新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

アベノミクスとアベノリンリの後遺症から早く立ち上がらなければならない

2023年12月13日 11時58分52秒 | 自民党がなくなる日

「安倍派悪の5人衆」の中で、「出処進退は自らの意思で」と大見得を切っていた通称「坪議員」の萩生田紘一。
 
その理由が、86歳の老醜を発散している森喜朗だという。 
 
裏金疑惑『安倍派一掃』に森喜朗氏が大慌て…派閥崩壊阻止へ電話“指令”で悪あがきの醜悪
 

派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金疑惑で、安倍派(清和政策研究会=清和会)は幹部を含め数十人がキックバックを受けながら、政治資金収支報告書に記載していない疑いが浮上。岸田首相は安倍派に所属している政務三役(大臣、副大臣、政務官)計15人全員を交代させる方向で検討に入った。“安倍派崩壊”を予兆させるような前代未聞の異常事態だが、これに大慌てなのが、過去に同派会長も務めたOBの森喜朗元首相(86)だという。
■「萩生田会長で苦境を乗り切るんだ!」
「裏金問題で連日、松野官房長官ら幹部の名前が報じられ、清和会はガタガタですが、森さんは所属議員らに『今こそ、萩生田会長で苦境を乗り切るんだ!』と電話をかけまくっているそうです。岸田首相にも電話をして、『萩生田は切るな(交代させるな)』と“指令”まで出しているらしい。党幹部では、現職の清和会事務総長である高木国対委員長の交代が早々に既定路線になりましたが、萩生田政調会長についてはすぐには名前が出なかった。岸田首相が、自らを応援してくれている森元首相に配慮したのではないか、という見方が出ていました」(安倍派関係者)
 安倍元首相の死去後、安倍派は「事実上の森派」みたいなものだ。塩谷座長の下での「5人衆(松野、萩生田、高木、西村経産相、世耕参院幹事長)」による集団指導体制も、下村元文科相の派閥運営からの排除も、森元首相がレールを敷いた。御年86歳、政界引退して10年以上経っている森元首相が、キングメーカー気取りでいられるのも、安倍派があってこそなのである。
■妻と共に都内の高級介護施設に入所
 驚くのは、派閥のために電話をかけまくる、そのエネルギー。森元首相は今年9月ごろから、背骨の圧迫骨折のために1カ月ほど入院し、退院後は政治家のパーティーなどで、車椅子姿が目撃されている。今は妻とともに都内の高級介護施設で暮らしているという。
「施設に入居したのは1カ月ほど前のようです。親しい周辺には、『今後は連絡が取りにくくなるから』と通知があった。安倍派の裏金問題が表面化するかしないかの頃で、検察の事情聴取を意識したのか。清和会のキックバックによる裏金づくりのスキームは25年前くらいからあり、1998年から2006年まで清和会会長だった森さんは(※途中1年間は小泉純一郎会長)事情をよく知っているはずです」(自民党関係者)
 どこまでも悪あがきだ。

 
まあ片足を棺桶に突っ込んでいるような輩の悪あがきなのだろう。
 
連日のように様々な人が安倍派の組織的な裏金作りについてコミットしているのだが、作家でもある山本 一郎が軽妙洒脱な語り口で安倍派の政治資金パーティーをめぐる問題の裏側を、パーティー券を交わされた経験を交えて解説していた。
 
