エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

チューリップという巨花

2012年04月26日 | ポエム
そのケレンミのない姿は、一個の天体である。



白いからといって侮ってはいけない。
光線の具合によって、微妙にその肌合いが変化するのである。

しとやかな女性の耳たぶを「甘噛み」するように、豊かな情感をもって愛でよ!








       チューリップ妖しき裳裾閉じており          野 人








オランダがもっとも生産量の多い国であることは言をまたない。
そのオランダに残されている、古い言い伝えがある。



ある美しい少女に3人の騎士が求婚をした。
一人は黄金の王冠、もう一人は剣、最後の一人は財宝をもって愛をささやいた。
しかし、三人の騎士から求婚されたものの誰とも選べぬ少女は悩んだ末に花の精霊に願い、自分を花の姿に変えてもらった。
結納であった王冠は花に、剣は葉に、財宝は球根になった。
花の姿に変えられた少女の名から、その花はチューリップと名付けられた。

といったものである。



チューリップを国花とする国は多い。
アフガニスタン、オランダ、トルコ、ベルギー、ハンガリーである。








       誰もみな上向きの面チューリップ        野 人







トルコを原産とするチューリップは外貨獲得のために主力輸出品として活用しており、オランダでは代表的な風景の一部として風車とともに紹介されているのである。
チューリップは、古くより経済に影響を与えた重要な花の品種なのである。






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      荒 野人