エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

臭木の花

2014年08月22日 | ポエム
臭木の花が、ほぼ満開である。



花の形は「夜来香」のようである。
けれど放つ匂いは、梔子のような甘さである。

それなのに臭木とは、あまりに酷いではないか。

夜来香葉、噎せかえるように匂いを放つ。
けれど、臭木は引き寄せると匂う。







「臭木咲く寄るな触るな汝が肌に」







実に慎ましやかな花である。
この花が何故「臭い木」なのか・・・。
臭木は日当たりのよい原野などによく見られるシソ科の落葉小高木である。
葉を揉むと悪臭を発する事から、この名があるのだ。

花言葉は
「運命」「治療」である。



この臭木の傍のベンチで、本を読む女が一人。
なかなかの雰囲気である。



暫く見ていたのだが、座っている右横に缶ビールが一缶。
時々グビッと呑んでいる。

ビールを嚥下する白い首が、妖しげに蠢いて男を惹きつける。




      荒 野人