GWだからと言って誰もが「9連休」を満喫するわけではなく、最後の土日は家でゆっくりと休みたいと思っている人たちにとっては今日が最後の休みとなるわけだが、予報によれば今日は全国的に「夏日」になるという。
外に出れば日焼けを心配し、家の中にいれば電気代がかかるクーラーなんかはまだ早いと考えている人たちに、今日は少しは涼しくなる光景をお届けする。
世界には、特徴的な「トンネル」や「地下空間」がいろいろ点在しいるのだが、そのなかには、長短・深浅の尺度だけでは評価できない、観光スポットとして多くの人から人気を集めている施設も珍しくない。
そこで、国内外のユニークな地下空間を活用した施設を集めてみた。
【作業抗につくられた「水族館」】
岩手県久慈市は岩手県の北東部にある港湾都市で、陸中海岸国立公園の北の玄関口とも呼ばれている。陸中海岸国立公園はリアス式海岸が長く続く土地なので、東日本大震災でも大きな被害を受けたという。 その震災で全壊し、震災後、日本で唯一、地下トンネルにつくられた「もぐらんぴあ」という水族館が久慈市にある。 国家石油備蓄基地のための作業用トンネルが地下水族館につくり変えられたらしく、その地下に誕生した水族館は日本初。現在でも日本で唯一だと知られており、震災までの17年間でのべ130万人が訪れたという。 |
【酷暑から身を守る「地下ホテル」】
オーストラリアの南オーストラリア州に「クーバーペディ」という街があります。南オーストラリア州とは文字どおり、オーストラリアの南に位置する地域である。 クーバーペディは南オーストラリア州のど真ん中、沿岸のアデレードから約856km離れた内陸の街で、グレート・ビクトリア砂漠の東端に位置しており夏場は日中50度など信じがたいくらいまで気温が上がる土地で、砂嵐もひどく、生き抜くための防衛策として、2,000人以上いる住人の半数はなんと古いオパール鉱山の跡である坑道に暮らしているとの話。 気候変動と温暖化が進んだ未来の地球では、最も合理的な暮らし方のひとつになるかもしれない。教会も書店も地下にあるというが、クーバーペディは冬も大変な冷え込みになるのだが、地下空間は年間を通じて25度くらいに保たれるため居心地がいいらしい。 |
そのクーバーペディの暮らしを追体験できるホテルが「Lookout Cave Underground Motel」です。1993年に誕生した。 もともとは「Opal Capital of the World(世界のオパールの首都)」とも呼ばれるクーバーペディのオパール鉱山で働く人たちが1960年代~1980年代にかけて暮らしていた場所で、その住居のオーナーがリノベーションして、観光客向けの宿泊施設に作り替えたといわれている。 |
<地下の部屋はむき出しの岩肌がそのまま壁になっておりホテル内の部屋タイプもバラエティ豊かで、ひとり旅の旅行者から家族連れまで、いろいろな宿泊客を受け入れてくれる設計となっている。地下暮らし、トンネル暮らしともいえる体験を、人生で一度は体験してみるのもいいかもしれない。 |
【地下にある美しい「美術館」】
何かの地下トンネルを再利用したというよりも、最初から意図して地下につくられたような施設も世界には点在しており、そのひとつが、フィンランドの首都ヘルシンキ中心部にある「アモス・レックス美術館」(旧・アモス・アンデルソン美術館)である。 一見すると、商業施設に囲まれた中庭のような広場の地表には大きくて緩やかな隆起といくつかの突起物、さらに煙突のような塔しか見えまないのだが、都市部の新たな空間の楽しみ方として、その地下には約2,200平方メートルのドーム型天井の展示スペースが広がっている。 |
その隆起の高低差を思い思いに地上では楽しめる一方で、突起物の開口部を覆う窓を通してつながった地下にはドーム天井のスペースがあって、定期的に展示内容が変わるアートを楽しめるという。 2018年8月にオープンすると、1週間で1万人以上の観光客が押し寄せる観光名所になったとの情報もある。 |
また、地下空間の活用においてフィンランドは先進国なのかもしれない。 11年前の話だが、フィンランド南部にロホヤという街があり、そこの地下約80メートルの石灰石鉱山に、ヘルシンキの人気レストランが期間限定でお店をオープン。連日予約でいっぱいになったというニュースもイギリスの国際通信社ロイターが報じていたという。 |