新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

岸田文雄は安倍晋三ができなかった「火中の栗」を拾えるのか

2023年06月27日 11時57分04秒 | 岸田文雄外交

やはり遠く離れたロシア国内情勢に関しては関しては日本の大手メディアは的確な情報を入手できないようである。
 
 「独裁者は秘密をばらした奴を消す
 

マスコミは気づいていないのかもしれないが、世紀の大暴露があった。ワグネルの創設者プリゴジンが24日、モスクワに向けて進撃するにあたって、ぶち撒けた―
 ウクライナ東部ドンバスへの侵攻を正当化するためプーチンが用いた「非ナチ化」は、ウソだと明らかにしたのである。
 プーチンが世界を大混乱に陥れたウクライナ侵攻の大義はデッチあげだった・・・ドンバス戦争を最初から知るプリゴジンがばらしてしまったのだ。
 2014年、ロシアはクリミア半島の奪取を終えると、シームレスでそのままドンバスに雪崩れ込んだ。
 この時からワグネル社の軍事活動が始まった。陣頭指揮を執っていたのがプリゴジンだ。ロシアのドンバス侵攻を最もよく知る人物。それがプリゴジンである。
 国連の報告では「ドンバス地方での武力衝突により民間人に犠牲者が出ている」とあるのを、プーチンは「ネオナチからロシア系住民を守る」などとネジ曲げたのである。
 独裁者が最も隠しておきたかったことを白日の下にさらしたプリゴジンを、独裁者プーチンは断じて許さないはずだ。
 プリゴジンとてそんなことは百も承知だ。ロシアの属領であるベラルーシにノコノコ行けば消されることは目に見えている。
 プリゴジンの行方が分からなくなっているのも頷ける。
 携帯電話はGPS機能により居所を察知される。私がプリゴジンだったらロシアと連絡を取り合っていた携帯電話は捨ててゆく。
 プリゴジンもそうしたのだろうか。行方が分からなくなっているのは、このためだろうか。
 ある日、プリゴジンが突然姿を現す。それも西側のどこかの都市で。否、すでに消されてしまっていることもありうる。

 

