エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

再び空を

2013年06月04日 | ポエム
再び空を見上げる。
梅雨はどこに行ってしまったのだろうか。

これからの一週間、首都圏に雨マークが無い。



緑が一層映える。
梅雨が明けると「万緑」となる予定である・・・と自然の節理が言った。
ぼくは何気なく耳を傾ける。







「空を描く一刷けの雲桜の実」







桜の実が、可愛らしい。
「こつまなんきん」という小説が想起された。

今東光の作品である。
小さくて可愛らしい・・・それが「こつまなんきん」である。

因みに、今東光は「中尊寺貫主」を務め、瀬戸内晴美の出家の際「寂聴」の法名を与えたことでも有名である。
僧侶としても、天台宗随一の古儀、法華大会(ほっけだいえ)「広学豎義」(こうがくりゅうぎ)に臨み教学論議(僧侶の試験)を及第し阿闍梨となっている。



前にも書いたけれど、黒く熟して落果する。
遊歩道の上に落下する事が多い。
従って、踏まれて果液が舗道を汚す。



花は鑑賞して飽きることが無いのに、こうして桜の実は見捨てられる。
気の毒である。



小鳥すら食べない。
食べているところを見た事が無い。

よほど不味いのか?

梅雨の晴れ間が続く。
武蔵野の林は、緑の匂いを充満させている。



       荒 野人