東御市の借金のことを起債残高といいます。花岡さんは後援会員の皆さんにお配りした後援会報の中で、「財政の健全化への取り組み」として12年間で約160億円の起債の削減を実現したとその成果を述べています。
そこでこの間の市の借金(市債)の推移を見てみました。それが下のグラフです。平成19年の一般会計・特別会計の市債残高は149億円です。これに対し平成30年は193億円です。その結果市債は44億円増えています。私も議員時代借金のことを質問したこともあり、その際市側からの説明は「200億円を超えないように務めている」というものでした。大幅に借金を減らしたという実感はありませんでした。
ではなぜ借金を減らしたと言っているのでしょうか。それは企業会計と合算で考えているからです。
企業会計には上下水道会計・病院事業会計があります。この中で下水道事業については、トイレの水洗化を推し進めるために巨額の借り入れをしました。毎年その返済が行われています。その結果、企業会計は平成19年の249億円から平成30年の115億円まで、この間134億円借金を減らしてきました。
すなわち、借金を減らした一番の要因は企業会計によるものです。この借金の返済は毎年返済計画にもとづいて行われており、これを約定弁済(やくじょう・べんさい)といいます。これはどなたが市長になっても実施しなければなりません。
一方一般会計・特別会計の起債残高はこの間大きく増えてきています。これは東御市が積極的な投資を行ったためです。市役所庁舎の建て替え、中央公民館の改修、保育園舎の新築、15億円道路の建設、土地開発公社の不良債権処理などの事業を矢継ぎ早に行った結果です。
私はこうした一連の事業を一概に否定するものではありませんが、借入金の減少は下水道事業会計の約定弁済の結果であり、胸を張って「借金を減らした」といえるようなことではありません。もし借入金縮減のために特別な手だてをとったと言うのであれば、その具体的な取り組みを述べるべきでしょう。