オジサンも過去に度々使用したことがある「安倍様のNHK」と揶揄されてから久しいが、NHKの現場の記者たちが一斉に安倍政権に忖度してきたわけではなく、彼らの動きを監視するNHK経営委員の人事が元凶とみられている。
2013年10月に決った新人事は、JT顧問の本田勝彦、作家の百田尚樹、埼玉大学名誉教授の長谷川三千子、海陽中等教育学校校長の中島尚正の新任と、JR九州会長の石原進の再任であった。
なかでも、安倍晋三の成蹊小学校在学時の家庭教師だった本田勝彦とか、安倍晋三に近すぎるほどの自称作家の単なる保守派言論者の百田尚樹などが大きな影響を与えていたと言われている。
さらに特に百田尚樹の突出した偏向ぶりと杜撰さは既に最近の彼の「日本コピペ紀」と批判された「日本国紀」を巡り大きな話題となった。
こんな予備知識の下で、最近話題になった記事を眺めてみる。
◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇
<生息精査、国に求める 漁協、保護団体 ジュゴンの痛々しい姿に「残念」>
2019年3月20日 06:00 琉球新報
【今帰仁】ジュゴンの死骸が漂着して一夜明けた19日、死骸が保管されている今帰仁村の運天漁港には漁業関係者をはじめ村や県の担当者、研究者らが集まり、ジュゴンの様子を確認した。漁港に集まった人たちからは「残念だ」などの声が上がった。ジュゴンの保護に取り組んできた環境保護団体からは、国に沖縄近海のジュゴンの調査を求める声もあった。
今帰仁村の運天漁港に陸揚げされたジュゴンの死骸=19日
ジュゴンは18日夕方の漂着後、漁協関係者らの手で冷蔵されていた。19日正午ごろ、関係者や報道陣などに公開された死骸のジュゴンは皮膚が傷つき、出血もある痛々しい姿をあらわにした。作業を見守っていた50代男性漁師は「(ジュゴンは)映像では見ただけだった。残念だ」と肩を落とした。今帰仁漁協の與那嶺好和組合長は沖縄防衛局の調査で、沖縄近海では3頭しかジュゴンが確認されていないことに触れて「もっとジュゴンはいるのではないか」と語った。
ジュゴンネットワーク沖縄の細川太郎事務局長も死骸を確認した。死骸を見る限りでは死につながるような傷などは確認できなかったという。「唯一子育てが確認されていたジュゴンで、死はかなりの痛手だ」と嘆いた。北限のジュゴン調査チーム・ザンの鈴木雅子代表はジュゴンの死を聞き涙した。「ジュゴンが住める海をつくるために頑張らないといけない。市民の調査では限界もあり、国の抜本的調査が必要だ」と強調した。
◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇
この記事に対して、こんなトンデモないタイトル記事があった。
「沖縄で死んだジュゴン、パヨクに撲殺されていた事が判明!!!」
この記事について、「自由主義の愛国者。合理主義のリアリスト。日本人の生命財産自由を奪おうとする者は、右も左も大嫌い」という御仁がこんなツイートを飛ばした。
沖縄で死んだジュゴン、パヨクに撲殺されていた事が判明!!! : あじあニュースちゃんねる https://t.co/AX3lRIEOY0 あーこれでもうジュゴンの件は報道されなくなるな
— 山口多聞 (@7O9Ai4cgdHyvAeL) 2019年3月20日
早速批判のツイートに見舞われたがこう言い訳していた。
削除する気持ちはありませんよ。
— 山口多聞 (@7O9Ai4cgdHyvAeL) 2019年3月21日
1.辺野古反対のためという「動機」がある。
2.傷についてコメントしているジュゴンネットワーク沖縄は辺野古反対派の団体
3.サンゴKY事件など前科がある
の3点から「合理的疑い」は十分あると考えておりますので。 https://t.co/iuydXlZ4nA
そしてこんな騒動(?)に参入というか闖入したのが百田尚樹であった。
「百田尚樹氏がジュゴンの死巡るツイートへの批判に反論『基地反対派に殺された可能性もある』」
予想通り炎上覚悟の根拠のないデマをまき散らしてしまった。
百田尚樹、マジ最っっ低!
— 菱山南帆子 (@nahokohishiyama) 2019年3月20日
ジュゴンは辺野古周辺を餌場にして生息してたんだよ!
そこに汚い土砂を投入したら死んじゃうよ。
勝手に死んだんじゃ無くて殺されたに他ならないんだよ。
あんたも同じ目にあってみろよ。自宅に土砂投入されて食べるものも無くなってしまう思いをしてみろ。 pic.twitter.com/4axlIhFfKe
百田尚樹氏がジュゴンの死巡るツイートへの批判に反論「基地反対派に殺された可能性もある」 https://t.co/JOsI8Cu60w @YahooNewsTopics
— 山口二郎 (@260yamaguchi) 2019年3月22日
百田のクズぶりがいかんなく発揮されるコメント。根拠のない憶測をまき散らし、挙証責任を論敵に負わせる卑怯さ。
元朝日新聞の記者で、現在は慶應義塾大学でジャーナリズム専攻の非常勤講師をしながら、五月書房新社の編集委員会委員長をしている佐藤章氏はこう激しく批判していた。
「この最低ぶりは日本近代史でも稀に見るものではないか。『そらいつか死ぬやろ』が批判されると、例のフェイクニュースを出して、辺野古反対派に殺された可能性もあると。こういう厚顔無恥人間が60何年間か生きてきて、大きい顔して大風呂敷広げている。安倍時代の権化だね。」
漢字の「権」という字には、「仮の・臨時の」という意味があり、そうなれば「権力」とはまさに「仮の力」に過ぎず、政治の世界では、たまたま選挙で多数を占めると、「権力」が与えられるに過ぎない。
それは、国会で統計偽装を野党から激しく追及されている時に、安倍晋三が自ら、それがどうした、「選挙に5回勝ってる」とヤジを飛ばしていたが、本人も選挙によって得た仮の力である「権力」者を自ら認めているのかもしれない、とオジサンは思う。