公民権停止で詰んでいるパー券裏金議員、岸田首相は安倍派的なるものと訣別を
 
安倍元首相の死去後、噴き出した安倍派の政治資金パーティーを巡る問題。不記載となった資金の使途や業界団体が派閥のパーティー券を買う意図など、さまざまな論点が噴出している。
過去の例を見ると、仮に問題となっている議員が不起訴処分に終わっても、検察審査会での審議を経て略式起訴、公民権停止にいたる可能性は高い。
解散総選挙を唱える向きもあるが、自民党議員の何人が公民権停止になるか分からない現状、仮に総選挙があるとしても、少なくとも辞任した議員の衆参補選がある4月28日以降になるのではないか。
11月下旬以降、自民党の最大派閥、安倍派の政治資金パーティーをめぐる問題が拡大しており、安倍派の党四役や閣僚などの総辞任まで取り沙汰されるようになりました。
 派閥でのパーティーを開くにあたって所属議員さんに割り当てられたパーティー券の売り上げノルマ、そのノルマを超えた分が議員さんの政治団体に還流(キックバック)されており、政治資金規正法で求められている正確な収支の記載がなされておらず裏金になっているという指摘です。
 キックバックについて言えば、パーティー券の販売ノルマを超えた分が事務所に入ってくるという仕組み自体は適法です。
 実際、地方選出の議員さんが東京で個別に「励ます会」などを開く際に、支援者が十分にいなければお金を払ってくれる支持者が集まらず、おカネの面でやる意味がない場合も多くあります。地方の若い議員さんの場合は特に、都内の法人さんなど支援者に派閥のパーティー券を売ってもらうのが手早いので、仕組み上、都心でやる派閥パーティーにすべてをかけるという判断を下さざるを得ない得ない面があります。
 ただ、派閥パーティーの構造はともかく、安倍派の特定議員が悪いのであればどんどん摘発してもらうとして、ワイちゃん周辺に変な着弾をしている問題についてはふたつ論点があります。
一連の流れを堰き止めていた“黒川ダム”
【論点①】「1000万超えたら起訴、有罪になったら失職して5年間(3年間)の公民権停止になる」とかいう出所不明の相場感
 これ、読売新聞の偉い人や安倍派周辺にいる大物弁護士の先生がそんなことを言っていたそうなのですが、実際にはそんな相場感などの法的根拠はなく、どこにも確たるものはありません。ヤメ検の弁護士さんなど一部のえらい人がそう言っているのは目の前で聴きましたが、特に裏付けとなる何かがあるわけではないのです。
 極論を言えば、1円でも不実記載があって、その手口が悪質で捜査に対して隠蔽したぞとか、継続的な裏口献金であって、これを理由に献金元に有利なように繰り返し議会で質問してたとか、そういう話があったら摘発の対象となります。仮に中身を認めて「ごめんなさい」をしても、略式起訴されて3年ないし5年の公民権停止です。
 先ほどの相場観は、俺たちの黒川弘務師匠(元東京高検検事長、賭けマージャンで辞職)が19年から20年にかけて、当時持ち上がった世耕弘成さんの不実記載問題に対して、それらしい見解を述べたのが根拠とされています(この辺は岩田明子師匠の解説を待ちたい)。
 ただ、今ごろになってマグショット付きで「世耕弘成に1000万以上バック」って、お前、あんとき指摘されて修正しとらんかったんかいってのはあります。
※マグショット…逮捕直後の容疑者の写真。通常は身長計の前で番号などを記した板を持たせて撮影する
 また、毎日新聞にも出ていましたが、神戸学院大学法学部教授の上脇博之さんが2023年年初に刑事告発していますし、2022年2月25日に東京地検特捜部が経営コンサルタントの「大樹総研」や代表の矢島義也さんにガサ入れした件も、今回の話の流れの中にあるとされています。
いわば、安倍派の一連の錬金術的な流れについては、以前から割と周知であったとも言えます。
 逆説的にいえば、こういう流れを“黒川ダム”が堰き止めていましたが、安倍晋三さんが凶弾に斃れるという天変が起きたことで、玉突き的にダム決壊となり、下流にいた安倍派議員の皆さんが全部流されて面倒くさいことになっていたのかなあと思います。
■問題の本質は不記載のカネが何に使われたか
 今回、地検の捜査に当初から協力的であるとされる俺たちの下村博文さん(東京新11区、元安倍派事務総長)から、この「キックバックが安倍派の強さの源泉である」的な話も出ていたという噂が流れています。同時に、20年以上前からそのような資金を還流させる仕組みがあったと証言した議員さんもいたようです。