 
夕刊紙にも、こんなことを書かれていた。
 
ワグネル騒ぎは一夜で収束 戦争偏向報道のトンチンカン
 
反乱を起こした“汚れ役”が丸1日で、あっさりと方針転換。ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者・プリゴジン氏がプーチン政権に反旗を翻した決起は、あっけない幕切れを迎えた。
 プリゴジンは現地時間24日夜、首都モスクワへの進軍停止をSNSで表明。その数時間前には投降を呼びかけるプーチン大統領のテレビ演説に猛反論し、ワグネル部隊はモスクワまで約200キロの距離に到達していた。
 部隊撤収の理由について「流血の可能性が出てきたため」と説明。ロシアの同盟国であるベラルーシのルカシェンコ大統領と協議し、事態の沈静化で一致したという。ロシア司法当局もプリゴジンへの刑事訴追手続きを打ち切り、ベラルーシへの事実上の亡命を認めた。
 全面衝突が回避。サクッと収束の道筋がついたことに、内戦への期待をあおった日本のメディアは拍子抜けではないか。
 プリゴジンは23日夜、SNSでロシア国内での武装蜂起を宣言。「私と2万5000人の兵士は、祖国のために死ぬ覚悟ができている」とし、ロシア国民に「正義の行進」への参加を断続的に呼びかけると、プーチンは24日朝、黒いスーツ姿で緊急のテレビ演説に臨み、「反乱に参加したものは全員処罰する」と鬼の形相で強調してみせた。
 演説冒頭で第1次大戦末期の1917年にロシア革命が起こり、内戦につながった自国の歴史に言及し、「再発を許してはならない」と警告。仰々しい表現に引きずられるように、日本のメディアは「ワグネルの乱」を、さも軍事クーデターのように大げさに伝えた。
 25日の大手紙はこぞってワグネルの乱をデカデカと報じ、〈露、二正面作戦に〉〈侵略継続とワグネル鎮圧〉(読売)などと、プーチンの「窮地」をことさら強調。〈最大規模の政治危機に発展する〉〈ウクライナ侵略の前線で戦う兵士の士気低下や戦線離脱に拍車がかかる〉との観測記事を並べ立てた。そして必ずウクライナのゼレンスキー大統領の「悪の道を選ぶ者はみな、自らを滅ぼすことになる」とのコメントを紹介していた。
■内戦をあおった紙面が届いた朝にもう収束
 大手紙の一部からは、ウクライナ侵略作戦に危機感を抱くロシア軍内部からの一定の支持を見込んだ計画的なクーデター説まで浮上。あたかもモスクワ陥落をにおわせるような紙面が届いた朝には、すでにワグネルは撤退を開始。「死ぬ覚悟」の「正義の行進」から一転、事態は収拾に向かっていたのだから「バカ騒ぎ」としか言いようがない。
 そもそも、反乱に打って出たプリゴジンにどんな成算があったのかや、どこまで真剣だったのかすら怪しいものだ。彼の経歴もひたすら怪しい。
 プーチンと同じサンクトぺテルブルク出身で外食産業で財を成し、その知遇を得たことから「プーチンの料理人」との異名を持つ。中東シリアやアフリカへの戦闘員派遣などエリートが敬遠する「裏の仕事」を請け負うことで、プーチンの信頼を得てきた“汚れ役″だ。2016年の米大統領選では米世論の分断工作に関わっていたことが、米特別検察官の捜査で判明している。
 決して公の場には出られない「影の人物」が表舞台で情報発信するようになったのは、昨年9月からだ。ロシア国内の刑務所を回って恩赦と引き換えに受刑者に入隊を呼びかける映像が公開されて各国メディアが報じると、SNSで突如、自分がワグネルの創始者だと初めて告白したのだ。
■プーチン失墜の前に屈辱の暴走を心配すべき
 受刑者を前線に送り込み、民間人の殺害や拷問など非人道的行為や人命軽視の限りを尽くしてきたプリゴジン自身、窃盗や詐欺で服役した過去を持ち、政権中枢入りがかなわない“劣等生”だ。
 こんな札付きのワルが“正義の決起”を呼びかけたところで誰も信用しないし、ロシア正規軍や国民の賛同は考えられない。プーチンに取って代わってロシアを支配できる“タマ”ではないことは、日本のメディアだって理解できたはずだ。
 しかも、怪しい民間企業の示威的行動は、今回が初めてではなかった。ワグネルはウクライナ東部の激戦地バフムトの攻略作戦を担った。プリゴジンは昨年秋以来、ショイグ国防相やゲラシモフ参謀総長への批判を繰り返し、今年4月末には「(ワグネルに)弾薬が補給されない」と不満をぶちまけ、バフムトからの撤退を示唆。その数日後、「戦闘続行に必要な弾薬と兵器の供給が約束された」と、あっさり戦闘継続を表明したのは記憶に新しい。
駆け引きにたけた人物で、今回の騒動も何らかの対価を得るためのデモンストレーションとみるのが妥当でしょう。政権転覆の意図はハナからなかったはずです。ロシア国内の中立系メディアでも、プーチン政権の支持率は70~80%を維持しており、ワグネルの乱に同調する勢力は国内に存在しません。軍事クーデターのように伝えた日本のメディアは、明らかに騒ぎすぎです」(元外務省国際情報局長・孫崎享氏)
 ロシア国防省はワグネルなど非正規軍事組織に対し、ロシア軍との正式契約を求めるよう命じたが、プリゴジンは軍傘下に収まることを拒否。契約期限は7月1日に迫っていた。米情報当局は「直近2週間以内」に武装蜂起の兆候をつかみ、政権や議会の限られた関係者に伝えていたという。そんな分析など望むべくもない、メディアに代表される日本のインテリジェンス能力の体たらくである。
■ウクライナ全面支持では戦争は終わらない
 日本のメディアは今さら、ワグネルの乱について「ウクライナの戦況への影響は少ない」などと、したり顔で解説。それでも未練がましく、プーチン体制の「崩壊のはじまり」を願っているかのような報道が相次ぎ、わざわざキーウ市民を登場させ、その願望を代弁してもらう始末だ。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
今回の騒動でプーチン氏の権威が揺らいでも、ロシアが戦術核、戦略核の双方を所有している状況は変わりません。格下のルカシェンコ氏の仲介を受け入れたことは、プーチン氏にとっては最大の屈辱です。世界に恥をかかされたことを払拭するため、暴発しかねないことを懸念した方がいい。NATO加盟国のトルコのエルドアン大統領はプーチン氏との電話協議で『ロシアの指導者による措置への全面的な支持』を表明。ロシアと対峙するNATOが決して一枚岩じゃないことも露呈しました。プーチン氏の権威失墜をひたすら願うだけの日本のメディアは楽観的すぎます
 この国の大メディアはマトモな戦争報道ができるのか。プーチンの苦戦は何が何でも派手に扱うだけでは戦前と同じで、親ウクライナという身びいきの大本営垂れ流しばかりになってしまう。今月4日に本格化させたはずのウクライナの反転攻勢だって“その後”がさっぱり伝わってこないのも奇々怪々である。前出の孫崎享氏はこう言った。
「即時停戦に目を向けた動きが、日本のメディアから出てこないことも問題です。米軍トップのミリー統合参謀本部議長は『ロシアを完全にウクライナから追い出すには、ウクライナはあまりにも多くの“血と財産”を失うことになる』と発言。戦場では決着に至らず、外交で決着せざるを得ないとの見解を示しています。日本のメディアがウクライナを全面支持するだけではどうにもならない。この戦争は決して終わらないのです
 日本の大メディアはなぜ、岸田政権に和平案を提示するよう迫らないのか。トンチンカンな戦争偏向報道が続く限り、「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と連呼し、軍拡路線をひた走る岸田政権は、安泰である。

