平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

日立 HA-7700の修理~その5 修理完了まで

2016-05-19 18:43:09 | アンプ製作と修理
 HA-7700のノイズの原因は、メインアンプ基板の入力に繋がるアースの断線でした。テスターで計測しても導通で抵抗値はゼロ。しかし、音楽信号を流すと断線状態になり抵抗値無限大。なぜこうなったのかを推測すると、ケーブルの構造にあるように思えます。


右上から伸びる白いケーブルが断線していた入力ケーブル
中央のアースの断線



交換後の入出力基板のメイン基板への出力
真ん中のG15がアース


 画像のように、このケーブルは特殊で、見た目は2本の平行ケーブル、実際はLRアースという3本の構成になっています。アース線は単線で細い上に、ショート防止のビニールパイプを嵌めてあります。これが結構硬くて、それでアース線に力が加わりすぎて折れたのではないか。折れていても外皮で固定されているので、直流動作のテスターで測ると折れた先が導通になる。交流信号だとインピーダンス(交流抵抗)が高くなって抵抗値が高止まりする。そんな原理ではと想像するしかありません。


右上の真ん中の線の先端に近いところで断線だと思う

 自作した定電圧電源基板から他の基板に配線するとき、何度も着けたり外したりするのは大変。番号をふっているピンを間違える。いちいち回路図を見ながら確認作業するのも嫌なので、ケーブルにタグを付けて作業の効率化を図りました。ところが、適当なタグは市販されていない。厚紙にポンチで丸穴を開け、紙の表裏にピン番号を書き、100円ショップで買ったタグ用のワイヤーで結んでケーブルに固定。これだけで丸一日の作業です。


制作したタグ

 入力のケーブル交換で無事に音が出ましたが、外してあるヒートシンクを底板に固定するのがまた大変。下からネジ止めなので、下から覗きこんで穴を探すことが出来ません。重いアンプだから横にするのが精一杯。そこで、リアパネルを取り付けてから、トランス側を下にして横倒し。何とかネジ止めに成功しました。

 リアパネルを取り付ける時も、ACケーブルの端子台のアースが1本切れているのを発見。切れたばかりで、トランスから出ているアースのはず。でも、間違って接続したら今までの苦労が水の泡。ということで、分解した時の写真を見て確認しようと思いました。ところが、ビデオカメラからまだパソコンにコピーしていなかった。Vリーグのファイナルまでしかコピーしていませんでした。コピーする作業も面倒で、外付けのメモリーカードがカメラに入ってないとソフトが認識しない orz


トランスから出ているACケーブルのアース側断線

 無事にACケーブルをハンダ付けし、切れかかっているもう1本も被覆を剥き直して再取り付け。ダビング用と入力切替のセレクタースイッチは延長シャフトを必要とするのですが、自作定電圧電源はひっくり返さずともギリギリ収まりました。まるで計算したみたいですが計算なんかしていません (;^ω^)


うまく収納できた (;・∀・)
タグだらけ orz
右端のヒートシンクがシャフトに接触しそう


 このアンプは、音量調整とトーン調整のプリアンプと、パワー段のメインアンプを切り離して使うことができるのですが、ジャンパーピンで繋いでプリ・メインアンプの完成。プリ部は問題なしを確認しています。

 プリメインアンプとして音出しテスト。ヘッドフォンだけの印象ですが、無音の時はブーンというハムノイズが少し出ます。ケーブルの取り回しが綺麗でないのでその影響かも。音を出せば気になりません。またバランスを回してもノイズが出るのでバランスの洗浄が必要かも。


ヘッドフォンでテスト中

 音質ですが、豪快で切れの良いタイプではなく、柔らかくてフンワリしたマシュマロのような音です。日立のバレーボール選手で言えば、焼肉好きの佐藤あり紗ではなくスイーツ好きの愛宕涼子ちゃん。

 メインアンプの初段がJ-FETではなくて、高増幅率のトランジスタ2SC1775Fなので、出力の直流漏れがなかなか安定しません。それで、リレーオンまでのミューティング時間を長めに改造しました。電源オンからリレーがカチッと入るまで15秒くらいかかります。ちょっと待ち時間が長いですが、安定動作の領域になるとDC漏れもゼロ近くになります。


リレー駆動部
左の抵抗150kΩを100kΩ、電解コンデンサの220μFを100μFにするとミューティング時間が短くなる


 あとはフロントパネルとツマミ類を取り付ければ完成。テスト用の定電圧電源は安定動作するし、うまく収納できたのでこのままでも良いような気がします。実は、抵抗1本をパターンに書き込むのを忘れ、新しい基板のパターンも再プリントしてもらう必要があります。そこまでしなくても音は出ているので、当分はこれで行きたいと思います。それにしても長かった。


無事に完成してスピーカーに繋いでテスト
ソプラノが艷やかで流石はMOS-FETの元祖


    エフライム工房 平御幸
コメント (11)
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