 下村さんについては、安倍派の長にしてほしいと森喜朗さんに要請にいき、現金2000万円入りの袋を渡そうとしたが断られた〜的なことを文春・森功さんに書かれ、事実無根として裁判で争っています。
 真相はやぶの中ですが、特捜が下村さんから一連のキックバックの仕組みを証言として得て捜査をしているのだとしたら、実に面倒なことです。
 また、問題が発覚した当初は「派閥からのキックバックが違法だ」という間違った問題認識で話が流通していましたが、実際にはキックバック自体は何ら違法ではなく、問題の本質は、資金報告書に入金があったにもかかわらず、不記載であったことです。
 仮に、こういった政治資金規正法違反があったとするならば、お前らの口座に入っている金額と報告書に書かれた収支が億単位で違うことになるやないか、お前らそのカネはどこに行ったんだ、何に使ったんだという話になります。
 単にうまい飯を食ったり、女さん囲ったり、遊興費で使う分にはニヤニヤしながら「ゆうべは おたのしみでしたね」で済むかもしれませんが(済まない)、これが「北方領土を取り返す」とか言って、誰がやったかとまでは申しませんが、スパシーバ前田師匠周辺の工作費としてロシア方面に消えていたぞとかなると大変面倒な話です。
 ですから、今からでもお小遣い帖をつけ直しておいてほしいのです。やっちまったものはしょうがありませんが、火種に残るのは大変でやんす。
 つまり、入り口はもちろん政治資金規正法違反であり、収支報告書の不実記載なんだけれども、そのカネは何に使ったのかというあたりは完全に闇の中になるのであります。
 数千万の不記載で浮いたカネが、仮に自分を支えてくれる都議さん、県議さん、市議さん、町議さん、区議さんらの足元固めに使われていたのだとしたら、これは公職選挙法違反となります。
 したがって、入口の不記載だけでなく、出口の不透明さのほうが問題だと指摘する当局関係者が多いのも「まあそうでしょうね」という感じです。
■企業や業界団体が清和会に献金する真の理由
【論点②】お前のそのパー券はどこから?
 実は、本件パー券問題がなかなか出火しなかった(から、たぶん検察は突っ込んでこないだろうとみんな思っていた)のは、不実記載問題という直接の問題よりも、派閥経由で売られたパー券の買い手と営業内容がはっきり分からない仕組みになっているからです。
 戦後最大の疑獄事件となったリクルート事件は、親玉であった江副浩正さんが値上がり確実のリクルート株を特定の目的で配るという、意図も経路も分かりやすいものだったので、もらったやつを心置きなくぶん殴れたという構造がありました。オレンジ共済事件も一緒です。
 他方、今回の清和研ネタは、「どの議員さんからのゼニカネかよく分からんけど個社、団体や個人などから派閥の口座に入ってくる」or「差し障りのある先は派閥すら通さず議員さんの政治団体にカネが入る」という面倒くさい構造になっています。
 検察からすれば、「これらは悪質でやんす」と言いたいわけですから(まあ実際悪質でしょうし)、みんなを牢獄にぶち込むにあたっては悪質性の証明と公判の維持が可能で、裁判官から「oh! こいつらみんな悪党でやんすね」という判決を勝ち取りたいことでしょう。
 その結果、たくさんの議員さんが5年間の公民権停止となって永田町を追い出され、その議員さんが3月15日までに議員辞職すれば、フレッシュな面々で4月28日の衆参補選ができると思うのです。賑やかでいいですね。
 派閥のパー券を買っておカネを出す側も、「その派閥で頼りにしている議員さん推しにして、派閥内での発言力を超強化させたい」とピュアに思ってるわけではありません。
 もちろん、日頃の付き合いでこの政治家に頑張ってほしいってのもあるかもしれませんが、今の岸田文雄政権において、塩谷立さんとか高木毅さんとかにカネ掴ませてパー券買ってやる意味がどこにあるのかという話になります。
 優れた政治家だけど、旬が過ぎてる爺さんを推す理由は、あんまりないのです。どうせたいしたことはしてくれませんし。
 このカラクリは、簡単に言えば「清和研に銭を入れると、うちの業界や特定の企業にとって良いことがあるよう、取り計らってもらう経費」なのであって、意味は薄くとも、清和研とつるんでれば何かいいことがあるかもしれない程度の効き目しかありません。
 それでも、業界団体としては、付き合いのある議員さんから頼まれればカネを突っ込まないと示しがつかないわけですよ。
 セールスも、秘書さんから「(お前らと利害関係でほんのり対立している)あちらの業界団体からは200万円ほどご購入いただいています」とかいう超後ろ向きなものもあり、ここで渋ると議員さん本人が出てきて、「500万くれ」とか言われかねません。そうなると、秘書さんが応対してくれているうちに200万円を大人しく払ってたほうが安く上がるから、そうしとこうかとかなるんです。
