エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

奄美便り11「海の落日」

2014年08月05日 | ポエム
一日、夕陽を見に出掛けた。
奄美の北部、笠利町の突端である。
だがしかし・・・日を選べない、哀しいかな旅人の宿命。
曇天であった。



この海は、奄美大島北部の先端である。



日本一短いトンネルがある。
春分の日と、秋分の日には、このトンネルの穴に夕陽がすっぽりと入ると云う。

きっと見事な夕景であるのだろうと思う。







「海に落つ海の深さの夕焼かな」







海の貌は様々であって、見ていると時間を忘れる。
だがしかし、牙を剥く時もある。
あの大震災の直後に、盛り上がった海。
津波となって押し寄せ、多くの命を奪って行った。

海は、そんな事は忘れたよ!
と言わんばかりに、穏やかにたゆたっている。



被害を受けたぼくたちは、決して忘れない。
いつまでも、俳句に詠み続ける事が鎮魂の行いであるからだ。




       荒 野人