山の中でマスク無しの生活を1週間余り過ごして戻ってみると一気に世の中の状況が変わっていた。
COVID-19の感染者数が東京では過去最高の678人で他の大都市も今までで最高の感染者数が報じられていた。
たしか先月末頃には「勝負の3週間」などと訳の分からぬことを言っていたのだが、当時はお笑い芸人にこうおちょくられていた。
「勝ち負けなんだから、どうなったら勝ったのか、どうなったら負けたのか…。8勝7敗っていうのは勝ち越しだから一応勝ったことになるのか。コロナで8勝7敗っていうのは同じじゃないのかっていう感じがしないでもなくて、何を持って勝負しているのかね、何が勝負なの?」
そもそも「ウィルスに勝つ」というのは人間の思い上がりであることは過去の歴史を見るまでもない。
そして結果的には「勝負の3週間」は大敗で幕を閉じたわけであった。
菅義偉の年末年始の「Go To トラベル」全国停止表明は、敗北宣言と同じであった。
何しろ菅義偉政権はこの間、一度も闘ってこなかったので当然であった。
「GoTo停止『菅の決断』国民は笑えない“裸の王様の独り相撲”」
「目の前で炎が燃え広がっているのに、消防車の到着は2週間後。そんなバカな話はあり得ない。感染拡大地域の旅行者から地方にウイルスが持ち込まれ、今や地方の内側で感染が広がっている状況です。菅首相は『トラベル』停止で、旅行後押しの“アクセル”から足を外しただけ。外出自粛など人の移動を制限する“ブレーキ”には踏み込まない。これでは地域内の感染抑制対策には不十分。ましてや、会食が要因の感染が頻発する中、『Go To イート』の継続は理解不能です。菅首相は感染爆発、医療逼迫の“大火事”を、まだ“ぼや”だとみなしているのか。やる気が全く感じられません」
(西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)
「今の菅首相は『裸の王様』です。二階幹事長を背後につけて党内にニラミを利かせ、官僚には人事権を振りかざして忖度を強制。メディアには裏で圧力という強権的手法で国民は騙せても、ウイルスは騙せません。1強体制にあぐらをかいた恐怖政治がアダとなり、誰も進言できず菅首相の孤立は深まっているように映ります。日本学術会議や専門家の科学的知見を軽んじる反知性主義も相まって、失政の連続。菅首相がたった一人で社会を未曽有の混乱に陥れています」
(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
こんな「裸の王様」なので自分で的確な判断ができず、タイミング悪く国民の批判を浴びる行動をしてしまった。
「忘年会の自粛呼び掛けているのに…菅首相「国民に誤解招き反省」その夜また、はしご会食」
【東京新聞より】
いやいや「国民の誤解…」じゃないでしょう。
— 東京新聞労働組合 (@danketsu_rentai) December 16, 2020
そんな反省の仕方がありますか。
菅首相、二階氏ら7人と高級ステーキ店で忘年会。
「国民の誤解を招くという意味においては
真摯に反省をしている」https://t.co/clmj7EGFvL「誤解を招く」って何だろう。突然「Goto全国一斉中止」を表明した1時間半後に、8人で「高級ステーキ店」で会食したことが国民に呆れられているということ、そこに、どんな「誤解」があるのだろうか。それまでの内閣支持率が異常に高かったことが、国民の「誤解」だったということではないのか? https://t.co/EbSjRB3eh3
— 郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 (@nobuogohara) December 16, 2020範を垂れるべき総理大臣が、率先して禁を破っている。これでは、誰も総理の言うことなんか信じなくなるだろうし、言うことも聞かなくなるだろう。その罪は大きい。明日の夜からは、忘年会に繰り出すサラリーマンが一気に増えてもおかしくない。 https://t.co/kXcZMX0UZh
— m TAKANO (@mt3678mt) December 15, 2020
今までも放言・失言大臣としては右に出るものはいないと言われていた麻生太郎の釈明会見での「誤解を招いたら・・云々」という常套句を思い出してしまう。
これは誤解する方があたかも「勘違い」でもしたかのような上から目線の舐め切った物言いであることは確かである。
菅義偉の「国民の誤解を招くという意味において、真摯に反省している」というその本心はおそらく「誤解を招いた」ことは反省するが「忘年会」の出席については津に問題ないということなのだろう。
そしてその舌の根も乾かないうちに、小田尚読売新聞東京本社調査研究本部客員研究員、粕谷賢之日本テレビ執行役員、そして提灯持ちジャーナリストの田崎史郎と会食している。
忘年会が問題になった15日の夜にも、フジテレビの宮内正喜会長や東京オリ・パラ組織委員会理事と会食してるようなので、もはやタガが外れてしまったかの行動に国民からは見えてしまう。
