どんぐり眼日記

昔は日々の日記として、今は見た映画の忘備録として更新しています。

「アメリカン・ゴシック」

2007年01月09日 | 映画
ビデオで「アメリカン・ゴシック」を鑑賞。公開当時、劇場に観に行って以来に見る。何か他の映画と2本だてだった筈。こちらの映画が目当てで行ったのです。もはや、殆ど覚えてはいないのだが、なんとも不思議な後味を残す映画だった記憶はあり、派手ではないが、じっくりと丁寧に作られた映画だった筈。
さて、見直してみての感想は前半、正直タルい。ホラー映画の筈だけどもなんか怖い雰囲気とか全然ないのですね。しかし、そのゆっくりとしたテンポの映画が進行してゆくにつれて、その独特のテンポにハマってゆき見た目的には衝撃とかエグイとかそういう派手な見せ場は無いのだが、じわじわと恐ろしい展開となってゆきます。これは公開当時から思ったのだが、このじっくりジワジワな恐怖演出はハマるととても良い。最高に恐ろしい映画とかそういう映画ではないが、良い映画だ。この映画の監督はジョン・ハフという人。「ヘル・ハウス」という怖い映画を作った人。作品の出来としては「ヘル・ハウス」の方が何倍も怖いし恐怖演出も立派だったのだが、「アメリカン・ゴシック」はそんなには怖くないけれど、どこか憎めない実に皮肉とユーモアがつまった静かで無邪気で邪悪な映画。妙な明るさと気持ち悪さが実に良い映画だ。なんか笑えるような不思議なユーモアみたいな感じが微妙に恐怖と絡んでいて独特。あまり知られていない映画だろうが、一度見る事をお勧めできる映画です。時間のある時にゆっくりとダラダラ見るのに最適です。
パパ役のロッド・スタイガーの演技も素晴らしい。他の役者はどれも知らない人達ばかりだが、そこがとても良かった。そうだもう一人有名どころマイケル・J・ポラードも出ていたな。彼もこの映画で凄くいい味を出していたな。玩具の銃撃つ所の無邪気さ最高ね。この家族の感じ・・もっと派手に今風にしたら・・・そうか、「マーダー・ライド・ショー」に繋がっていくのかもしれません。
血みどろ系とか首が飛んだりとか残酷なのは苦手で昔の怪奇映画が好きな人には特にお勧めのユニークなホラー映画です。

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