「日本の国花はサクラ。それもヤマザクラ」とずーっと以前から思い込んでいました。ところが、この記事を書く前にちょっと確認してみたら、アレレ! 「桜または菊」なんですと。また「公式に定められた国花はありません」とも。そうだったのか~。
さて、韓国の国花についてですが、日本ではどれほど知られているでしょうか? 漢字で書くと<木槿>または<槿>。これで<ムクゲ>と読みます。(漢検だと、1級レベル・・・ってホンマ?)
このムクゲですが、見てそれとわかる人は何%くらいいるのでしょうか? 全然見当がつきません。私ヌルボの場合、高校時代(?)の国語の授業で芭蕉の「道のべの木槿は馬に食はれけり」という俳句で名前だけは知っていましたが、ちゃんと判別できるようになったのは恥ずかしながら1年前です。
「ちゃんと判別」するのがちょっとむずかしいのは、同時期(6~9月頃)に咲く花でムクゲによく似た花がいくつかあるから。
ここでクイズ。次の①~③の中でムクゲはどれ?
正解は②です。
①はフヨウ、③はタチアオイです。
韓国語だと、ムクゲは무궁화(ムグンファ.無窮花)、フヨウは부용(プヨン.芙蓉)。そしてタチアオイは漢字語ではなく<접시>(チョプシ)=皿+<꽃>(コッ)=花で접시꽃(チョプシコッ)と言います。なるほど、円い皿のように見える、かな?
この3つの花とも白色など色が数種類あるのもややこしいところ。
たとえば、右の2つもムクゲです。
花の見分け方のポイントは・・・
ムクゲ・・・メシベの先端がまっすぐ伸びている。
フヨウ・・・メシベの先端が曲がっていて、どれも上を向いている。
タチアオイ・・・花の中心部分が淡い緑色。
※花の時期は、タチアオイが一番早く5月下旬~7月上旬。ムクゲがその約1ヵ月遅れ、フヨウはさらにその後です。
・・・ということなのですが、それよりもずっとわかりやすいのは少し離れたところから全体を見てみること。
まずムクゲから。この木の特徴は、たくさんの枝が空に向かってまっすぐに伸びていることです。右の写真のように3~4mもの高さになる木もあります。
次はフヨウ。
多く枝分かれしていて、大きめの葉がたくさんこんもりと横に広がっています。
タチアオイは、実は木ではなくて草なので、1本まっすぐ上に伸びている太い茎も下の方まで緑色です。葉はその茎の下の方にあるくらいで、上の方はほとんどなく、花は茎のすぐ横についています。
※ここまでの写真のほとんどはわが家の近所で撮ったものですが、右のタチアオイが群れ咲いている写真は都内の小さな公園で今年6月半ばに撮影しました。
なお、ムクゲとフヨウは葉の形も一目でわかるほどの違いがあります。(「街の木公園の木」(大日本図書)より)
国花ということで、韓国ではこのムクゲがいろんなところで用いられています。右は韓国の国章と、最高の勲章である無窮花大勲章。国章は「ムクゲの花を基にデザインされている」とのことですが、どこが?という感じ。ムクゲでこんな黄色のものはないんじゃないかなー? 勲章の方は全然ムクゲとは関係なさそうです。本記事の見出しにも書いたように、朴槿恵前大統領の名前もムクゲを念頭に置いてつけられたものと思われます。なお、歴代大統領はこの無窮花大勲章を受章することになっています。全斗煥・盧泰愚元大統領も朴槿恵前大統領も投獄されるようなことになりましたが、この勲章は没収されないことになっているそうです。
また国歌「愛国歌」の歌詞中にも「무궁화 삼천리 화려강산(無窮花 三千里 華麗江山)」とムクゲが出てきます。
そして次の写真は2016年3月ソウル市銅雀区の顕忠院(国立墓地)で撮ったものです。
広い墓地の彼方まで整然と並んだ墓の一つひとつにピンクまたは白のムクゲが供えられています。韓国の国鳥(非公式)のカチガラス(チョウセンカササギ)がここかしこに見受けられました。が、考えるまでもなくこの時期にムクゲが咲いているわけがない、と思って見ると、やはり全部造花でした。ま、しかたないところでしょうが・・・。
ところで、ここで気になるのは北朝鮮の国花は何か?ということ。調べてみると、和名ではオオヤマレンゲ。韓国語では함박꽃나무(ハンバッコンナム)、そして北朝鮮では목란(モンラン.木蘭)といいます。その画像(右)を見ると、これまたなんとも紛らわしい!(笑)
そういえば、平壌にある宴会場の名前が木蘭館でしたね。私ヌルボが1991年夏に行った時普天堡(ポチョンボ)電子楽団の演奏を聴いたり、水キムチとか板チョコ等を食べた所です。(実は長い間、私ヌルボは木蘭と牡丹(모란.モラン)を混同してました。ハハハ。)
ところでその2。タチアオイと言えば、韓国人の多くが連想する(韓国の)有名人がいます。って、これで誰のことかわかるアナタはなかなかの韓国通。その人物のことについてはまたいずれ書くことがあるかも・・・。
さて、韓国の国花についてですが、日本ではどれほど知られているでしょうか? 漢字で書くと<木槿>または<槿>。これで<ムクゲ>と読みます。(漢検だと、1級レベル・・・ってホンマ?)
