どんぐり眼日記

昔は日々の日記として、今は見た映画の忘備録として更新しています。

「グッドナイト&グッドラック」

2006年05月14日 | 映画
今日は仕事が早く終わり、帰りに映画を観に行きました。「グッドナイト&グッドラック」です。白黒の映画。ジョージ・クルーニー監督作品。50年代のアメリカを舞台に、人気TV番組のキャスターであったエドワード・マローと「赤狩り」を主導したマッカーシー上院議員との6ヶ月にわたる闘争のお話。
良い映画だった。役者の芝居も濃密で余計な演出も無くシンプルでストレートな作品でした。
ジャズの音楽もしっかりと聴かせるという感じで印象的。劇場で聴くと映画でもいいもんです。
報道について、真実について、正しい事を行なうという事。会社について。映像について。等と色々と考えさせられました。この映画のキャスターとテレビ・スタッフ、そして上層部。は勇気のある行動をしたと思います。正しい事を伝えるという事がとても勇気の必要とされる事という時代。現代も同じだと思う。言論の自由というか言いたい事は言える時代ではあるが、正しく伝える事が出来る人や番組もそう多くはないと思えます。でも、いない訳じゃありません。
映画で印象的だったのはみんなが煙草をひっきりなしに吸っているという状況。番組出演中も煙草を吸いまくっている。煙草が良いとはいいませんが、あの時代はそれが普通だった訳です。
その普通な感じが良かった。当然な感じが。数年後にはテレビ番組の中で煙草を吸うなんて映像は無くなってしまうのでしょうね。色んな規制も大切かもしれませんが、ありのままの姿を見せるという事も大切でしょう。実際、アイドルも煙草とか吸ってる連中もいますよね。別にいいじゃん。放送禁止用語っていうのも変わってくるのだと思う。何年後にかは現在では汚い言葉だとされている言葉もみんなが自然に普通に使う事になってくる事もあるでしょうし、逆に今は問題無く使われている言葉が禁止になってくるでしょう。色んな規制が増えてくる事はたしかでしょうが、間違った事を正す為に間違った方向性に行かないように注意しないといけません。
どうでもいいような些細な事に見落とされる危険性が潜んでいるでしょう。昼間にテレビで見た警察の取り調べについての可視化の問題については現在では一番やばい方向性に進んでいると思われる。可視化する事が大事だというのには賛成だが中途半端な可視化には危険がいっぱいだ。都合の良い所だけを映像にして収録するというような事になると一層、恐ろしい事になる。映像というのは真実を語る事も出来ると同時に使い方によっては嘘も作れるのだから。飛行機のフライトレコーダーのようなものを警察の取り調べ室には設置すべきだろう。と思う。全て収録するという事。映像と音声両方あれば良いが最悪は音声だけでもいいから全て必ず収録する事が必要と思う。
映画の話からそれてしまったが、映画で主人公達は勇気ある行動をし、人を救ったりもした訳ではあるが、一人の同僚の死を食い止める事は出来ませんでした。このエピソードが凄くひっかかりました。勇気ある行動等でヒーローとして描かれる主人公ですが、決して完全ではないという事です。同僚の死には色んな複雑で深いテーマが含まれてると思う。ヒーローは少ないと思いますが映画の中の同僚のような人は沢山いると思う。恐怖や不安に押しつぶされないようにしなければ。深刻で真面目な問題から目をそらす事はいけませんが、たまには逆にアホな事に夢中になって楽しむ事も大切だと思います。エンターテイメントも大切ですよ。
困難で難しい事ばっかり考えてる人には娯楽を。娯楽ばかり求めてる人には困難で難しい事を。
バランスが大事なんでしょうね。でも、どちらからも色んな事を伝える事は出来ると思います。

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