勿論、コロナ禍ではないいつもの年の瀬ならばたとえ1人前7万円以上の高級ステーキを食おうが国民は羨望のまなざしで見るだけであり特に怒りはわかないものである。
しかし、国民に「様々な日常行動」に対して自粛を呼び掛けている張本人がこんなことをやっているようでは、ますます不信感が募るばかりであろう。
「菅首相コロナ会食は『国民の誤解』じゃない! 今度はフジテレビ会長・社長、五輪賄賂疑惑の電通顧問と…フジに報道機関の資格なし」
菅首相コロナ会食は「国民の誤解」じゃない! 今度はフジテレビ会長・社長、五輪賄賂疑惑の電通顧問と…フジに報道機関の資格なし|リテラ
— 但馬問屋 (@wanpakuten) December 16, 2020
翌15日夜はフジテレビの宮内正喜会長と遠藤龍之介社長、東京五輪・パラリンピック組織委員会の高橋治之理事と会食をおこなったのだ… https://t.co/e1vNvsBp3u
遅きに失した「GoToトラベル」一時停止の発表につづき、菅義偉首相の言動が問題になっている。「GoTo」停止発表をおこなった14日、その足で「マスクなし会食」に参加していた件だ。 菅首相は総理就任後から朝も夜も会食をしつづけているが、この日は「GoTo」停止について会見もおこなうことなくぶら下がり取材でお茶を濁すと、その足で紀尾井町のホテルニューオータニに直行。青木拡憲・AOKIホールディングス会長や、出雲充・ユーグレナ社長らと会食。会食メンバーの人数は約15人にも及んだという。 さらに、20時36分にニューオータニを出ると、今度は銀座のステーキ店「銀座ひらやま」にはしご。今度は自民党の二階俊博幹事長や林幹雄幹事長代理、福岡ソフトバンクホークスの王貞治・球団会長や俳優の杉良太郎、みのもんた、政治評論家の森田実氏らと会食をおこなったのだ。 取材に応じた参加者の杉良太郎によれば、「きょうはみんなで野球の話とか、そんな話をしただけ。忘年会」という不要不急としか思えないもののうえ、72歳の菅首相をはじめ、銀座での「忘年会」メンバー全員が重症化リスクの高い65歳以上の高齢者。しかも、二階幹事長はその後、この「忘年会」について問われた際、逆ギレしたように「食事中はマスク取りますよ」と発言。菅首相が提唱する「マスク会食」のルールは守られていなかったらしい。 ご存じのとおり、政府は感染リスクが高い「5つの場面」のひとつとして、〈大人数、例えば5人以上の飲食では、大声になり飛沫が飛びやすくなるため、感染リスクが高まる〉と国民に注意を促し、今年は忘年会を中止する会社も多い。また、東京都も警戒レベルが最高段階に引き上げられ、大人数での会食を控えるよう呼びかけている。西村康稔経済再生担当相も「会食クラスターの8割以上は5人以上」として大人数での会食を避けるよう呼びかけている。なのに、新型コロナ対策の先頭に立つ菅首相自身が、「不要不急」としか考えられない「忘年会」に参加し、これを平気で破っているのだ。 まさに「俺だけは大丈夫」と言わんばかりの菅首相のこの独善的かつ身勝手な行動には批判が高まり、きょうの夜になって「国民の誤解を招くという意味においては、真摯に反省している」などと発言。国民は「誤解」などしていないし、この期に及んで国民に責任を転嫁しようとは呆れてものも言えない。 しかも、菅首相に何の反省もないことは、昨日の首相動静が物語っている。というのも、「忘年会」に与党内からさえ批判が起こっていた昨日15日の夜も、菅首相は会食に出かけていたからだ。 首相動静によると、菅首相は19時43分に赤坂にある高級イタリア料理店「VaccaRossa」に入店。子飼い議員である自民党の秋本真利・衆院議員と、加藤仁・日本風力発電協会代表理事と会食。 そして、御多分に洩れずこの夜も菅首相は「はしご」し、20時15分には六本木の最高級和牛がウリの「ステーキそらしお」に出向き、今度はフジテレビの宮内正喜会長と遠藤龍之介社長、東京五輪・パラリンピック組織委員会の高橋治之理事と会食をおこなったのだ。 ■2軒目のお相手は五輪賄賂工作で名前の上がった電通顧問・五輪組織委の高橋治之理事 会食に批判が高まっている最中だというのに、それも無視して連日の「はしご会食」……。しかも、問題は2軒目となった会食のメンバーだ。 まず、東京五輪組織委員会の高橋理事といえば、電通顧問であり、五輪招致では日本オリンピック委員会と電通、そして招致委員会から巨額を受け取り、賄賂工作を請け負ったコンサルタント・ブラックタイディングス社(IOC委員ラミン・ディアク氏の息子のパパマッサタ・ディアク氏の関連会社)をつなぐ役割を演じたと言われている。さらに、ロイター通信は今年3月、高橋理事が招致委員会から約8億9000万円相当の資金を受け取り、IOC委員らにロビー活動をおこなっていたと報じている。 そんな五輪買収問題のキーマンである人物と菅首相がこのタイミングで会食をおこなった理由はわからないが、しかし、じつは菅首相も高橋氏と同様、ディアク親子への賄賂にかかわっていたという疑いが持たれている。 