■泣く泣くパー券を買ったワイの場合
 何を隠そう、私も日露貿易関係や一部の産業廃棄物業界などで与野党や派閥、関係する議員さんらお付き合いもあるので、業界団体の横のつながりでどこどこが誰にいくら払ったとかいう本当か嘘か分からない情報を頼りに、包む金額を手探りで決めてたりするわけです。面倒くさいですね。
 で、良かれと思って言われた通り指定された口座に、絶対に行かないパーティー代金を泣きながら払ってみたら、検察の人がやってきて「これは何のカネですか」とか聞かれる罰ゲームまで発生してしまうのです。
 当然、聞かれたからには何かあるぞと思うわけですが、どういうわけか築地新聞社の人が「貴様、裏金について知っとるやろ」とかメッセが来てしまうのです。知らねえよ。こっちが聞きたいわ。
 そういう業界が派閥にカネを入れるメリットの最大のものは何かと言うと、派閥が各委員会などで質問できる議員さんを抱えているので、ワイらの業界に有利な質問をしてくれるよう仕切ってくれる可能性があることです。これは、与党でも野党でも役割、機能は変わりません。
 皆さん、政治家への裏金では斡旋利得や収賄を想像されることも多いかと思いますが、実際にはこういう合法で、効いているんだか効いてないんだかよく分からない「漢方薬」のようなことを考えていることがほとんどです。
 議員さん個人に献金するのは何となく効果は分かるけど、派閥にカネを入れても何の意味があるのか分からない。だけど、お付き合いもあるから業界の横並びを見て金額を決めているところがほとんどなのではないでしょうか。
 でも、これが大きな業界のパー券事情とか、議員さんの出身母体に深く関係しているとかであるとまったく様相は異なります。
 地方議員候補の斡旋から特定政策での省庁へのねじ込みまで、本当に日頃の活動にコミットする支援者や支援団体が湧いて出てくることになります。こっちは議会での質問の割り当てがあるなしで大騒ぎをするのが日常なので、派閥への資金提供もがぜん熱量が違ってきます。
 また、このような族議員の生態とは別に、最近では元官僚が霞が関を抜けてロビー活動の会社を作り、特定の政策実現をする会社や業界のために出所不明のカネを集めて謎の業界団体を作り、政治家や省庁に介入してくるようになりました。
 最近問題になっているのは、こういう行儀の悪い元官僚さんたちが作るロビー会社が、出所不明の資金で政界や所轄官庁に食い込んで勝手に規制緩和の道筋を作ってしまい、意味の分からない規制緩和で新規参入が来て不合理に業界が混乱させられるケースが増えたことです。
 特定のお客さんにとって有利な政策になるように業界団体をこしらえ、所轄官庁の担当官にアポを取って意思疎通を図ろうとするのは当然として、前述の大樹総研から電動キックボードのLUUP(ループ)やリーガルテック謎の合法化までいろんなことが起きています。
※リーガルテック合法化…企業間で結ぶ契約書のAIチェックを法務省が合法とした件
 その一端が、特定の政治家が派閥から出てきて与党質問をし、出来レースにも近い答弁を担当大臣から引き出して、「その方向で政治が動く」道筋をつけようとすることです。
 一つの規制緩和で、その分野で先行している自社の事業が合法のお墨付きを得て事業展開できるわけですから、派閥への献金で皮算用するそろばんを弾く指も軽やかになろうものです。
■解散総選挙は4月の衆院補選まで無理では?
 岸田政権の落としどころは目下、猛烈な議論になっており、おそらく12月14日を期日として小幅な内閣改造が行われることでしょう。
 前回9月の派閥人事は各派閥からのご推薦を各ポストにはめるだけの簡単なお仕事でしたが、山田太郎さんや柿沢未途さん、神田憲次さんと立て続けに政務三役の更迭人事があった上に、今回の安倍派の騒動が出ましたので、総理・総裁としてすべてを統括する立場にある岸田文雄さんとしても、「安倍派を外した新たな組閣や党人事をやらなければならない」と考えるのも当然と言えます。
 そのまま解散総選挙をやるのだという話もちらほら出ていますが、実際には、一連の安倍派のスキャンダルで3月15日までに何人が「ごめんなさい」して略式起訴され、自ら辞任するか、公民権停止になって失職するか分かりません。
 そのため、解散総選挙は少なくとも辞任した議員さんたちの衆参補選がある4月28日以降までは行われないのではないでしょうか。また、7月7日投開票が予定される東京都知事選に小池百合子さんは本当に普通に出馬するのか、なんかすんのかというのは実に微妙なところであります。
