エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

すすきに寄せる

2011年10月03日 | 日記
ススキである。
枯尾花とも言うのである。



秋風こそが似合う穂先の銀色の輝きである。



ススキは、秋の代表格の植物であり季語である。
ぼくは山梨県甲府市の出だけれど、極めて著名な俳人がいる。




   をりとりてはらりとおもきすすきかな       飯田蛇笏


この人である。
甲府近郊の丘陵の中腹に居を定め、秀句をものにした。

すすきのほが、はらりと重い。
素晴らしい感性である。



すすきは山に密生して真価を発揮するけれど、川辺もまた見事である。



霞むようなススキは正に秋の風物詩である。
花言葉は「心が通じる」「隠退」「勢力」「生命力」 「活力」「精力」である。

陰では無く陽の花言葉となっている。



この向こうに必ず明るい太陽がある。
花言葉は、そう言っている。

ススキの穂の印象からは考えられないイマージュである。



「おれは河原の枯れススキ」などといったフレーズは、断固撥ね退けようではないか。
「おれはみんなのすすきだぜ!」と胸を張らねばならないのである。


   ススキの穂群れて揺れたる空の色       荒野人


時間と、光によって千変万化するススキである。




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 荒野人