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エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

辛夷の実

2014年08月17日 | ポエム
今頃である。
辛夷の仄紅い実が、葉影を彩っている。



この実の形が「こぶし」の名前の由来である。
そう・・・手を握りしめて「拳骨」の形に見える。
だから「こぶし」なのである。

この実が秋には真っ赤になり、初冬には割れて中の実生が零れる。
今頃のこの辛夷の実は、歳時記には記載が無い。
従って、季語となっていないけれど晩夏の季語であって良いのではないか!







「辛夷の実健気にしかし逞しく」







まるで季節外れの現われ方である。
辛夷は、どっこい生きている。
拳骨を突き出しているのであある。



なんとも健気ではないか。
その健気さに、ぼくは人知れず感動する。

植物の連鎖の頑さについてである。



      荒 野人