候補にも対中強硬派をずらりと並べた第二次トランプ政権の発足を前に、中国の賀詞は警戒心と対抗心をむき出しにした内容になるかと予想された。しかし、世界は肩透かしを食ったようだ。
メディアが期待していた対台湾での強硬発言も封印された。習近平はまず、「両岸の同胞は家族同然です」と呼び掛け、続けて「誰も私たちの血のつながりや親しい絆を断ち切ることも、祖国統一という歴史の大勢を阻むこともできません」と述べただけにとどめた。明らかに昨年よりトーンを落とした内容となった。
この賀詞から「祖国統一は阻むことはできない」という一部分だけを抜き出し見出しにする。相変わらずの手法で煽るメディアもあって呆れたが、もはや日本のオールドメディアがどう報じても、中国が関心を示さないほど日本の存在感は落ちていることに気が付かないことが逆に惨めだ。
繰り返しになるが、全体を読めば明らかなように、賀詞は柔らかいメッセージに満ちていた。目立ったのは、中国と世界の連帯であり、ある種の自信だった。
かつて中国に付きまとった「いじめられっ子」的体質が薄まったことを意味していて、興味深い。大国として次の段階に移行しつつあることを思わせた。
そうした変化は、対米関係にも表れていた。
タリフマンを自称するドナルド・トランプが大統領に返り咲くことで、まず懸念されるのは貿易摩擦とサプライチェーンの混乱だ。だが、その逆風に最前線で対処せざるを得ない中国の姿勢からは、焦慮があまり感じられないのだ。
トランプ新政権への警戒は賀詞のなかでは以下のように表現されている。
経済運営は目下、いくつかの新たな状況に直面し、外部環境の不確実性や新旧の力の転換という圧力にも直面しています。しかし、これらの問題は努力によって克服することができるでしょう。私たちは常に風雨の洗礼のなかで成長し、試練を経て力強く発展してきました。皆さん、自信を持ちましょう。
思い浮かぶのは半導体の供給を断たれたファーウェイの復活だ。
中国が従来、アメリカに対し発してきたメッセージのほとんどは、「米中の体制の違い」を認めないアメリカに対する不満だった。そのことは先々週の本メルマガでも触れた。アントニー・ブリンケン国務長官が王毅外相との会談を振り返り、「どの会議も王毅が、われわれの政策に文句を言うところから始まった」と述べたことを紹介した。
その中国が、今回の賀詞では以下のように呼び掛けているのだ。
中国は、各国とともに友好協力の実践者となり、文明間の相互学習の推進者となり、人類運命共同体の構築に参加する者となることを願っています。共に世界の明るい未来を切り開いていきましょう。
要するに自ら進んで「文明間の相互学習の推進者」となるという。つまり歩み寄るというのだ。
■中国の目が日本から離れる当然の理由
もちろんアメリカとの違いを浮き彫りにするために、そうしたポジションを取ろうとしていることは否めない。 
だが、その前提となるのは、中国がそうした姿勢を強調することで一定程度の手応えをつかんでいるという事実だ。
そのメインのターゲットはグローバル・サウスだ。
今回の賀詞では、中国は初めて明確にグローバル・サウスというワードを用いて、彼らとの協力に言及している。
具体的には以下の部分だ。
今日の世界では変化と混乱が交錯しています。このようななか、中国は責任ある大国として積極的にグローバルガバナンスの改革を推進し、グローバル・サウスとの団結と協力を深化させていきます。
中国がグローバル・サウスとの協力をより促進してゆくためには具体的なツールが不可欠だが、それは何かと問えば、言うまでもなく「一帯一路」だ。
日本や欧米のメディアでは「債務の罠」という一言で切り捨てられてしまう「一帯一路」だが、参加している国々の各政権の反応はメディアの報道とは逆に積極的だ。
直近では本メルマガでも紹介したペルーのチャンカイ港の開発がある。同港の開港式ではディナ・ボルアルテ大統領自が習近平と並んでオンライン参加をして盛り上げたが、それに加えて、隣国・チリの大統領までが習近平との会談の場でチャンカイ港に触れ、効果に期待を示したのだ。
中国がこれまでいかに欧米先進国との関係から、新興国とグローバル・サウスとの関係に重心を移してきたか。その変化は今回の賀詞からもはっきりと読み取れる。
賀詞のなかで習近平は、2024年の中国外交の大きな成果として、中国・アフリカ協力フォーラム北京サミットの成功を筆頭に、上海協力機構、BRICS、アジア太平洋経済協力(APEC)、そしてG20の五つの国際会議に言及した。
トランプの再登板という巨大な変数を前にしても中国がある程度落ち着いていられるのには、大きく分けて二つの理由がある。
1つは、米中間には基本的な合意があり、大統領が誰になっても揺るがない柱があると中国が信じていること。具体的には昨年11月、ペルーでの米中首脳会談で習近平が語った「四つの不変」である。四つとは、
1.中米関係の安定的かつ健全で持続可能な発展に尽力する中国の目標に変わりはない
2.相互尊重、平和共存、協力ウィンウィンに基づき中米関係を処理する原則に変わりはない
3.自らの主権、安全、発展の利益を断固として守る立場に変わりはない
4.中米人民の伝統的友情を継続したい願いに変わりはない
の4点を指す。
中国からの呼びかけだが、背景にはアメリカとの利害共有は可能だと、この時点で中国が確信したことがある。
そしてもう1つは欧米先進国から排除された場合のバッファーとしてのグローバル・サウスの存在だ。
中国にとって欧米との関係は依然重要で、直ちに新興国やグローバル・サウスがその代わりになるというわけではない。しかし、今後の世界経済の趨勢をみれば、彼らとの絆が心強いことは言うまでもない。
グローバル・サウスとの関係が良好である点は中国を落ち着かせる重要な要素となっている。
中国の目が日本から離れているのは当然だ。

 
「中国の目が日本から離れているのは当然」と指摘されていた日本の石破茂の「新春賀詞」はどうであったのか?
 
石破総理大臣 “野党と議論尽くし 政権運営”年頭記者会見
 
《地方創生》
「地方創生については「『令和の日本列島改造』と位置づけて、強力に推し進め、一極集中を見直し、多様性を未来への力としていく。『これを成功させなければ日本に将来はない』という危機感を強く持って進めていく」
《抱負》
そして、ことしの干支(えと)の「へび」にちなみ「へびは脱皮を繰り返し大きくなっていくことから再生や進化の年とも言われている。平和と安全・安心を大前提とした『楽しい日本』、活力ある日本を国民とともにつくり上げていく年にしたい」

 



 
確かに今更小沢一郎に指摘されるまでもなく、田中角栄の専売特許の「令和の日本列島改造」提唱」などという時代遅れの感覚と「楽しい日本」という意味不明な言葉遊びでは物価高に苦しんでいる多くの国民からはますます見放されるのではないだろうか、とオジサンは思う。  
   

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アメリカの世界政策から一歩... | トップ | 日鉄のUSS買収はアメリカ鉄鋼... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

石破茂政権」カテゴリの最新記事