今頃である。
辛夷の仄紅い実が、葉影を彩っている。

この実の形が「こぶし」の名前の由来である。
そう・・・手を握りしめて「拳骨」の形に見える。
だから「こぶし」なのである。
この実が秋には真っ赤になり、初冬には割れて中の実生が零れる。
今頃のこの辛夷の実は、歳時記には記載が無い。
従って、季語となっていないけれど晩夏の季語であって良いのではないか!

「辛夷の実健気にしかし逞しく」

まるで季節外れの現われ方である。
辛夷は、どっこい生きている。
拳骨を突き出しているのであある。

なんとも健気ではないか。
その健気さに、ぼくは人知れず感動する。
植物の連鎖の頑さについてである。
荒 野人
辛夷の仄紅い実が、葉影を彩っている。

この実の形が「こぶし」の名前の由来である。
そう・・・手を握りしめて「拳骨」の形に見える。
だから「こぶし」なのである。
この実が秋には真っ赤になり、初冬には割れて中の実生が零れる。
今頃のこの辛夷の実は、歳時記には記載が無い。
従って、季語となっていないけれど晩夏の季語であって良いのではないか!

「辛夷の実健気にしかし逞しく」

まるで季節外れの現われ方である。
辛夷は、どっこい生きている。
拳骨を突き出しているのであある。

なんとも健気ではないか。
その健気さに、ぼくは人知れず感動する。
植物の連鎖の頑さについてである。
荒 野人