既報でもお伝えしたが(詳しくは既報参照)、「週刊新潮」(新潮社)2月20日号によれば、菅首相は官房長官時代、カジノをめぐって深い関係にあるセガサミーホールディングスの里見治会長に対してこんな依頼をおこなっていたと、当の里見会長がテレビ局や広告代理店の幹部に語ったというのだ。 「アフリカ人を買収しなくてはいけない。4億~5億円の工作資金が必要だ。何とか用意してくれないか。これだけのお金が用意できるのは会長しかいない」と依頼。 「嘉納治五郎財団というのがある。そこに振り込んでくれれば会長にご迷惑はかからない。この財団はブラックボックスになっているから足はつきません。国税も絶対に大丈夫です」 そして、実際に里見会長は自身で3?4億円、「知り合いの社長」が1億円を用意して嘉納治五郎財団に入金したといい、これに菅氏は「これでアフリカ票を持ってこられます」と喜んでいた、というのだ。 しかも、これは里見会長の“ホラ話”ではない。というのも、セガサミー広報部は嘉納治五郎財団への寄付の事実を認めており、「週刊新潮」が独自入手した嘉納治五郎財団の決算報告書でも、2012年から13年にかけて2億円も寄付金収入が増えていることを確認。関係者は「その2億円は里見会長が寄付したものでしょう」と語っているのだ。 もし、里見会長に買収のための資金提供を依頼していたのが事実ならば、菅首相は官房長官という国の中枢の要職に就きながら、五輪の招致を金で買うというとんでもない悪事に手を染めていたことになるが、今回会食をおこなった高橋理事と菅首相には、そうした五輪買収の繋がりが存在するのだ。 ■フジは14日の会食をニュース番組で批判的に報道していたのに、自社のトップが… いや、問題はそれだけではい。この会食に同席していたのが、フジテレビの宮内正喜会長と遠藤龍之介社長だったということだ。 安倍晋三・前首相はフジテレビグループのドンといわれる日枝久・取締役相談役とゴルフや会食を繰り返してきたが、菅首相も同じようにフジ幹部と仲良く会食とは──。こうしてメディア懐柔をおこなって、菅首相もフジテレビを御用化させていくという目論見なのだろう。 しかし、これは言うまでもなく、フジテレビも同罪だ。 実際、フジテレビはこの会食がおこなわれる前に放送された夕方のニュース番組『newsイット!』で、王監督やみのもんた、二階幹事長らとの「高級ステーキ“忘年会”」について、「菅首相の行動が物議を醸している」「(会食メンバーは)重症化リスクが高いとされる65歳以上の高齢者ばかり」などと報道していた。 そんな報道をおこなった日に、よりにもよって同じく「高級ステーキ」の店で、76歳の宮内会長と64歳の遠藤社長の2トップが雁首を揃えて、渦中の菅首相と会食する……。時の権力者と会食すること自体が報道倫理もへったくれもないが、コロナの感染拡大が深刻化するなか批判を浴びている会食をおこなうとは、報道機関としてあるまじき行動だ。 西村康稔・経済再生担当相は、菅首相の会食問題について、本日おこなわれた衆院内閣委員会の閉会中審査で「一律に5人以上はダメだと申しあげているわけではない」などと答弁。菅首相の行動を正当化するために、政府が挙げたルールが捻じ曲げられていくという国民をバカにしきったご都合主義がまかり通りつつある。だが、報道機関としての自覚もないメディアに、それを正しく批判することなどできるわけがない。菅首相もメディアも、揃いも揃って腐りきっているとしか言いようがないだろう。 |
https://t.co/qg1UqNTFgC pic.twitter.com/47ndSKI3w2
— 箱入り老人?? (@midnighthistory) December 16, 2020
菅義偉は年が明ければ国民は忘れて内閣支持率も回復していると高をくくているのかもしれない。
しかし菅義偉を取り巻く現実はそう生易しくはなさそうである。
日刊ゲンダイ
— 但馬問屋 (@wanpakuten) December 15, 2020
【Go To中止 手遅れ 10万人感染】
【Go To悶絶退陣になる様相】
『何もかも場当たりのスッカラカン』
“何の戦略、対策もなく、一部にしか恩恵がないバカげたキャンペーンの結果…”
『年末には検察案件ズラリ』
“安倍事務所のガサ入れ、河井連座制、元大臣の捜査が迫る…” pic.twitter.com/7yn5KmFyhC
最後に8人の忘年会に出席していた政治評論家の森田実のコメントを紹介しておく。
「トランプ大統領や(任期途中で総理を辞めた)安倍前首相はコロナ対策を軽んじて失墜した。菅首相もコロナについて専門家の意見に真摯に耳を傾けてこなかったため、今になって慌てている。コロナを甘く見ていたわけです。コロナ対策と向き合わない政治家はドロップアウトするのは世界の潮流です。加えて、菅政権というのは学術会議問題もそうですが、誤りを絶対に認めない。『Go To』もそうです。誤りを認めず、反省もないのだから国民が怒るのも当然です。検察もこうした世論に応じて桜疑惑や元農相裏金事件などをきちんと捜査して立件するべきでしょう」
どうやら来年の自民党の総裁選まで菅義偉が今の地位にいることはなさそうである、とオジサンは思う。