エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

泰山木の花

2013年06月10日 | ポエム
泰山木の花が高みにあって咲いている。
正に、初夏を象徴する花である。

初雪のように、清廉で美しい。
加えて大柄である。
例えようもない魅力的な花である。

手が届かないからでもあろうか・・・。



ところで、昨日も晴れ。
ずっと晴れている。



昼の後、雲の峰も姿を現した。
早く雨が欲しい。



こんな空だからこそ、泰山木の花が良く似合う。
泰山木の花のための晴れであろうか。

先人の句に学ぶ。


「たまたまたづね来てその泰山木が咲いてゐて」
            山頭火
「泰山木の大き花かなにほひ来る」
            亞浪


亞浪師は、ぼくらが学ぶ「からまつ」の源流である。
平易な言葉で深い俳句を詠もうとしておられる。







「香り立つ甘さ届けず泰山木」







泰山木は、背丈がかなり高くならないと花が咲かない。
花、葉、樹形などが大きくて立派なことから賞賛してこう名づけられた。
花の形を、大きな盃(さかずき)に見立てて「大盃木」、それがしだいに「泰山木」になったのである。

伝言ゲームのように人の口から伝わり、次第に人が落ち着く表記になっていったのである。

大柄で、清廉で、芳香を放ち、白く、美しく、高みで咲く・・・花。
である。



        荒 野人