「国会議員連中の「究極の求職活動」ともいえる選挙が終わり、「戦い済んで日が暮れた」 頃から、今度は所属政党間での「政権争い」が早くも始まっている。
改めて、今回の衆議院選挙の結果を確認しておく。
「特別国会首班指名に向け大攻防」
10月27日に実施された衆院総選挙で自公の与党は大敗し、過半数を割り込んだ。
政党別獲得議席数は以下の通り。 憲法54条の規定により総選挙から30日以内に特別国会を召集しなければならない。 通常国会での予算審議を通じて、2025年度当初予算採決の段階で国民民主を政権与党に組み入れる協議が行われる可能性が生じるかも知れない。 |
傍目からみれば数合わせだけで簡単に「政権交代」はありえないと思うのだが、一般国民の利益よりも自分たちの利益を優先するのが国会議員連中なので、今後は何が起こるかは素人からは想像もつかない事態になる可能性もある。
「国民民主党が「石破」を見捨て「野田総理」に走る現実的な理由がヤバい《玉木財務相、大串官房長官の名前》」
■自民に行ったとて過半数にギリギリ 「地獄に落ちるというのは、こういうことなんでしょう」 10月27日の総選挙開票から一夜明け、頭を抱えて「現代ビジネス」記者に語るのは、自民党で何度も閣僚入りした幹部のA氏だ。 衆議院選挙で自民党と公明党の連立与党が、過半数に届かず215議席。自民党は改選前から56議席を減らし、191議席とぼろ負けとなった。公明党も8議席減の24議席。 今後は、自民党と公明党が新たな党を取り込み、連立を組むか、それとも、野党第1党の立憲民主党が他の党と連携して政権を奪取するかにかかってきた。 また、惨敗を喫した自民党は、石破茂首相の退陣論が吹き荒れ、さらに騒がしくなる。 自公が狙うのは、7議席から28議席にと大きく躍進した国民民主党だ。 国民民主党とは、岸田首相時代の自民党が、ガソリン価格の高騰で、税の上乗せ部分を見合わせる「トリガー条項」を協議したこともある。また、国民民主党の元参議院議員・矢田稚子氏は内閣総理大臣補佐官(賃金・雇用担当)に起用され、岸田政権に引き続き石破政権でも矢田氏は再任されている。 自公に加えて国民民主党が連立入りすれば、243議席となり、過半数を上回ることができる。 しかし、国民民主党の関係者はこう語る。 「うちの議員には二通りいる。ひとつは連立に入って『大臣になりたい』と公言するような権力志向の議員。もうひとつは、立憲民主党とは政はがほとんど変わらないのだが、支援労組の事情で国民民主に所属している議員。 自公と組むとなると、後者のタイプは党を出ていくから、その場合は党が割れてしまう。党に残るであろう『大臣になりたい』グループは衆議院で10人ちょっとでしょうか」 となると、合流したとて過半数にギリギリという数字なのだ。 ■政権交代なら「石破総裁」は残留 国民だけでは足りないとなれば、視野に入ってくるのが維新である。維新は44議席から38議席に減らした。国民民主党と維新を合わせれば、66議席ほどになる。 衆議院の常任委員会すべてで委員長ポストと、過半数の委員を確保できる「絶対安定多数」の261議席も見えてくる。 「問題はここまで不人気を露呈した石破首相のもとで連立が組めるかどうかだ。石破首相は辞めないと言っているが、それで党内がもつのかどうか」(前出・A氏) 小泉進次郎選対委員長は、責任をとって石破首相に辞任の意思を伝えた。 一方で、石破首相の「責任論」はとどまるところはない。石破首相を辞任させ「次」として、総裁選で決選投票を戦った高市早苗氏、現政権を支える林芳正官房長官、加藤勝信財務相の「安定感」を支持する声もある。しかし、政権交代で、自民党は当然、野党に成り下がる可能性はゼロではない。 「なぜ自民党の総裁を目指すイコール総理大臣の椅子。それが、野党の総裁となれば、まったく面白味がないし、誰もやりたがりません。それに、衆議院選挙で惨敗して『次の総裁』で党内抗争をやっているとなると、さらに国民からの信頼を失います。