エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

再び夜桜

2012年04月14日 | ポエム
夜桜。



風が吹き来たり、花を散らす。



「桜まじ」である。
桜を静かに散らす、暖かい南風である。
春の季語である。





      夜桜の秘密を見たり鵺啼きぬ         野 人


      夕暮れの桜色なす提灯や           野 人


      日が暮るる人は踊りぬ花見かな        野 人


      夜になりにわかに始む花吹雪         野 人







自衛隊官舎の横の遊歩道である
自衛隊の駐屯地には桜の名所が多い。

いや、旧帝国陸軍駐屯地に名所が多い・・・と言いかえるべきか!



昨年は自粛モードだったのだけれど、今年は提灯もぶら下がっている。



桜の木の下には、人の欲望が埋まっていると云った。
ぼくの尊敬する作家「梶井基次郎」は人の死体が埋まっていると書いている。
また、坂口安吾は桜の森の満開の下は怖ろしいと言いきった。



だがしかし、現在人はその桜の下で酒を酌み交わし、団子を食っているのである。
この夜、桜を散らす暖かい南風が満開の下を吹き渡った。



だがしかし夕刻、空を見上げたら、見事なまでの飛行線を描いて飛行機が去って行った。



美しい空であった。
この飛行線は、夜桜への期待を膨らませたのであった。




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      荒 野人