友人が国立駅南口のギャラリーで絵画展に参加している。
10日までだと云うので、桜見日和の昨日出かけたのであった。

古い友人である。
若かりし頃、ともに遊び、学びかつ働いた仲間である。

青春を彩った重要な一人なのである。
駅前で、まず驚いたのであった。

ずっと続く桜並木が見事に満開である。
柔らかな日差しと暖かな大気。
「春風駘蕩」を絵に描いたような景色である。
もはやちらちらと花が散っている。
それも風情を漂わせつつである。

桜の名所とは、こうしたものなのだろうと思わせる駅前である。

駘蕩という風の吹く兆しかな 野 人
並木沿い車列のごとき桜かな 野 人
花満開風吹きたればそよと散り 野 人
P
会場を辞して30分も経っただろうか。
その友人から電話があった。

永い間連絡が途絶していた共通の友人が来た。
声を聴きたいと言っている。
という内容であった。

ぼくは久闊を叙し、かれと長い電話を交わしたのであった。
桜が引き合わせてくれたのであろうか。
懐かしい声と出会ったのであった。

桜は、いつでも嬉しい便りを運んでくる。
年に一度、桜花が散るまでの夢時間である。

友人も、絵画の腕を上げた。

その筆致は鮮やかである。
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荒 野人
10日までだと云うので、桜見日和の昨日出かけたのであった。

古い友人である。
若かりし頃、ともに遊び、学びかつ働いた仲間である。

青春を彩った重要な一人なのである。
駅前で、まず驚いたのであった。

ずっと続く桜並木が見事に満開である。
柔らかな日差しと暖かな大気。
「春風駘蕩」を絵に描いたような景色である。
もはやちらちらと花が散っている。
それも風情を漂わせつつである。

桜の名所とは、こうしたものなのだろうと思わせる駅前である。

駘蕩という風の吹く兆しかな 野 人
並木沿い車列のごとき桜かな 野 人
花満開風吹きたればそよと散り 野 人

会場を辞して30分も経っただろうか。
その友人から電話があった。

永い間連絡が途絶していた共通の友人が来た。
声を聴きたいと言っている。
という内容であった。

ぼくは久闊を叙し、かれと長い電話を交わしたのであった。
桜が引き合わせてくれたのであろうか。
懐かしい声と出会ったのであった。

桜は、いつでも嬉しい便りを運んでくる。
年に一度、桜花が散るまでの夢時間である。

友人も、絵画の腕を上げた。

その筆致は鮮やかである。


荒 野人