7月25日よりポルトガルのアゾレス島で第11回目の国際ホワイトヘッド学会が開催されます。基調講演を依頼されたので、少し早めに出発し、リスボン経由でアゾレス島に着いたところです。会場の下見に行ったところ、会議の主催者であるマリア・テレサ・テイクセラ先生より、彼女の翻訳したホワイトヘッドのProcess and Reality のポルトガル語訳をいただきましたので、アップします。今回の国際会議のテーマはNature in Process です。私は基調講演の他に初日のプレナリー・セッシオンのパネリストも依頼されましたが、このパネルの主題は ローマ教皇フランシスが一昨年に出した回勅 「ラウダート・シーともに暮らす家を大切に」における統合的エコロジーの問題です。エコロジーの様々な次元、単に生態学的なレベルだけでなく、人間、社会そして宗教のすべての次元を統合し、「他者のために他者とともに生きること」の意味を問うわけですから、私としては上智大学で宮本久雄神父とともに行ってきた共生学の理念が漸くローマ教皇の回勅でも取り上げられたという感慨を持っています。そして、ホワイトヘッドのProcess and Reality のコスモロジーは西田幾多郎と田辺元に由来する京都学派の哲学とともにアゾレス島での国際会議においても重要な意味を持つものとして再評価されるでしょう。
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