   

 
有料の英エコノミスト誌 2023年6月24日号では、経済面から、こんな記事を発表していた。
 
ロシアの戦争を完全に失敗させる新しい国の姿
国内戦線は「ウクライナ2.0」の国造り

 
ロシアの戦争を失敗に終わらせるには、ウクライナが豊かで民主的、かつ安全な国として台頭せねばならない。
 ウクライナの戦争では、2つの前線で激しい戦いが続いている。
 長さ1000キロに及ぶ戦線では、深く後ろに下がったロシアの部隊をウクライナ軍が攻撃している。
 それと同時に国内戦線(いわゆる銃後)では、終戦時にどのような国になるつもりなのかを決めようとしている。
 どちらも大事なことだ。そしてそのどちらも、ウクライナとその支援国に厳しい試練を突き付ける。
■反転攻勢の行方
 ウクライナ軍の反攻が始まって2週間になるが、計画通りには進んでいない。
 取り戻した領土もあるが、軍には損害も出ており、地雷原や戦車トラップ、塹壕などで数キロの厚みを得たロシア軍防衛線を突破するには至っていない。
 たとえ一部の防衛線を突破できたとしても、敵の大砲やドローン(無人機)に見つかって破壊されるリスクがある。
 背筋の寒くなる見通しだ。
 しかし、ウクライナ兵の大半はまだ戦場に入っておらず、入るまでは誰一人――ウクライナ軍の将軍たちでさえ――両軍の本当の強さは知りようがない。
 ウクライナ軍は今後数週間かけてウラジーミル・プーチンが持ち堪えられるかどうか見極め、残りの戦いについて軍事的な条件を定めることになる。
 国内戦線はそこまで劇的ではないが、すべてがその帰趨にかかっている。
 ロシアは一定の土地を占領し続けるかもしれないが、それでもウクライナが豊かで民主的、かつ安全な国になれば、プーチン氏の戦争は完全に失敗したことになる。
 逆に、ウクライナが占領地を奪回しても汚職や貧困、政治的暴力の泥沼に沈んでしまったら、市民があれほど勇敢に戦って追い求めた理想を手放すことになる。
 こうした成功や失敗の基礎は、ロンドンで先日開かれた会議と、7月11~12日にリトアニアの首都ビリニュスで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で築かれることになる。

  
 さて、昨日の「国際紛争の解決には日本の存在感は皆無である」というつぶやきの最後でこうつぶやいた。
  
「国内向けに「拉致解決へ、北朝鮮と交渉模索 岸田首相『直轄でハイレベル協議』」と言っていたが、安倍晋三も幾度となく試みたことであり、恒例行事として岸田文雄も成果が期待できなくてもパフォーマンスに走っているのであろう」
 