 岸田文雄さんが腹を括るのであれば、少なくとも来年9月までの総裁選任期いっぱい、仮に不人気であったとしても岸田さんが総理として粘ることも可能です。どうせ4月28日の衆参補選は自民党側が完敗することは織り込み済みなわけですから、負けて責任取って岸田さん退陣とはならないというのはミソです。
 あるいは、すぐに岸田内閣は総辞職しますよ、そこで自民党総裁選となり、新しく決まった総裁が即座に国会召集して(or 常会冒頭で)解散総選挙になりますよという話もありますが、総裁選をやったところで安倍派への捜査が完了しないうちに本当に自民党は有罪になって公民権停止になるかもしれない議員を公認して選挙戦を戦うんですかって話になります。
 2019年9月、経済産業大臣だった菅原一秀さん(東京9区)が地元のおっさんにメロンを贈ったりして経産大臣を辞任後、いったんは東京地裁から不起訴の判定が2020年6月に出ましたが、2021年2月に検察審査会が菅原さんのこれらの公職選挙法違反容疑を「起訴相当」としめやかに議決。結局、略式起訴されて菅原さんがごめんなさいするも、21年6月に略式起訴され罰金40万円・公民権停止3年の命令を受けた事案がありました。
 メロンやカニをばら撒いた結果、2年弱かけて起訴相当からの略式起訴、そして公民権停止3年という最悪の結果になった菅原一秀さんの経緯を見れば明らかなように、いま問題になって、すぐごめんなさいしても公民権停止3年ないし5年は実は避けられないんだよということなんですよ。
 次の補選がどうとか、一度辞職して次の衆院選でなんてことよりも、いったんは不起訴に終わっても検察審査会に持ち込まれると、本件はメロンやカニとは比べ物にならない裏金そのものであることを斟酌すれば、起訴相当になるおそれは割とあるぞということなのです。
「これは大変なことなのだ」と初期から伝えてはいたんですが、なかなかご理解いただけなかったのは残念なことです。
■岸田政権は安倍派なるものとの訣別を
 今回の問題、組織的にも政治的にも責任を取るべき人物はただ一人、総理大臣であり自民党総裁である岸田文雄さんその人なんですよ。
 ただ、支持率低迷を踏まえた上で今回の安倍派のスキャンダルについて考えるのであれば、突き詰めれば大事なところは「安倍晋三さんや安倍派のやってきたことの尻拭い」であり、必ずしも岸田さんが詰め腹を切るべきものでもないというのは事実です。
 岸田文雄さんの会見を見ていると、ある種の悲壮感さえも感じさせる表情の硬さが象徴的でした。解散総選挙も内閣総辞職も封じられていることを考えれば、当然かもしれません。ただ、これ以上、支持率が大きく下がることはないと腹をくくれば、岸田さんのこだわっていることを手がけられる方針転換のチャンスでもあると言えます。
 他方で、いまの岸田政権には、官邸であれ党組織であれ、岸田文雄さんを心から支えていこうと考えている人はどれだけいるのでしょう。残念なことに、政治家も官僚も、あと半年、数カ月もすればいなくなるかもしれない岸田文雄さんのために汗をかこうと考えている人はそう多くありません。
 ゆえに、一連の問題については岸田さん自身が、党全体の禊(みそぎ)を促す意味でも安倍派そのもの、安倍派的なるものと訣別をきちんとする、けじめをつける姿勢を明らかにすることが大事だと思うんですよ。いわば、嫌疑の深い安倍派は重鎮も一回生も離党勧告も辞さない勢いで処分をすることで、膿を出し切る態度を取ることが大事だ、と。
 他方で、岸田文雄さん自身は、低支持率ながらしっかりと仕事をし、安倍政権のツケを払わされる夏休みの宿題内閣みたいになってしまったのは残念なことです。割とちゃんと働いている人だと思うので、そこは冷静に見てあげる必要があると思います。
 先にも述べましたが、おそらくほっといても議員辞職に追い込まれて公民権停止になるおそれがあります。仮に不起訴に終わっても、検察審査会送りになり起訴相当となれば生き残りは不可能です。
 2014年、松島みどりさん(東京14区)がうちわを配布したかどで蓮舫さんに参院で追及されたことがありました。この時は、再審請求がでなかったものの、不起訴に終わったのは奇跡と見られたぐらいでした。
 仮に、ここで50万円でも200万円でもパー券収入の不記載で政治資金規正法違反があるのならば、使途も含めて説明責任だけでなく法的責任を問われます。ここで政治への信頼を取り戻すために岸田文雄さんには乾坤一擲、覚悟を決めて物事の改善に取り組んでいただきたいと願う次第です。