このムクゲですが、見てそれとわかる人は何%くらいいるのでしょうか? 全然見当がつきません。私ヌルボの場合、高校時代(?)の国語の授業で芭蕉の「道のべの木槿は馬に食はれけり」という俳句で名前だけは知っていましたが、ちゃんと判別できるようになったのは恥ずかしながら1年前です。
「ちゃんと判別」するのがちょっとむずかしいのは、同時期(6~9月頃)に咲く花でムクゲによく似た花がいくつかあるから。
ここでクイズ。次の①~③の中でムクゲはどれ?
正解は②です。
①はフヨウ、③はタチアオイです。
韓国語だと、ムクゲは무궁화(ムグンファ.無窮花)、フヨウは부용(プヨン.芙蓉)。そしてタチアオイは漢字語ではなく<접시>(チョプシ)=皿+<꽃>(コッ)=花で접시꽃(チョプシコッ)と言います。なるほど、円い皿のように見える、かな?
この3つの花とも白色など色が数種類あるのもややこしいところ。
花の見分け方のポイントは・・・
ムクゲ・・・メシベの先端がまっすぐ伸びている。
フヨウ・・・メシベの先端が曲がっていて、どれも上を向いている。
タチアオイ・・・花の中心部分が淡い緑色。
※花の時期は、タチアオイが一番早く5月下旬~7月上旬。ムクゲがその約1ヵ月遅れ、フヨウはさらにその後です。
・・・ということなのですが、それよりもずっとわかりやすいのは少し離れたところから全体を見てみること。
まずムクゲから。この木の特徴は、たくさんの枝が空に向かってまっすぐに伸びていることです。右の写真のように3~4mもの高さになる木もあります。
次はフヨウ。
多く枝分かれしていて、大きめの葉がたくさんこんもりと横に広がっています。
タチアオイは、実は木ではなくて草なので、1本まっすぐ上に伸びている太い茎も下の方まで緑色です。葉はその茎の下の方にあるくらいで、上の方はほとんどなく、花は茎のすぐ横についています。
※ここまでの写真のほとんどはわが家の近所で撮ったものですが、右のタチアオイが群れ咲いている写真は都内の小さな公園で今年6月半ばに撮影しました。
なお、ムクゲとフヨウは葉の形も一目でわかるほどの違いがあります。(「街の木公園の木」(大日本図書)より)
また国歌「愛国歌」の歌詞中にも「무궁화 삼천리 화려강산(無窮花 三千里 華麗江山)」とムクゲが出てきます。
そして次の写真は2016年3月ソウル市銅雀区の顕忠院(国立墓地)で撮ったものです。
広い墓地の彼方まで整然と並んだ墓の一つひとつにピンクまたは白のムクゲが供えられています。韓国の国鳥(非公式)のカチガラス(チョウセンカササギ)がここかしこに見受けられました。が、考えるまでもなくこの時期にムクゲが咲いているわけがない、と思って見ると、やはり全部造花でした。ま、しかたないところでしょうが・・・。
ところで、ここで気になるのは北朝鮮の国花は何か?ということ。調べてみると、和名ではオオヤマレンゲ。韓国語では함박꽃나무(ハンバッコンナム)、そして北朝鮮では목란(モンラン.木蘭)といいます。その画像(右)を見ると、これまたなんとも紛らわしい!(笑)
そういえば、平壌にある宴会場の名前が木蘭館でしたね。私ヌルボが1991年夏に行った時普天堡(ポチョンボ)電子楽団の演奏を聴いたり、水キムチとか板チョコ等を食べた所です。(実は長い間、私ヌルボは木蘭と牡丹(모란.モラン)を混同してました。ハハハ。)
ところでその2。タチアオイと言えば、韓国人の多くが連想する(韓国の)有名人がいます。って、これで誰のことかわかるアナタはなかなかの韓国通。その人物のことについてはまたいずれ書くことがあるかも・・・。
【忘憂里公園墓地のムクゲ(2017年9月8日)】
記事の最後に昨年忘憂里公園墓地で撮った写真を追加しました。
また、今光化門広場でもムクゲの花がたくさん咲いているようですね。
沈守峰(シム・スボン)は全集のCDを持っていていろいろ聴いています。なかなかしっとりしたフンイキでいいですね。(むしろ近年?)
それにしても、大山レンゲが北の国花とは知りませんんでした!
こちらでは初夏の頃の茶席の花として非常に珍重されますね。姿といい色といい、格調あるいい花ですが栽培はなかなか難しいものです。
茶花といえば、何はなくとも夏は木槿、冬は椿があれば、といわれますが、いずれも朝鮮半島に縁のもの。
심수봉の노래「무궁화」心にしみる歌です。