エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

同床異夢

2014年08月18日 | ポエム
蝉の生涯ほど「同床異夢」という四字熟語が似合う生物は、いない。



土中から這い出る。
脱皮する。
空蝉を残して鳴き続ける。
鳴き疲れて樹上から落ちる。
生涯を終える。



空蝉と死する場所とはそう違わない。
そう思う。







「空蝉の同床異夢と云う定め」







空蝉と言えば、日本人は源氏物語を連想する。
だがしかし「儚い命」に想いを馳せるべきだろう。



生れ出る時も、死する時も同じ匂いの場所を選びたがる。
人間と同じではないか。



それが哀しい。
哀しい性であるのだ。

因みに、この写真は創ったものではない。
この画像通り、空蝉と亡きがらが並んでいたのである。




      荒 野人