 
確かに単に入金を記載するだけではなく不記載のカネが何に使われたか、ということの追及が核心に迫る早道なのだが、そのそも「後ろ暗いのが裏金」なので政治家は容易には出金先情報は明らかにはしないということなのか。
 
もと経産官僚だった古賀茂明は、「アベノリンリ(安倍の倫理)」に毒された政界を根本から浄化しなければいつまでも国民は政治家からバカにされ続けられると警鐘を鳴らしている。
 
自民党パーティー券裏金問題の捜査で「安倍の呪縛」から逃れられるか 私たち国民がバカなのか問われている 古賀茂明
 
自民党安倍派をはじめとした主要5派閥のパーティー券裏金疑惑。
 安倍派はもちろん、自民党全体を揺るがせ、岸田文雄内閣崩壊につながる可能性まで出てきた。
 すでに安倍派の会計担当者や議員秘書なども東京地検特捜部の任意聴取を受けたと報じられ、大物議員に司直の手が及ぶ可能性も高い。
 だが、検察は、安倍晋三内閣の長期政権下で、森友学園事件、加計学園事件、桜を見る会事件など、政権が倒れてもおかしくないスキャンダルがいくつもあったのに、いつも本丸に迫ることなく敗北を続けてきた。
 また、圧力と懐柔で政権に手なずけられたマスコミも、忖度報道でそうした検察の堕落に手を貸す共犯者の役割を果たした。
 それを見ていた私たち国民は、何が起きてもせいぜいトカゲの尻尾切りで終わり、巨悪は何の咎めも受けずに生き延びるということを繰り返し思い知らされた。
 そこで、今回も、最初は大騒ぎしても、結局大物は逃げ切るのではないかという疑心暗鬼が先に立つという人も多いだろう。
しかし、今回は違うのではないかというのが私の見立てだ。
 なぜなら、安倍元首相が死去して1年半近くが経ち、「安倍の呪縛」がようやく解け始めたからだ。これは政界だけでなく、マスコミにも検察にも当てはまる。
 岸田政権はもはや死に体同然。火の粉が自分たちに降りかからないように逃げ回るのが精一杯で、検察に圧力をかける余力などない。検察はこれまでより格段に自由に動くことができる。さらに、岸田政権のマスコミ管理は、安倍政権や菅義偉政権に比べてかなり弱い。岸田政権批判も自民党の派閥批判も自由にできる雰囲気がある
国民の間には、円安や資源高によるインフレと実質賃金の減少による生活苦の実感が広がり、政権への不満が蓄積されている。減税という人気取り政策でさえ、逆に「ふざけるな」という反応を誘発して支持率が下がるというのだから、その不満の強さがどれくらいなのかがよくわかる。
 インボイス制度の導入で消費税の課税対象となる零細事業者たちが帳簿の記載をどうしたらよいのかと右往左往する中で、国会議員は入った金を帳簿に記載せずにネコババできるというのだから庶民の怒りが燃え盛っても当然だ。子供に食べさせるために食事を抜いているというシングルマザーや一円でも安いものを探してスーパーを梯子する庶民を尻目に夜な夜な裏金を使って高級レストランやバーで飲食する議員たちという図式も、さらに国民の怒りの火に油を注ぐ。
 検事たちも国民の一人として同様の怒りを抱いているだろう。しかし、彼らにはそれよりもはるかに深い憤りの気持ちがある。恨みと言ってもよい。
 3カ月ほど前のこと、私はある会食で旧知の検察幹部と会った。私が会話の中で、「安倍さんの時は酷かったですよね」と話を振ると、普段は温厚で、かつ、口が堅くて検察内部の話などしたことのないその検事は、「いや、あの時は酷かった、黒川さんも酷かった」と返してきた。