下野となれば、しばらく石破首相にやってもらい、年明けの予算成立で、新しい総裁選びとなるかもしれません」 つまり、政権交代が起こるとなれば、逆に「石破総裁」は残留ムードということになるわけだ。 立憲民主党が大きく議席を伸ばした以上、連立の組み方次第では、野田佳彦代表を中心とした政権交代になる。国民民主党はどちらにつくか、キャスティングボートを握れる位置にある。 「国民民主党としては、自公と連立しても意味がない。閣僚ポストを1つもらって喜ぶだけで、主導権は自民党。立憲民主党と歩調を合わせるなら、ひとつにまとまって政権を作れれば日本の国を自らの手で運営できる大きな力を持つ」 国民民主党のB氏はそう話す。 ■維新と立憲の接近 立憲民主党中心の政権となった場合、国民民主党の玉木雄一郎代表は政権の中枢に入る。 「財務省出身だから、財務相が有力でしょう。官房長官には、衆議院選挙大勝の立役者となった、立憲民主党の選対委員長、大串博志氏が適任でしょう。野田代表の最側近で、安定感があります。また、国民民主党にはそれ以外の閣僚ポストが複数まわってきます。委員長も同様ですね。そうなれば、当面党はしっかりまとまります」(前出・B氏) 一方、維新はどうなのか。馬場伸幸代表は選挙後の記者会見で 「連立に入ることはありません」 と述べている。しかし、維新はこれまで徹底的に立憲民主党を叩いてきたが、野田代表就任後、勉強会の講師として党に招くなど風向きがかわってきた。 維新の元国会議員秘書で、今年の東京都知事選、石丸伸二氏の旋風を巻き起こした選挙プランナー、藤川晋之介氏はこう語る。 「これまで維新は立憲民主党のことをボロクソに言ってきました。しかし先日、馬場代表と話したところ『野田代表となれば十分な話し合いができる』と言っていた。自公と組めば、閣僚入りは1人だけ、馬場代表のみです。実質的には自民党が牛耳ることになります。 一方、立憲民主党を中心とした連立に入るなら、閣僚ポストも増え、維新の政権与党として発言権も増す。馬場代表に『連立入りして大臣になれば』と酒の席で持ち掛けたら、『とんでもない』と言いながら、にっこりでした。やる気あると思います」 ■細川政権の再来か 立憲民主党幹部のひとりも、自信たっぷりにこう語る。 「ここまで勝てば政権交代も見えてくる。国民民主党、維新とも十分に組めるはず。それだけではなく、れいわ新撰組、社民党、参政党に加えて、日本保守党とも話し合いたい。7党連立に無所属からも入ってもらえれば、過半数を上回れる。うちか、自民党か、どちらが先に話をまとめきれるかだ。 自民党の安定感というが、野田代表は首相経験者です。2009年の政権交代で閣僚となった議員も、党内にはまだかなりいます。うちが連立政権を担えば、十分に安定した国政の運営ができます」 はじめての衆議院の総選挙にもかかわらず、議席を獲得した日本保守党。自民党への批判、保守層の票を取り込んだとみられる。日本保守党では唯一、小選挙区愛知1区で当選した前名古屋市長、河村たかし氏は言う。 「3議席とは、とてもありがたい支持を得た。感謝だ」 河村氏はがかつて、日本新党、新進党に在籍した当時は、細川護熙首相時代で政権交代も経験している。 「細川政権を経験した者としては、当時小沢一郎氏の剛腕で8党連立をまとめあげたことを思い出します。まだ小沢氏も元気なので、何か仕掛けはないのかな。日本保守党の立ち位置は、自民党はダメだと立ち上げた以上、当然『非自民』だ。 立憲民主党中心の連立に入る? そんなもの、まだわからんが、野田代表もよく知る仲だ。自民党の高市氏も新進党で一緒に『非自民』とやっていた。首班指名もすぐでしょう。しっかりと話し合いができればとは思っている」(河村氏) 自民党政権か、それとも政権交代か、今後の政局に注目だ。 |
まあ、外野が何を言っても仕方がないのだが、少なくとも11月1日には新しい(?)首相が決まるのだが、それまでは静観するしかないだろう、とオジサンは思う。