25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

今のうちに来てくれよ

2019年06月19日 | 映画
フィリピンプレートが新潟沖から紀伊半島沖、四国沖、要するに南海トラフと続いている。日向沖で地震があれば南海トラフ大地震が起こるという学者の意見を以前聞いたことがあって、この頃この宮崎県の日向沖でも地震が起きるようになっているので、心配度は確実に上がっている。関東大震災も心配である。
 尾鷲は岩盤が硬いと言われていて、地震で家屋倒壊などはないと内心思っているが、そういう思いはだめなのかもしれない。
 阪神淡路大震災以降、大型の地震が連発している。日本列島の火山という火山のマグマが全部噴き出すのではないかと妄想もする。こどもたちや孫たちは東京に住んでいるし、ぼくらは南海トラフ直撃地域でしかも海のそばときているから、なんとも嫌な話であるが避けられない。
 
 細君の両親は東日本大震災の時の津波で死んだ。前の海は島ひとつない遠浅の海だった。その海を見て義父はここは津波が来ないから、と言っていた。こんなに島ひとつない入り江でもないじかに太平洋の海では津波がきてもせいぜい1メートルかとぼくも思ったものだった。それが全く違っていた。地震のとき、車で走っていた義弟は家に電話し、救援にいくからと外で待つよう言ったのだった。義弟が到着し、両親の姿を見た瞬間に津波が来た。家も倒れ、両親も波にのまれ、義弟は車ごと流された。車の中だからよかった。車の後ろガラスが割れ、そこから抜けだした。彼は九死に一生を得た。

 地震が起きる。警報が鳴る。五分後津波の第一波がくる。いくつかの物をもって逃げる。なんだか面倒だ。それでもその面倒さをしなければならない。その災害のあとがさらに面倒だ。面倒、面倒でストレスが積もり、免疫力が低下して死ぬ人も出てこよう。

 南海トラフも来るなら今のうちに来てくれよ、と思う。まだ元気なうちにだ。