今回は、「伊万里 染付 ザクロ文捻縁小皿」の紹介です。
これは、昭和58年に(今から37年前に)、仕事でお隣の県に出張した際の帰り、乗り換え駅の近くの骨董店買ったものです。
駅での待ち合わせ時間が長かったものですから、時間潰しに駅周辺をぶらぶらしていましたら、偶然、骨董店を見つけたわけです。しかも、運良く、なんとかこれを買うだけのお金を所持していましたので、買ったわけです(^_^)
私は、この手のものは、それまで、図録などでしか見たことがありませんでした。ところが、それを実際に手に入れることが出来たわけで、私にとっては忘れられない感激の伊万里となったわけです。犬も歩けば棒に当たるというやつでもありますね(^_^)
表面
上半分には白地の中に染付でざくろが二個描かれ、下半分には染付の中に唐草と桜が白抜きにされ、
いわば片見替りとなっており、洒落た文様です。周辺は二十の鋭い捻となっていて、
口縁には口紅が施されています。
裏面
側面
かなりの歪みが見られます。
製作年代: 江戸時代前期
サ イ ズ : 口径;13.1×13.8cm(歪んでいるため) 高台径;8.9cm
なお、この「伊万里 染付 ザクロ文捻縁小皿」につきましては、かつての拙ホームページの「古伊万里への誘い」でも既に紹介しておりますので、それを次に紹介し、この小皿の紹介に代えさせていただきます。
<古伊万里への誘い>
*古伊万里ギャラリー9 伊万里 古九谷様式 染付 ざくろ文捻縁小皿 (平成13年11月1日登載)
薄作り、捻縁、片見替り、逆蛸唐草、口紅・・・・・。いろんな手法、技法、秘法が駆使されている。技とデザインのデパートだ。小さな物体の中に、よくもまあ、これだけのものを詰め込んだものよとあきれるほどである。かといって、技巧に走っているわけでもなく、嫌味もない。
この手のものを・・・・・と狙っているが、なかなか手に入らない。絶対量が少ないのだろう。
「初期伊万里から古九谷様式」(小木一良著 創樹社美術出版)137ページが「・・・・・藍九谷や色絵古九谷の捻縁中皿類は伊万里全期を通じ、最高の作ぶりと評し得るものと云えよう。」といっているのもうなずける。
伊万里の歴史は、草創期からまもなくして全盛期を迎え、あとはだんだんと退潮していった。中国の陶磁器の歴史もまたしかりである。そうであれば、人間の歴史もしかりで、現在は退潮期・・・・・?