プールはできたけど支払う金がない
「プールはできたけど支払う金がない」ということは自治体の事業としてはありえないことです。そんな異常事態がいま東御市で起きています。私たち庶民に振り返って考えてみましょう。たとえば住宅を建設する場合、まず貯金をして、足りない分は銀行から借りる算段をしてから始めます。ところが東御市はうわさによれば、億単位の寄付をしていただけるという篤志家の言葉だけをたよりにこれだけの事業を始めたのです。
寄付というのはそもそも篤志家の善意です。集まってみなければわかりません。そうしたお金をあてにして13億円の巨大事業をスタートしたのです。私たち庶民感覚からすればありえないことです。むろん自治体の事業としても異常です。
危機管理がまったく行われていなかった
当然議会では寄付が集まるかどうかが大問題になりました。しかし花岡市長は「もし集まらなかったらどうするのか」という議員の質問に対し「集めます、頑張ります」を繰り返すばかり。ことは公金であり、自治体財政にかかわります。やってみたら穴が開いたというのは通りません。
もしやるにしてもリスクを回避する算段を考えておくべきでした。これも庶民の金銭感覚から相当ずれています。花岡さんは経営者でもありますが、経営的な観点から考えてもこんな無責任なことはありません。地方財政法という財政運営の法律があります。それには財源を明確にすることが定められています
心配は現実のものに
そして心配は現実のものとなりました。昨年度は1億6000万円、今年度は6億円もの赤字が生じ、それぞれ借金することになりました。当初は「13億円すべて寄付で集める」という公約は果たされませんでした。総額9億円という巨額の借金が残されました。花岡市長は当初こんなことになるとは一言もおっしゃっていませんでした。花岡市長の失政のために市民はこれだけの借金を負うことになったのです。こんなことはとうてい許されるものではありません。
この事態に対し花岡市政はどのように対処するのでしょうか(続く)。