しかし、どうやら日朝間では水面下で動きがあったようである。
 
ここにきて、岸田総理が「拉致問題」解決に動き出したウラ事情…「日米韓離反」の狙いの可能性
 
■岸田首相と拉致問題担当本部事務局長の面談いの割合で拉致問題対策本部の事務岸田首相は2021年10月に首相に就任して以来、1カ月に1、2回くらいの割合で拉致問題対策本部の事務局長と面談をしている。拉致問題対策本部の事務局長は安倍政権時代の2014年4月から石川正一郎氏が務めてきた。
しかし、今年4月1日付で、福本茂伸内閣審議官が石川氏の後任として事務局長に就任し、石川氏は内閣官房参与に就任した。9年ぶりの事務局長交代だ。
福本氏は警視庁公安部参事官、滋賀県警察本部長、拉致問題対策本部事務局審議官などを歴任した人物で、拉致問題にも精通した人物だ。松野博一官房長官は福本事務局長について「経験を生かし、拉致問題解決に貢献することを期待する」と述べた。
岸田首相の動静報道を見ると、福本事務局長は4月12日、5月16日、5月25日、6月2日に首相と面談している。
5月後半から面談が増え、5月25日にはまず福本事務局長が面談し、そこへ石川前事務局長が参加する形で面談が行われている。岸田首相が「私直轄のハイレベルで協議を行っていきたい」と述べる2日前の面談だ。
新たな事務局長の就任、岸田首相の発言、北朝鮮の外務次官談話、こうした動きがつながっているのかどうか。
■すでに「第3国」の可能性
北朝鮮の外務次官談話の背後には、「第3国」で日朝間の水面下の接触があったのではないかという見方も出ている。
しかし、ここで問題になるのは、北朝鮮がコロナ禍で依然として国境を封鎖していることだ。中国の王亜軍駐平壌大使が今年3月下旬に赴任したが、前任の李進軍大使が2021年末に中国へ帰国した以来、約1年3カ月待っての特例での赴任だった。北朝鮮はコロナを理由に依然として人的往来を認めていない。
小泉首相の訪朝を実現した、田中均アジア大洋州局長と「ミスターX」の秘密接触は20数回に及んだが、田中局長と「ミスターX」は中国の地方都市などで密会を重ねた。しかし、現在の状況では、北朝鮮の高官が第3国へ出て日本側と秘密接触を持つことは極めて困難だ。
あり得るとすれば、第3国にいる北朝鮮関係者が本国の新しい「司令塔」の指示や連絡を受けながら、第3国で会うというやり方しかないように思う。
その場合、日朝ともに相手側が最高指導者や権力中枢と直結した人物であるかどうかを確認したいと思うだろう。
田中局長は「ミスターX」に新聞の首相動静を見ろと言った。秘密接触をした後には田中局長が小泉首相に報告したことを新聞で確認できるとした。「ミスターX」は金正日総書記と直結していることを示すために、当時、平壌に拘束されていた日本人を何の対価もなく釈放した。
もし、今回、日朝の間で水面下の接触があったのなら、コロナ禍では、実力者ではなく、実務者による接触にならざるを得ない。そうなると、お互いに相手が権力中枢と結び点いているのかどうかを確認したいだろう。今回の岸田首相の「発言」と、外務次官の「談話」がそうした相互の確認作業であった可能性は排除できないが、それは筆者の「妄想」かも知れない。
■キム・ウンギョンさん「献花してほしい」
北朝鮮外務次官の「談話」に時を合わせるように、韓国の市民団体「拉北者家族会」の崔成龍代表が、日韓のメディアに対して、北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの娘、キム・ウンギョンさんが、めぐみさんの父で2000年に亡くなった横田滋さんと、めぐみさんの夫の金英男の母で2018年に亡くなった崔桂月さんの墓参が出来ないので、代わりに自分の名前で献花をしてほしいと言っていると明らかにした。
崔成龍代表は、約20年前に、ある「消息筋」がめぐみさんの夫が韓国で拉致された金英男さんであるという事実を伝えてきたが、その「消息筋」が5月下旬に、こうしたウンギョンさんのメッセージを伝えてきたとした。
崔桂月さんは2006年6月に金剛山で行われた南北離散家族の再会の際に、息子の金英男さんと再会し、この時にキム・ウンギョンさんとも会った。
金英男さんの姉の金英子さんはこの伝言を聞き、6月1日、韓国・群山市にある崔桂月さんの墓に「金英男、めぐみの子、キム・ウンギョン」との名前を付けた花束を供えたという。
また、横田滋さん、横田早紀江さん夫妻は2014年にモンゴルのウランバートルでキム・ウンギョンさん一家と対面した。
北朝鮮の外務次官の「朝日両国が互いに会えない理由はない」という談話が発表された直後に、こうした動きが表面化したことは興味深い。人道的な立場からのキム・ウンギョンさんの墓参問題などが浮上する可能性もあるかもしれない。
■接点の模索か?
しかし、日朝両当局の基本的な立場の違いは明白だ。拉致問題を取ってみても、日本はその解決を要求し、北朝鮮は「既に解決済み」という立場だ。核・ミサイル問題では対立はさらに先鋭化しつつある。そうした中で「接点」を見つけることは容易ではない。 
しかし、日朝が対立しているからこそ、相手が何を考えているのか、率直な対話をすることは極めて意味のあることだ。
今回の「談話」は北朝鮮が日朝の対話の糸口を見出すための可能性もあるが、それは最近、急速に連携を深めている日米韓3国の連携にくさびを打ち込むためのものである可能性もある
日本は拉致問題を抱えているために、日朝の接触について米韓両国も表立って反対はできない。しかし、日本側が水面下で対話を進めれば不協和音が出ないとはいえない。そうした危惧があるにしろ、日朝首脳会談が実現するかどうかでなく、危機の管理という観点からも日朝当局者間の対話は必要だ。
岸田首相は6月8日の参院財政金融委員会で「金正恩朝鮮労働党総書記との首脳会談を早期に実現すべく、私直轄のハイレベル協議を行う努力を続けたい」と再び、述べた。
さらに岸田首相は、6月13日の記者会見でも、「日朝間の懸案を解決し、両者がともに新しい時代を切り開いていく観点からの私の決意を、あらゆる機会を逃さず、金正恩委員長に伝え続けるとともに、首脳会談を早期に実現するべく、直轄のハイレベル協議を行っていきたい」と述べた。
さらに「わが国としても、対話の重要性を強調し、北朝鮮に対して働きかけてきているところだ。今後、さらに北朝鮮に働きかけを行ってまいりたい」と述べ、北朝鮮へ対話の働き掛けを行っているとした。
いずれも、朴サンギル次官の「談話」に対する肯定的な反応であり、日朝当局者間の水面下の動きを感じさせる発言だ。
しかし、朴サンギル次官は「日本は言葉ではなく、実践行動で問題解決の意思を示さなければならない」という文句で談話を締めくくっている。北朝鮮は、岸田政権の対北朝鮮政策が安倍政権とは違うことを行動で示せと求めているように読める。
拉致問題や核ミサイル問題という核心的な問題ではなくても、岸田政権が何らかの姿勢変化を示すことを求めているようだが、岸田首相がどう動くか?