 安倍氏だけでなく黒川弘務元東京高検検事長の名前をわざわざ出したのだ。黒川氏は、安倍氏の守護神と言われ、数々のスキャンダルを安倍氏本人に及ばぬように差配したという疑惑を持たれた人物だ。黒川氏が安倍氏の意を汲んで本来あるべき検察の捜査を捻じ曲げたことに対して、このような気持ちを抱いている検事は非常に多いはずだ。彼らは、安倍・黒川ラインのせいで地に堕ちた検察の威信を取り戻したいと思っている。いわば安倍・黒川へのリベンジである。
そう考えると、今回の疑獄のターゲットは、安倍派議員、しかも大物でなければならない。安倍氏本人が死亡し、安倍派代表は不在だ。となれば、安倍派の現事務総長である高木毅党国対委員長や松野博一官房長官と西村康稔経済産業相という事務総長経験者、さらには、萩生田光一党政調会長、世耕弘成参院幹事長らの安倍派幹部に注目が集まる。彼らが裏金づくりに関与していれば、政治資金規正法違反はもちろん、横領、背任、脱税の罪に問われる可能性がある。
 政治資金収支報告書に名前がなかった寄付者の中には政府から補助金を受けたり、あるいは重要な政策変更で利益を得ようとしたりする企業などが入っているだろう。贈収賄事件に発展する可能性もある。
 もちろん、検察が全ての案件に手をつけるわけにはいかない。大きな問題であればあるほど、捜査に手間と時間がかかる。検察の復活を信じ、粘り強い捜査に期待したいところだ。
 ところで、私たち国民は、検察が安倍派の大物を血祭りに上げるのを見れば、喝采して溜飲を下げるだろうが、それだけで満足していてはいけない。このことは今から肝に銘じておくべきだ。
 一部の議員を有罪にするだけで終われば、またほとぼりが冷めた後にこれまでと同じ自民党の金権腐敗政治が復活してしまう。それに終止符を打つためには、自民党政治を終わらせるしかない。そのためには、国民の粘り強い批判の声と息の長い野党への支援が必要となる。
 心配なのは、連日この事件の報道が続くうちに、徐々に飽きる人が出てくることだ。本件を取り上げても徐々に視聴率が下がるということになれば、テレビの取り上げも減り、それがさらに視聴率を下げるという縮小スパイラルに陥る。そのうち、「まだやっているのか」ということになってニュースから消えていくかもしれない。
 検察も国民の怒りが燃え盛っている中では、仮に捜査が難航しても、軽々に捜査打ち止めとはできないが、国民の関心が失われれば、その保証はない。
 最近起きた数々の不祥事を思い出してほしい。
 この秋以降だけでも、内閣改造から2カ月で計3人の政務官と副大臣が辞任に追い込まれた。東京地検特捜部の捜査を受けた柿沢未途議員はともかく、他の2人は説明責任を果たさず、もうニュースからは完全に消えている。
 杉田水脈元総務政務官がアイヌや性的少数者に対するヘイト発言を認定されて謝罪した後に同様の発言を繰り返しても岸田首相は野放しにしたままだが、マスコミはもはや大きく取り上げなくなった。
 馳浩元文部科学相がIOC関係者に1冊20万円のアルバムを官房機密費を使って配ったと堂々と発言し、安倍氏が機密費があるぞとけしかけたと暴露した大スキャンダルも、もはやマスコミの追及は終戦という雰囲気だ。
 安倍氏が残した負のレガシーの一つに、「地に堕ちた倫理観」がある。「アベノリンリ」と呼んでもいいだろう。
