今週は水曜日まで家をはなれています。「つぶやき」の代わりに、昨日に引き続いて、
「降りてみたいけど、下車できない?世界にあるちょっと変わった駅たち-2」をお届けします。
「降りてみたいけど、下車できない?世界にあるちょっと変わった駅たち」
■民間人の出入が統制された「都羅山駅」
次は、お隣の国。朝鮮半島の北朝鮮と韓国の国境近辺にある駅を紹介します。両国の軍事境界線に沿った民間人出入統制区域内にある「都羅山(トラサン)駅」です。 かつて、サッカーワールドカップを日本と韓国で共催した2002年に誕生した駅で、ソウルから約56km北、平壌から約205km南に位置します。 駅の看板には、「Not the last station from the South, but the first station toward the North(南からの終着駅ではなく、北への出発駅)」と書かれています。 ほかにも、ロシア・中国と地続きで鉄道網が敷かれる、夢のような世界を描いた地図が掲載されるなど、南北の融和や世界平和を演出するプロパガンダに満ちた駅なので、建物も奇麗に整備されています。 |
しかし、現実には軍備が密集するエリアに位置していて、周囲は、多数の地雷が埋められている地雷原です。 駅ができてから現在までの20年近くで、北朝鮮は核保有国になりました。その間に生じたさまざまな理由から、北朝鮮行きの電車は現在、貨物列車も含めて運行されていません。とはいえ、都羅山駅のツアー(DMZ Tour)は韓国側で開催されており、およそ2km先にある軍事境界線の向こう側に広がる北朝鮮を、高台から望遠鏡で眺めるプログラムを含めて、少なくない人が訪れています。 |
とはいえ、都羅山駅のツアー(DMZ Tour)は韓国側で開催されており、およそ2km先にある軍事境界線の向こう側に広がる北朝鮮を、高台から望遠鏡で眺めるプログラムを含めて、少なくない人が訪れています。とはいえ、都羅山駅のツアー(DMZ Tour)は韓国側で開催されており、およそ2km先にある軍事境界線の向こう側に広がる北朝鮮を、高台から望遠鏡で眺めるプログラムを含めて、少なくない人が訪れています。 |
■ファンの憧れ、幻の「シティホール駅」
最後は、アメリカのニューヨークにある「シティホール駅」です。この駅は現役の駅ではないのですが、1904年につくられて1949年に閉鎖された地下鉄駅です。 当時の建築物が荒らされずに残っているので、一部の鉄道ファンから「幻の廃駅」として憧れをもって知られているのだとか。 現在、残念ながら駅には立ち入りできません。しかし、ニューヨーク市地下鉄6系統の始発・終着駅であるブルックリン・ブリッジ・シティ・ホール駅で、終着電車が始発電車として折り返し運転のため、終端用ループ線でUターンする際に、車内から窓越しに存在を確認できます。 |
シティホール駅(シティ・ホール・ループ駅)がループ線上に位置する様子が分かる。地図右下の駅がブルックリン・ブリッジ・シティ・ホール駅。image by:IRT, Public domain, via Wikimedia Commons もともと、ニューヨークの市庁舎(City Hall)の直下にあったため、シティホール駅だったわけです。その後、敷地の真下をぐるっと回る(ループする)ように線路が敷かれ、そのループ線の途中に駅が設けられたため、シティ・ホール・ループ駅とも呼ばれたとの話。 名前からも分かるとおり、ループ線上に駅がつくられたため、ホームの距離が短く、長い車両が停車できないため、廃止された経緯があるみたいですね。 |