平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

ゴマ粒測定器の制作

2014-11-24 03:18:38 | アンプ製作と修理
 無理しすぎたので肝機能障害で体が眠りを欲しがっています。でもやらなければならない宿題が溜まっているのでもう一頑張り。今回はゴマ粒大のトランジスタを測定する補助器具を制作しました。ゴマ粒測定器です。HMA-9500Ⅱのモジュールを修理するのに必要不可欠です。


上から ヒートクリップ、ゴマ粒測定器、チップトランジスタ、本物のゴマ粒

 トランジスタは3本足の小豆大~大豆大が普通ですが、製品の小型化に欠かせないのがチップトランジスタと呼ばれるゴマ粒大のものです。これは、普通の豆粒大のトランジスタと中身は一緒というものが多く、基板に直付けするので放熱が出来ない短所があります。トランジスタの足も放熱に一役買っているのです。


ミニ基板の裏側拡大画像

 このゴマ粒大のチップトランジスタは足が殆ど無いので、増幅率を測定するときに困ります。それで、チップトランジスタを固定するミニ基板を作りました。汎用の穴開き基板にコンデンサーの足の余りを3本取り付け、サンハヤトのシール基板を貼り付けたものです。このシール機版に、普通のトランジスタとチップトランジスタを変換するパターンがあるのです。


チップトランジスタを置いただけの表側拡大

 問題は、チップトランジスタを固定する方法です。ゴマ粒大で足も短くて幅も0.5mm以下。おそらく0.3mm。3ヶ所の足をシール基板の中央にピッタリ合わせて、その上で固定しなくてはなりません。最初はソケットを考えたのですが、精度が確保できそうもないので、バネで抑えることにしました。しかし、このバネも難題。

 その時にピコーンときたのが、トランジスタをハンダ付けするときに、トランジスタを熱から守るヒートクリップという冶具(やぐ)です。今まで一度も使わずに箱に入れていたもので、試しにこれでチップトランジスタを挟んでみたら見事に固定出来ました。


このようにヒートクリップで固定する
ミニ基板の足が太すぎてICクリップに入らないので手で支えて測定する


 このようにしてミニ基板に固定したチップトランジスタを測定するわけですが、僕の測定器は7ピンのICソケットを使っています。測定器の自作記事では3ピンが多いのですが、僕はNチャンネルトランジスタとPチャンネルトランジスタとを同時に測定できるように、7ピンソケットを3ピンずつに分けて配線しています。中央のピンは使いません。

 トランジスタの足は、左からE(エミッタ)、C(コレクタ)、B(ベース)という配置(アサイン)が多く、今回のチップトランジスタは逆向きで、左からB(ベース)、C(コレクタ)、E(エミッタ)という配置になっています。コレクタが中央というのは一緒なので、ミニ基板をグルリと半回転回せば問題なく使えます。

 完成したもので早速測定してみましたが、残念ながらチップトランジスタの増幅率がNチャンネルとPチャンネルで異なり過ぎでした。これではコンプリメンタリーが取れません。トランジスタのコンプリメンタリーは男女の関係と同じで、ペアはホモの関係と同じです。なかなかピッタリと合うコンプリメンタリーは難しく、鈴商などで買って測定し直しです。

 なお、今回測定したチップトランジスタは、2SA1121/2SC2618のコンプリで、これの普通の大きさが2SA673/2SC1213Aのコンプリです。今回は双方のランクが違っていたのが合わない原因でした。どちらもCランクが指定ですが、2SA1121の方だけ増幅率の高いDランクでした。他に、ソニーのTA-F3000に使われているチップトランジスタも測定したのですが、やはり新しいトランジスタはバラツキがなくてペアがたくさん取れます。

    エフライム工房 平御幸
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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ひなた)
2014-11-24 16:30:55
先生こんにちは。
器具製作お疲れ様です。

新しいアンプが届きましたので、さっそくミニミカエルさんとソニーのラジオレコーダーに繋いでみました!今回はトラブルなく音が出てホッと一安心です。
今まで聴いていた音に比べると、音楽に空間があるような気がします(巧く言えませんが)。それから、今までと違って音が小さいパートと大きいパートの差がある曲でもボリュームをいちいち調整する必要がありません(我が家は集合住宅なのでボリュームには気を遣います)。
冬至までに音がまともに出せて本当によかったです(音が出るまでに肩がすごく重たくなりましたorz  妨害ニダ)。そのうちまともなCDプレーヤーも揃えたいですね。次々と欲が出てきてしまいます。

先生、ここに至るまでご迷惑ばかりおかけしてすみませんでした。本当にありがとうございました。

ちなみにアンプはパイオニアのA-10です↓

パイオニア、オーディオ的こだわりを詰め込んだ手頃な価格のプリメインアンプ「A-30」「A-10」
http://www.phileweb.com/news/audio/201203/01/11774.html
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ひなたさんへ (平御幸)
2014-11-24 17:18:01
ひなたさんこんにちは。

A-10 ローコスト機 orz

でも入門用には良い選択です。戻ってきたソニーTA-4650の豊かな音楽性に比べれば劣りますが、ミニコンやラジカセレベルとは流石に違って一応はオーディオです。

ミニミカエルは音に浸透力があるので小音量でもボケることはありません。微小信号に強いし、空間表現に優れます。作って失敗したのは一人だけですから、作りやすさも長所の一つです。

ということで、いずれは自分で作るように ( ´∀`)
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Unknown (ふく)
2014-11-24 19:06:49
先生、こんばんは。

ゴマ粒測定器の制作お疲れ様です。m(__)m
ほんとうにゴマ粒の大きさのチップで作業も目が良くないと難しそうです。
20日にピエタを落としてしまい、額縁が壊れ(絵とアクリル板は無事)また修理をしておりました…前代未聞?の大失敗をしてしまい、申し訳ございません。
m(__)m
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ふくさんへ (平御幸)
2014-11-24 20:46:58
ふくさん今晩は。

本当に疲れた orz

東スポ杯の前にお風呂に入って、レースを見て明日明後日は雨だから2日分の買い物をして、久しぶりにカツ丼弁当を食べて寝て起きたけど疲れてる orz

ゴマ粒測定器にチップを載せて固定するだけで、ファビョーンする人が出ると思います。回転角誤差2度、位置誤差0.5ミリまで。

額縁まで修理するとは流石は女忍者 (@_@;)
返信する
Unknown (かたつむり)
2014-11-25 00:35:18
先生、こんばんは。

ゴマ粒測定器の制作お疲れ様です。
タイトルだけ見た時に「ゴマ粒?!」と思っていたらトランジスタのお話でした(;^ω^)

見比べてみても本当に小さいですね・・・目が痛くなりそうです。
そして確実にファビョーンする自信があります(`・ω・´)ゞ
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かたつむりさんへ (平御幸)
2014-11-25 00:44:49
かたつむりさん今晩は。

慣れると爪先で摘んでセットできます。医科学用のピンセットがあればベスト。100円ショップのピンセットでは掴めません。裸眼でないとムリポですね。

ゴマ粒トランジスタをハンダ付けする回路を作って、みんなにハンダ付けさせなきゃ (ーー;)
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