「李下に冠を正さず」というのが、国を率いる人たちのあるべき倫理観である。悪いことをしないだけではなく、疑われるようなことも避けるという高潔さが求められるのだが、安倍氏は、これを完全に無視した。悪いことをしなければよいだろうというだけではない。これを一歩進めて、証拠さえなければ、悪いことをしてもよい、さらに、証拠があっても隠せばよいとか、もっとエスカレートして、捕まらないように検察や警察を抑えればよいという倫理観にまで堕落した。もはや倫理観とはいえないが、安倍氏はこれでモリカケサクラなどを全て乗り切った。
 これを見ていた官僚も自民党政治家も右へ倣え。驚くような不祥事でも全くびくともしなくなった。これは経済界にも波及している。
 安倍忖度で不祥事の本格追及をできなかったマスコミでも同様に不正義追及の力が弱まった。
 そして、アベノリンリの蔓延は国民にも深刻な影響を与えている。
 モリカケサクラなどでも何事もなく政権が続くという異常な事態に慣れてしまい、不正義への感度が著しく弱まったのだ。岸田政権でもそれが修復されていない。
「国民は時間が経てば、どんなにおかしなことでも忘れてしまう」
 岸田首相は、そう考えている。自民党の派閥のパーティーを「当面自粛」するよう指示したというが、それこそ、「そのうち国民も関心を失うから、その時にまた始めればよい」という国民を見下した態度を象徴する。安倍氏も菅氏もそうだった。こんな政治家がトップにいる限り、国民のための政治など実現できるわけがない。
 安倍派の数人の議員が捕まっても、引き続き派閥政治に変化はなく、構造的な問題は何一つ解決しない。
 来年の通常国会の予算委員会開催中は再び国民の関心が盛り上がるだろうが、その後どうなるか。検察は悪人を告発はできても、政治の仕組みに手をつけることまではできない。
 野党は、「政治資金パーティーの禁止」「企業団体献金の禁止」「調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)や立法事務費の使途全面公開」、さらには、「国会議員の資産、関連団体全ての口座とマイナンバーの紐付け義務化」「政治資金の収支全てのキャッシュレス化とステートメントのリアルタイム公開義務化」などの法律改正を提案し、国会の争点にすべきだ。
 残念ながら、岸田首相の、時間さえ経てば国民の関心は薄れるという信念は間違いだとは言えない。これまで常にそうだったからだ。
 来春、岸田首相は国賓級の待遇で訪米する予定だ。「ジョー」と「フミオ」の蜜月を演出して、アメリカ・コンプレックスの強い国民を喜ばせれば、内閣支持率が上昇に転じ解散も夢ではない、などと目論んでいるのかもしれない。そんなバカなと思うかもしれないが、杞憂とは言えない気がする。
 今回の大疑獄をもってしても、「アベノリンリ」に毒された政界を根本から浄化することができなければ、私たち国民は、本当にバカなのだと言われても仕方ないだろう。

 
昨年7月に宗教2世の若者に天誅を食らい、そのおかげで自民党と旧統一協会の癒着ぶりが国民に明らかにされたのだが、残念ながら安倍晋三が死んでも悪しき「アベノリンリ」の影響が派閥内に根強く残っていたことが白日の下に晒されたのだが、新型コロナ同様、感染後の後遺症はなかなか厄介なものである、とオジサンは思う。     

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