 
日朝間では、拉致問題や核・ミサイル問題で激しく対立しながらも、2017年夏ごろまでは日本の外務省と北朝鮮当局の水面下の対話が何とか続いていたという。
 
しかし、当時の安倍晋三が2017年9月の国連総会で「必要なのは対話ではない圧力だ」と北朝鮮非難の演説を行い、これに北朝鮮は「安倍政権相手にせず」として、対話は途切れてしまったという経緯がある。。 
 
その後安倍晋三がハノイでの米朝首脳会談決裂後の2019年5月に産経新聞とのインタビューで「条件を付けずに金正恩党委員長と会って、率直に、虚心坦懐に話合ってみたい」と語り、日朝首脳会談開催に「条件を付けない」とした。この姿勢は、これ以降、安倍政権、管政権、岸田政権と継承されている。
 
しかし、日本の首相が金正恩氏と会談し、拉致問題の協議をしないことはあり得ないことであり、日朝首脳会談をしたのに、日本の首相が拉致問題に言及しなければ、日本国民の間で激しい反発が起きることは必至であろう。
 
「条件をつけず」としているが、「拉致問題の解決のために」首相会談を行うことは自明のことであり、「条件をつけず」という言葉は、首脳会談を実現するための「飾り表現」であることは明らかである。

それでも岸田文雄が「安倍晋三ができなかったことをやりたい」という思いから「火中の栗」を拾えるのかは、はなはだ疑問である、とオジサンは思う。   

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